車いすバスケットボールフレンドシップゲームズ大阪2022
Game1 https://ytv-athlete.jp/lives/21230
Game2 https://ytv-athlete.jp/lives/21243
女子日本選抜合宿 招集メンバー
2財満いずみ 4柳本あまね 6江口侑里 7土田真由実 10萩野真世 11大津美穂 12石川優衣
14清水千浪 15網本麻里 16碓井琴音 17古谷千尋 18北田千尋 19原市紘奈 24大森亜紀子
車いすバスケットボールフレンドシップゲームズ大阪(2月19日・丸善インテックアリーナ大阪)が行われ、14日から始まった女子日本選抜強化合宿が幕を閉じた。例年は、障がい者スポーツの普及・発展、国際交流の進展、障がい者についての理解を深めることを目的とし、世界の競合チームが参加する「国際親善車いすバスケットボール大会」が行われていたが、新型コロナウイルスの影響で昨年は開催を断念。今年は海外選手が来日できないため、女子日本選抜選手による強化試合を行うこととなった。
昨年の東京パラリンピックで6位という結果を残した女子日本代表は2年後に迫った「パリ・パラリンピックで金メダル」という目標に向けて始動している。東京パラリンピックを経験した選手に加え、次世代カテゴリーの選手を選出し、パリ、さらにその先のロサンゼルス、ブリスベン・パラリンピックまでを見据えている。強化合宿では“褒める”をテーマに掲げ、合宿で取り組んできたことをコート上で表現した。
紅白戦 Game1 ハイライト
Game1はコミュニケーションの取れた見事な連携から萩野真世(1.5)のレイアップシュート2本でチームREDが先制する。対するチームWHITEは清水千浪(3.0)、碓井琴音(4.5)の連続得点などもあり逆転に成功。両チームともアウトサイドシュートの確率が良く、好スタートを切った第1Qは12-14でWHITEが2点をリードして終える。しかし、第2Qでは一転、お互いに守備を固め、両チームともにボール運びに苦労することが多くなる。一進一退の攻防が続き、20-24とWHITEの4点リードで試合を折り返す。
第3QではREDの北田千尋(4.5)がミスマッチを逃さず得点するなど、連続得点で同点に追いつく。だが、網本麻里(4.5)の8得点などでWHITEがすぐさま突き放し、第3Q終了時点で30-36。迎えた最終第4Qでは網本が果敢にロングパスを狙うも得点には繋がらない。追いつきたいREDは北田のロングパスに萩野が反応し得点を奪うなど、見せ場を作ったが惜しくも届かず、42-46でWHITEが逃げ切り、勝利を飾った。
あすリートチャンネルのライブ配信で解説を務めた岩野博ヘッドコーチは「慌てることもなく、落ち着いてプレーしていて、やることが明確になっているプレーが多かった。今回が2回目の本格的な合宿だったが、練習通りに連携ができていて良かった」とGame1を総評した。
紅白戦 Game2 ハイライト
Game2は地元関西のクラブチーム“カクテル”のメンバーを中心としたチームREDと代表メンバーを中心としたチームWHITEという形で試合が行われた。
第1QはWHITEが先制するも、REDがボールを保有する時間が続く。クラブチームで培われたチームワークで試合を支配し、5連続得点や柳本あまね(2.5)がこの日唯一の3ポイントシュートを見せた。WHITEは積極的にシュートを放つも、なかなか得点には結びつかず、17-9でREDが8点をリードする。第2Qに入ってもREDの勢いは止まらない。トランジションが早く、WHITEに攻撃の隙を与えず、ローポインターの柳本が攻守に渡って存在感を見せた。WHITEは江口侑里(2.5)が6得点を奪い奮闘したが、29-17とREDの12点リードで前半を終える。
後半開始直後には北田が相手にプレスをかけ、ボールを奪取、そのままレイアップシュートに持ち込み、得点を奪った。第3QもREDが得点を積み重ね、43-21とダブルスコアをつける。しかし、最終第4QではWHITEのシュートがネットを揺らし始める。互いに点を取り合う状況が続き、22点という点差を感じさせない攻防が繰り広げられた。第4Qだけを見れば10-10と互角の戦いを演じ、WHITEの底力を見せつけた。Game2は北田が16得点、柳本が13得点を記録し、53-31でチームREDが勝利をつかんだ。
WHITEで終始存在感を見せた江口はGame2について「チームでやろうとしていることはチャレンジできたと思いますし、各々チャンスができたらゴールまで自分たちでいくことができたと思います」と笑顔で振り返った。
