【あすリートPlus 】「金メダルで家族に恩返しがしたい」 世界へ羽ばたく競泳界の新星 谷川亜華葉 (読売テレビ「あすリートPlus」)

2022年06月05日 / 競泳

まさかの東京オリンピック代表に

谷川亜華葉選手(イトマン/近大)


大阪出身の競泳選手、谷川亜華葉さん(19歳)。近畿大学の1年生です。
どんな時も一番に考えることは「家族への感謝」。そのためには水泳で結果を出すこと!と練習に励み、昨年、ライバルを破って東京オリンピック出場を果たしました。
しかし夢の舞台で挑んだレースは無念の結果に終わります。悔しさをバネに立ち上がり、目指すは次なる舞台、パリオリンピックの金メダル。再び世界へと羽ばたき始めた大阪の高校生の夢を覆いかけました。

母の手作り弁当でパワーチャージ!目指すは「世界新記録」

四条畷学園高校2年生時 (2021年2月取材)


(亜華葉)「水泳人生を綺麗に終わりたいなと思っているので、最終目標は世界新です。やるならでかい方がいい!」

番組が取材した最初のインタビューに笑顔で答えてくれた亜華葉さん。
当時は、四条畷学園高校の2年生でした。プールを離れると、普通の女子高生。昼休みは購買へダッシュして抹茶のブラウニーを購入し、友達とのおやつタイムを楽しみます。部活も授業も全力投球の亜華葉さんは、明るくクラスの人気者。

しかし、プールに戻るとキュートな笑顔から一変、スイマーの顔に。専門種目はバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形を一人で泳ぐ種目「個人メドレー400m」です。亜華葉さんは2020年12月に日本選手権で準優勝。
翌年2月のジャパンオープンでも3位に入った期待の新星です。

トップ選手の中では160センチと小柄ですが、400メートルを泳ぎ切るスタミナの源は、娘を誰よりも応援する母・里美さんの手作り弁当。「食べるもので体は作られる」をモットーとして作られたお弁当、栄養満点で、彩りもあざやかです。

「水泳で恩返しを」 母への感謝を胸に目指すオリンピックの金メダル

イトマン東大阪校で取材


亜華葉さんにはオリンピックを目指す理由があります。

(亜華葉)「子ども1人育てるだけで難しいのに、子ども3人を育てて生活をこなしてくれていることに関して、感謝という言葉で表せないぐらい感謝してます。」

-蝶のように、羽ばたいてほしい―
そんな思いからつけられた、「亜華葉(アゲハ)」という名前。お母さんの影響で4才から始めた水泳ですが、最初は嫌がっていたものの、結果が出るにつれてのめりこんでいったといいます。

(亜華葉)「やっぱり水泳をしている間は 水泳で恩返しをするのが一番合っていると思うので、今できる最高の恩返しはオリンピックでの金メダル。それができたら一番いいなって思います。」

いつかは水泳で恩返しがしたいと、夢舞台で羽ばたく日を誓います。

東京オリンピック出場をかけたレース 結果は・・・

東京五輪出場は…


そして迎えた大一番。2021年4月の日本選手権。東京オリンピック出場が決まる大事なレースです。しかし、立ちはだかるのがリオオリンピック代表の清水咲子選手、そして世界選手権のメダリストである大橋悠依選手。東京オリンピック出場の条件はこのレースで2位以内に入ること。さらに、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破しなければなりません。無観客で開催された日本選手権。家族は応援にいけないため、自宅のテレビで娘の挑戦を見守ります。

レースは苦しい展開。最後の自由形で残り70m、トップは大橋選手、続く2位は清水選手。亜華葉さんは3番手と、大きく引き離されます。最後のターン。必死の追い上げを見せ、残り15m。まだ、2位とは体一つ分の差があります。

