コロナ禍の影響を受け中止になった日本少年野球選手権大会の代替え大会として、関西ブロック9支部の頂点を決める関西選手権が開催され、灼熱の太陽の下、大阪シティ信用金庫スタジアムで行われた中学生の決勝戦は、効果的に点を重ねた播磨ボーイズが10‐5で大津瀬田ボーイズを下し、優勝を飾りました。
試合は序盤から目まぐるしく攻守が入れ替わる緊迫する展開となりました。
播磨ボーイズの先発マウンドに上がったのは、今大会No.1右腕の呼び声高い高松投手。しかし、その立ち上がり、大津瀬田ボーイズ打線に捕まります。
1番・中川選手に四球を与えると2番・山口選手にはヒットを許し、いきなり無死2塁3塁のピンチを迎えます。続く3番・下坊選手のショートゴロで先制を許すと、さらに4番・若林選手にはレフトへの犠牲フライでこの回早くも2失点。しかしここで崩れないのが大会No.1右腕たる所以、5番・草野選手を自慢の直球で三振に仕留め、初回を2失点で切り抜けます。
反撃したい播磨ボーイズは1回裏、大津瀬田ボーイズ先発の西村投手をとらえ、一死2塁3塁のチャンスを作ると、チームの主将である4番・田村選手がセンターへ2点タイムリーヒットを放ち、主将のバットですぐさま同点に追いつきます。
援護をもらった高松投手は2回、下位打線を三者凡退に切って取りチームに流れを呼び込むと、その裏、2本のヒットなどで二死2塁3塁チャンスを作り、打席には同点タイムリーの4番・田村選手。「大事なところで打ててよかった」とレフト前に運ぶ、勝ち越しの2点タイムリーを放ち播磨ボーイズが2点のリードを奪います。
2回に立ち直ったかに見えた高松投手でしたが続く3回、先頭の9番・福井選手に四球を与えたところでベンチが動きます。本調子でない高松投手から2番手・山本投手にスイッチ。あとを受けた山本投手はコーナーをつく丁寧な投球で後続を打ち取り、この回無失点。流れを相手に渡しません。
2点リードのまま迎えた4回、大津瀬田ボーイズ3番手・下坊投手の制球の乱れを突き二死満塁。追加点のチャンスで5番・山本選手が押し出しの四球を選び1点を追加すると、続くチャンスに6番・田中選手がライト前タイムリーを放ち、リードを4点に広げます。
試合は播磨ボーイズ4点リードのまま終盤の6回に突入。ここまで好投を続けてきた山本投手が大津瀬田ボーイズ打線に捕まります。
四球とヒットなどで一死満塁のピンチを招くと、6番・石田選手にライト前タイムリー。続く7番・米川選手にも一二塁間を破るタイムリーを許します。その後、8番・河越選手のセカンドゴロの間に1点を失い、なおも二死1塁3塁のピンチで迎えるは9番・福井選手。ライト方向へ大きな当たりとなった福井選手の打球でしたが、播磨ボーイズのライト・坂井選手がスーパーキャッチ。播磨ボーイズはこの試合最大のピンチをしのぎます。
直後の6回裏、3つの四球を足掛かりに3本の安打を集めこの回4得点。リードをこの試合最大の5点に広げます。
迎えた最終回も二死走者なし。あとアウト1つで播磨ボーイズベンチは一塁の守備についていたエース高松投手を再びマウンドに送ります。最後のマウンドを託された高松投手が3番・下坊選手をサードゴロに仕留めゲームセット。大阪シティ信用金庫スタジアムのマウンドに播磨ボーイズの歓喜の輪ができました。
大津瀬田ボーイズ 西村、河越、下坊、河越 - 若林
播磨ボーイズ 高松、山本、高松 - 田村
二塁打 福井(大津)
中上晴彦監督 インタビュー
Q.優勝した今の気持ちは?
正直疲れました(笑)でも本当に嬉しかったです。
Q.試合前子どもたちに何と声をかけた?
今日が3年生にするラスト采配だったので、思う存分暴れてほしい、播磨の野球を頑張ってやってくれと声を掛けました。うまく打ち勝ってくれたと思います。
Q.どんなゲームプランで試合に臨んだ?
本来は高松くんに先発完投してもう予定でしたが、出だしからちょっとおかしかったので早めに2番手の山本くんに変えました。最終回に高松くんから「最後投げさせてください」と言ってきたので、それならとラスト1人を任せました。見事な継投だったと思います。
Q.勝敗を分けたポイントは?
6回表のライト坂井くんのファインプレーだと思います。神風が吹いて打球が戻ってきてくれました(笑)
Q.これから子どもたちにどんな成長を期待する?
勝つ喜びを高校でも味わってほしいです。勝って家族の方を喜ばせてあげてほしい、それだけです。
高松成毅投手 インタビュー
Q.優勝した今の気持ちは?
自分は調子が悪かったんですが、周りのみんなが助けてくれて優勝できてうれしいです。
Q.大津瀬田ボーイズはいかがでしたか?
どんどんストライクを振ってくる打線だったので、手強い相手だなと思いました。
Q.今後の目標は?
今日の試合のように調子が悪いときが出てくると思うので、そういうときに試合中に切り替えができる選手になって、高校では甲子園に行きたいと思います。
Q.将来どんな選手になりたい?
日本一の投手になりたいです!
田村武琉主将 インタビュー
Q.優勝した今の気持ちは?
新チームが始まった頃は、僕がしっかりしていなくてチームに迷惑をかけていたんですが、みんなに支えられてこの大会で優勝できたことをとても嬉しく思います。
Q.決勝戦を振り返って
いつもは高松投手に助けられてばかりだったんですけど、今日は調子が悪い高松投手をチームの仲間で助けることができたと思います。
Q.ご自身のバッティングを振り返って
今大会はあまり打てなかった場面が多くあったんですが、決勝戦の大事なところで打てたのでよかったです!
Q.大津瀬田ボーイズはどんなチームだった?
雰囲気のあるチームで、捕手から見ていても怖いチームでした。
Q.今後の目標は?
チームを引っ張っていけるようなリーダシップを持った選手になりたいです。
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