行われた強化試合2試合について、キャプテンの北田は「ローポインターとミドルポインターで仕掛けて点につなげる、ハイポインターは逆サイドで相手を引きつける、他の役割を担っているというシーンが多く見られた。これまでの日本になかったパターンで得点できていた」。岩野ヘッドコーチは「最初の合宿の時からうちのチームはローポインターをどんどん介入させることをテーマにしてきた。全員がそれを意識して、ローポインターだけどシュートに向かっていく、そこにボールを落としていくということが出来ていた。いい試合だったと思っています」と共に合宿の成果を口にした。
“褒める”というテーマを掲げた通り、試合中でも選手たちからプラスの言葉が多く発せられた。2年後のパリ・パラリンピックを大きな目標に掲げ、まずは5月に予定されているAOC(アジア・オセアニア・チャンピオンシップ)に向けてチーム作りに励んでいく。
Game1 チームWHITE 大津美穂(おおつ・みほ)持ち点2.5
─紅白戦を振り返って
最終的に結果は勝って良かったと思います。個人的にはパスミスとか声かけのミスが多かったのが反省点ですけど、チームで色々と声をかけあって、やりたいことが随所にできていたのでそれは良かったと思います。
─合宿を振り返って
今回の合宿のテーマが“褒める”ってことだったので、周りのチームメイトのいいところとか、取り組んでいることとかを常に周りを見ながら、みんなで褒めあって、いい合宿ができたと思います。
─東京パラリンピックの盛り上がりについて
私はテレビで見ていたんですけど、周りの職場の方とか、すごく盛り上がってくれていたので、うれしかったです。
─選抜選手として日の丸を背負うことについて
責任を持って、しっかりパリに向かって頑張っていきたいと思っています。
─車いすバスケの見てほしいところ
選手によって持ち点がバラバラで、それぞれに役割があるので、そういうところも見てほしいですし、激しい車いす同士のぶつかり合いがすごく魅力的なところだと思うので、そういうところを見てもらいたいです。
─選手としての今後の目標
2年後のパリに向けて、1日1日大切にして頑張っていきたいと思います。
─応援してくれているファンへメッセージ
いつも応援していただいてありがとうございます。これからも全力で頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。
Game1 チームRED 萩野真世(はぎの・まよ) 持ち点1.5
─紅白戦を振り返って
新生女子ジャパンとして、初めてみなさんに見てもらう紅白戦になりましたが、それぞれがやること、これまで2、3回合宿をしてきて、習ってきたプレーというのをみんなで発揮できたゲームだったんじゃないかなと思います。
─合宿のテーマについて
ディフェンスもオフェンスも自分たちがこれからやっていくプレーを、まだ習ったばかりなので、みんなで少しずつ合わせながらやっていくという合宿でした。オールコートを使ってのプレーだったり、ハーフコートの中でも、2on2であったり、お互いコミュニケーションを取りながら作り合うっていうのを目標にやってきていたので、それが発揮できていい試合ができたんじゃないかなと思います。
─東京パラリンピックの盛り上がりについて
東京パラリンピックの時は男女ともにいい試合をお見せすることができて、女子も6位という結果を残すことができたので、そこの盛り上がりに、この新しいメンバーで、また次パリに向かっていけるように1つずつステップアップしていければいいかなと思うので、最初の試合としてはすごく良かったんじゃないかなと思います。
─車いすバスケの面白さ、見てもらいたいところについて
今日もいろんなプレーがあったと思うんですけど、得点を決めるだけではなくて、いいディフェンスをしたりだとか、オフェンスも連携したプレーだとか、1人じゃできないプレーというのはたくさんあるので、5人で連携したプレーをたくさん見てもらいたいです。車いすバスケには持ち点というのもあるんですけど、そういうお互いが助けあったり、作り上げるっていうところを皆さんに見ていただければ、もっと車いすバスケットボールを見ていただけるんじゃないかなと思います。
─選手として今後の目標
一番近い大会はAOC(アジア・オセアニア・チャンピオンシップ)といって、世界選手権の予選があるので、そこに向かってまずはしっかり戦えるチームを作ること。また、パリに向けていいチームを作りあげていければいいかなと思います。
─ファン・サポーターへメッセージ
女子の試合を見れる機会はあまりないと思うので、こういう機会で女子も車いすバスケでしっかりやっているという姿を皆さんにお見せできて勇気だったり、パワーだったりというのを見ていただければと思うので、これからもよろしくお願いします。