テレビにかじりついて、声が枯かれそうなほどの声援を送る母・里美さん。妹の紅葉さん、弟の昂瑠さんも息をのんでレースの行方を見守ります。

残り5メートル、亜華葉さんは何とか食らいつき、清水選手とほぼ同着でゴール。結果は、見事、大橋選手に次ぐ2位に入り、オリンピックへの切符をつかみ取りました。亜華葉さんの大逆転劇に、歓声を上げて喜ぶ家族。母・里美さんも涙で娘の奮闘を讃えます。
それから2週間後。亜華葉さんがまず口にしたのは、お母さんへの感謝でした。

(亜華葉)「大きな試合が近づくにつれて、私よりもすごく緊張していて。これからもたくさん、いろんな緊張感を味わわせることになると思うんですけど、お母さんのおかげでここまでこれたし、感謝して、自分自身も信じて毎日成長できるように頑張ります。」

夢舞台、東京オリンピック本番は3か月後。しかしその日は、思い出したくない1日となってしまうのです。

オリンピック直前に襲ったケガ 結果は・・・

四条畷学園高校卒業式でのインタビュー


迎えた運命の日、2021年7月24日。亜華葉さんが夢を叶えて立った舞台、東京オリンピックです。しかし、結果は全体の12位で予選敗退。オリンピックを決めたレースより4秒近く遅いタイムでした。原因は、レース3週間前に彼女を襲った足首のケガ。不安を抱えながらレース当日を迎えていたのです。

(亜華葉)「積んできたものを100パーセント発揮できなくて、すごい悔しくて楽しめなかった。今は、もしオリンピックをやり直せるなら、やり直したいっていう気持ちがあるぐらい後悔しているレースですね…。」

オリンピックから半年後、高校の卒業式で胸の内を明かしてくれた亜華葉さんですが、
これだけ苦しい経験をしても、水泳で結果を出すことで、家族への恩返しをしたいといいます。

(亜華葉)「変わらないですね。やっぱり私が水泳をする上で、家族に我慢をさせていることだったりとか、一番応援してくれている立場だと思うので、家族に対しては一番恩返しをしたいっていうのが常にあります。オリンピックで金メダル!誰もが思ってないような結果を出すことが、水泳をしている上では一番の恩返しなんじゃないかなって思ってます。」

大きな飛躍 再び世界の舞台へ

もう一度世界の舞台へ


もう一度、世界の舞台へ。6月に行われる世界選手権への出場権を賭け、日本代表選手選考会のレースに挑みました。
超えなければならない最大のハードルは、大橋悠依選手。東京オリンピックで個人メドレー200メートル、400メートルで二冠を達成。亜華葉さんにとって超えなければならない存在です。

大橋選手は第5コース。亜華葉さんは隣の第4コースを泳ぎます。スタートから飛ばし先頭を切る亜華葉さん。レースをリードします。もう一度世界の舞台へ…そのためには金メダリストにも、負けるつもりはありません。

力の限り泳いで、水泳で自分を表現し続けます。トップのまま、最後の自由形へ。亜華葉さんはそのまま逃げ切り、金メダリスト、大橋選手を破って優勝。高校新記録を樹立し、再び、世界へ羽ばたくチャンスを手繰り寄せました。

(亜華葉)「いろいろな人に助けてもらって オリンピックに出られることに対して感謝できるようになりました。世界水泳ではオリンピックでできなかった決勝進出、そして楽しむレースをちゃんと実現させたいと思います。」

目指すはパリオリンピックで金メダル

近畿大学入学式にて 

そして今年4月、近畿大学へ進学、その入学式で新入生代表に選ばれた亜華葉さん。「夢はパリオリンピックで競泳個人メドレーの世界新記録を樹立し、金メダルを獲ること」と、檀上で高らかに宣言しました。

(亜華葉)「私の生き甲斐は水泳の選手として頑張っていくこと。今できることを精一杯やって、目標に向かってただ、立ち向かっていくだけだなと思っています。」

-亜華葉(アゲハ)-その名前にこめられた願い。2年後、水の中の蝶はきっと金色の羽ばたきを見せてくれることでしょう。(読売テレビ「あすリートPlus」6月5日放送)

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