オリックスのベテランが挑む勝負のシーズン
2月にキャンプイン、そして来月にはWBCも開催され一層注目が集まるプロ野球。去年、悲願の26年ぶりの日本一に輝いたオリックス・バファローズは、ことし、パ・リーグ3連覇、2年連続日本一を目指す。
その目標にひと際強い思いでのぞむのは、オリックスの顔、T-岡田選手。去年はチームが日本一を達成する中、出場はわずか36試合と悔しい結果に終わった。今年でプロ18年目。嬉しさも苦しさも知り尽くすベテランが勝負のシーズンに挑む!
出会いと別れのシーズンオフ 新戦力に高まる期待
年が明け、2年連続日本一を狙う2023年が始まった。去年のオフにはチームを牽引してきた主砲・吉田正尚がポスティングシステムでメジャーリーグに移籍。
一方で、ドラフトでは大学No1左腕、白鴎大学出身の22歳、曽谷龍平(そたにりゅうへい)や、育成ドラフト2位で入団した大阪経済大学出身の同じく22歳、才木海翔(さいきかいと)、そして、去年まで同大学の監督だった山本和作氏も広報担当としてオリックス入り。才木にとっては驚きの同時入団だった。
(才木)「びっくりしましたよ!お願いしますって言うて、きょう来たら山本さんがおる!」
さらに西武からFA宣言していた強打のキャッチャー森友哉(27)も獲得。打撃ではもちろん、守りでも扇の要として期待される。
(森)「3連覇に、自分もしっかり貢献できるように頑張ります。よろしくお願いします!」
T-岡田 チームは日本一達成も、自身の成績は悔しい結果に
新戦力も加わり、いよいよキャンプインしたオリックス・バファローズ。そんなチームの中で、強い思いを持って挑んでいたのは、プロ18年目のT-岡田。去年はチャンピオンチームとして悲願の26年ぶり日本一を果たすも、出場はわずか36試合という結果に。
(T-岡田)「日本一になった瞬間にグラウンドに入れなかったのがやっぱり悔しかったですね」
新年早々、寒空の神戸で1人汗を流すT-岡田。若手が多いチームの中、2月に35歳になるベテランだ。
(T-岡田)「まだまだ負けないというか。やっぱり負けますけど、気持ちでは何とか食らいついて、本当にいい刺激をもらいながらやってますね。」
履正社高校出身、高校時代はその豪快なバッティングで通算55本のホームランを放ち“浪速の四天王(辻岡崇伸、平田良介共に大阪桐蔭、鶴直人・近大附属)”の1人としてドラフト1位でオリックスに入団。
その打撃はプロに入ってさらに磨きがかかる。5年目の2010年には33本のホームランを放ち、王貞治以来となる22歳でホームラン王を獲得。その後もチームの顔としてファンを喜ばせてきた。
元チームメイト 能見篤史が語るT-岡田の素顔
カメラの前では多くを語らないT-岡田について、2年間オリックスに所属し、去年まで共にプレーしていた能見篤史(2022年現役引退)が、彼の一面を語ってくれた。
(能見)「簡潔にまとめると、“繊細でマジメすぎ”ます。あんまりそこまで繊細にならなくてもいいかなとは思います。18年の経験っていうのは中々、埋まるものではない、Tさん本人が財産として持っているものなので、もっと自信もってやってくれたら良いとは思うんですけど、そこは聞いてくれないので(笑)」
(T-岡田)「いろいろ真面目な話したり、ふざけて話したりはした。多分、まじめすぎるというふうに僕のことを思ってくれてるから、くだけた言い方で、結構伝えてはくれてましたね。」
「チーム去ることも考えた」不調の2019年 ファンからの大声援で再起誓う
そんな真面目なT-岡田も順調にプロ野球生活を送ってきたわけではなかった。2019年には自身のケガなどで、出場数はわずか20試合にとどまり、オリックスを去って、他球団でプレーすることも考えた。
(T-岡田)「今年3年契約の最後というのもありましたし、どうなってしまうのかというのは正直ありましたね。」
シーズン最終戦、オリックスのT-岡田として最後の打席になるかもしれない。そんな思いで打席に向かう彼を待っていたのは、球場を埋め尽くすファンの大声援だった。数万人から贈られる、割れんばかりの拍手と声援。T-岡田が打席に立つ姿を心から待ち望んでいたファンの思いが、浪速の轟砲の背中を押した。
(T-岡田)「あんなに応援してもらえると思ってなかったんで、正直、死ぬほどうれしかったですね。」
T-岡田再始動!海を渡り武者修行へーそこで得た大切な物とは!?
大声援を送ってくれたファンの前でもう一度輝きを取り戻したい。30歳を過ぎた彼が向かったのは、多くのメジャーリーガーを輩出している野球大国・プエルトリコ。若手の修行の場であるウインターリーグに参加し、必死にバットを振った。
(T-岡田)「真剣勝負は真剣勝負ですけど、その中で楽しんでますし、そういう意味では面白いっちゃ面白いですね。こういう風な野球もあるんやなって」
約1か月、若手に交じり野球に打ち込んだ。そこで学んだのは野球を始めたときのように楽しんでやるということ。その結果、徐々に本来の打撃を取り戻していく。
2021年には115試合に出場し17本のホームランを放つなど主力として活躍。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、チームメートに胴上げもされた。
(T-岡田)「2019年の最終戦の声援というのがなかったらと思うところはあるんで、まだ少しですけど(ファンに)少し恩返し出来たかなと思います。」
目指すは2年連続日本一!今年はその瞬間をグラウンドで!
しかし2022年は再びケガに悩まされ、出場はわずか36試合、ホームランも1本どまり。チームは26年ぶり悲願の日本一を達成し、選手もファンも歓喜に酔いしれたが、T-岡田自身は複雑な心境だった。
(T-岡田)「正直複雑な気持ちはありましたけど、でも一番はやっぱり嬉しかったですよ。そういった中でも悔しい気持ちはあります。」
再起をかける2023年はプロ18年目のシーズン。18歳でプロ入り。人生の約半分をプロ野球選手として過ごしてきた。
(T-岡田)「正直、プロ入った時は、ここまでできるって思ってなかったですね。そういう意味でも17年早かったな。」
最後に、17年の中で“これだけは貫き通した”といえることはないか聞いてみた。
(T-岡田)「何やろう・・・打てなくてストレスたまった時はとりあえず食べる!食べることがストレス発散(笑)。それは今も変わらずですかね。甘いものを食べる。」
嬉しさも悔しさも経験した浪速の轟砲は、きょうもバットを振り続ける!
(T-岡田)「3連覇もそうですし、2年連続日本一。そういう結果の中で、その輪の中にいたい。何とかチームの力になりたいっていう気持ちは、本当に強く持って望んでますね。頑張ります!」
T-岡田 T-Okada プロフィール
本名:岡田貴弘(おかだ・たかひろ)
1988年2月9日生まれ 32歳
身長:187㎝ / 体重:100㎏
左投げ左打ち
大阪府出身
履正社高~オリックスバッファローズ
ポジション:一塁手、外野手
愛称はTさん!
毎週日曜日 あさ6:00 読売テレビ地上波で放送
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス
「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(「あすリートPlus(読売テレビ)」2月5日放送)
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