Game2 チームRED 網本麻里(あみもと・まり) 持ち点4.5
─紅白戦を終えて
自分たちがクラブチームでできる大会とかが、中止になったり、延期になっている状況の中で、こういう紅白戦で2試合も開催していただけたことに本当に感謝しています。
─合宿ではどんなテーマを持って臨んだか
チームのテーマとしては、それぞれ毎日決まったテーマをコーチ陣に考えていただいていたんですけど、私たちはそれぞれのチームもですし、個人も“褒める”ことを意識して、トライすることとか、チームでやり遂げたいこととかを、それぞれができていたところが随所にあったかなと思います。
─東京パラリンピックの盛り上がりについて
東京パラリンピックも無観客になってしまいましたけど、ボランティアの方に応援の声をいただいたりとか、それぞれの選手のSNSとかにメッセージをいただいたりして、自国開催というところのメリットというか、良かったところがすごく出ていましたし、私も感じていたところかなと思います。
─車いすバスケの楽しんでほしいところについて
楽しんでほしいところは色々あると思うんですけど、いろんな障害の選手がプレーしている中で、背の高い選手を生かすプレーだとか、背の低い選手にパスを出すタイミングとか、そういうすごく細かいところにはなるかもしれないですけど、スピード感や激しさとか、あとは車いす同士がぶつかり合う音など、そういうところを感じてもらえたら、より楽しいかなと思います。
─代表として今後の目標
AOCというアジア・オセアニアのチャンピオンシップの大会があるんですけど、それに向けてチームとしては合宿を重ねて、自分たちがやってきたことをそこで発揮したいなと思いますし、10月にはアジパラ(アジアパラ競技大会)、11月には世界選手権も控えているので、タイトなスケジュールかもしれないですけど、自分たちがそれぞれやってきたことをそこで表現できるように積み重ねていきたいなと思います。
─ファンへメッセージ
世の中が大変な状況の中、私たちがこうやってバスケができていることに感謝したいなと思いますし、そういう私たちを応援してくださっている方々がいるから、私たちがバスケをできていると思うので、今後も女子が盛り上がっていけるように応援していただきたいなと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
Game2 チームWHITE 江口侑里(えぐち・ゆうり) 持ち点2.5
─紅白戦を振り返って
第2ゲームのメンバーとかは厳しいとこもあったんですけど、チームでやろうとしていることはチャレンジできたと思いますし、各々チャンスができたらゴールまで自分たちでいくことができたと思います。
─合宿のテーマについて
私は今年度始めて(女子選抜に)入ったので、こういう正式な大会に近い試合ができるということでちょっと緊張とかはありました。今まで練習してきたことをなるべくしようと、できるかわからないけど、挑戦して、それがどんどん課題になってくると思うので、そういうところはもっと練習で直していこうかなという思いで臨みました。
─江口選手の強みについて
私はやっぱり高さがあって、もともとバスケットもしていたので、高さとシュート力とかを、見ていただきたいです。練習でもそこを磨いて、もっともっと試合中に出していけたらなと思います。
─東京パラリンピックをどのように見ていた
私のチームの先輩も出ていた大会で、海外の方と試合することも私自身あまりないので、先輩方がどうやって戦っているかとか、迫力とかがすごいなと思ったり、とても勉強になったり、応援しながら見ていました。
─今後の目標について
やっぱり入ったばかりですけど、試合に出られるメンバーに選ばれるようになりたいと思いますし、その中でもっともっと活躍できるようになりたいと思っているので、それに向けて自分の課題もたくさんあるので、もっと練習して、活躍できるようになりたいと思います。
─ファンへメッセージ
応援のほど、ありがとうございました。コロナ禍の中で私たちが大きい体育館とかを使って正式な試合に近い試合をできているのは周りの方たちのおかげなので、感謝の気持ちを忘れずに、もっと練習して、力をもっともっとあげていけたらと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
取材:萩原翔 (近畿大学体育会 近大スポーツ編集部)
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