9.98 伝説の舞台となったスタジアム
陸上競技も、ローカルの競技会から始まり、徐々に全国レベルの大会が開催されるようになりました。
例年より半年遅れでトラック&フィールドのシーズンが盛り上がってくる中、8月29日、福井で行われたナイト陸上を取材しました。
舞台は福井県営陸上競技場、このスタジアムいえば……2017年9月の日本インカレの100m決勝を忘れるわけにはいきません。
大会3連覇を狙う桐生祥秀選東洋大4年)とその年ブレークした多田修平(関西学院大3年)の一騎打ち、
日本人初9秒台の期待をこめて二人の対決に注目が集まる中、桐生が9秒98で走り、日本陸上界の歴史を塗り替えました。
(多田修平は2位、10秒07は自己ベスト)
舞台となった福井県営陸上競技場はその快挙を記念して、9.98スタジアムと命名されます。
そして去年8月、9.98スタジアムは “奇跡のスタジアム” となりました。
初めて開催されたナイター陸上「アスリートナイトゲームズイン福井」で日本新記録が3つ、タイ記録が1つ誕生したのです。
(男子走り幅跳びで橋岡優輝、城山正太郎、110mハードルで高山峻野が日本新、100mハードルで寺田明日香が日本タイ)
日本新記録の競技映像はこちら
2019/8/17 男子走り幅跳び 日本新記録 橋岡優輝(日本大学)8m32
2019/8/17 男子走り幅跳び 日本記録更新 城山正太郎(ゼンリン)8m40
2019/8/17 110mハードル 日本記録更新 高山峻野 (ゼンリン)13秒25
そして今年、困難な状況下、主催者らがクラウドファンディングなど努力を重ね、日本のトップ選手の参加を得て開催されることとなりました。
あすリートチャンネルでは学生時代から取材を続けている関西出身の選手に注目して大会を取材しました。
ときに日本記録相当のタイムが追い風参考記録となるなど、“奇跡を生む風” に翻弄されながら大会は盛り上がりました。
まずはスプリント界のスター選手がエントリーした男子100mから。
多田修平(住友電工)がシーズンベストで決勝進出
男子100m予選2組に多田修平(住友電工)が出場、シーズンベストの10秒18でこの組トップ、全体の3位で決勝に進出しました。
桐生、多田、小池、ケンブリッジ 決勝のメンバーが凄い!
大会のフィナーレ、午後7時半スタートの男子100m決勝は日本選手権決勝を思わせる凄いメンバーが揃いました。
ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、桐生祥秀(日本生命)、小池祐貴(住友電工)、そして多田修平(住友電工)、
桐生と多田は3年前、同じ福井のトラックで自己ベストをマークしています。
100m決勝 公式リザルトはこちら
多田修平「負けはしましたが、課題をひとつクリア出来ました」
多田選手のレース後のインタビューです。
ー決勝を走った感触は?
多田 ここまでの試合よりも走りの形としては良くなってきたので、順位は4番とちょっと残念ではあったんですけど、予選で10秒18で走れたので自分の走りの中の課題としてはクリア出来たかなと思います。
この前は10秒30台だったんで、きょう10秒10台で走ることが出来ました。あくまで(10月の)日本選手権に合わせてるのでそこにしっかり照準を合わせて、9秒台で走れるようにと思っています。
ーベストを100としたらいまの状態は何パーセントくらい?
多田 好調のときと比べたら70%くらいかな。まだしっくりきてないので、そこがハマればもっといいタイムが出るのかなと思います。
ー大舞台の日本選手権まで一ヶ月ですが…
多田 ことしは10月ということでピークもだいぶ遅くになってくるんですけど、(福井の)こういう大会でしっかり緊張感を持ちつつ日本選手権に挑みたいです。近年、2017年以降はなんとか決勝には残ってるんですけど、下位入賞で終わっているので、
もうそろそろ自分も上位、優勝を目指してやっていきたいなと思ってます。
取材:林龍之介(よみうりテレビ)
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