日の丸を胸に“学生のオリンピック”へ!関西の注目のアスリートたち

左から:北川星瑠選手(大阪芸術大学)、船田茜理選手(武庫川女子大学大学院)、山本亜美選手(立命館大学)

2年ごとに開催される“学生のオリンピック”、ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)。コロナの影響で2回の延期がありましたが、今年8月に中国・成都での開催が決まりました。

日の丸のついたユニフォームで世界と戦うことは、トップアスリートにとって大きな目標の1つでもあります。陸上競技においては、代表選考会となる日本学生陸上個人選手権が4月21日~23日に行われます。世界大会の出場権をかけて挑む関西の女子学生アスリートたちに注目しました。

代表権を取り返した“二刀流ランナー” 10000m 大阪芸術大学 北川星瑠

大学ではミュージカルを専攻

女子駅伝で全国大会常連校の強豪・大阪芸術大学のエース、北川星瑠(きたがわ・ひかる)選手。チームとして7年連続出場を誇る全日本女子駅伝で、北川選手は去年、6人抜きの快走で強さをアピールしました。陸上選手として活躍する一方、子役時代から芸能活動を続けるタレントでもあります。

(北川)「将来は日本で最速のタレントになることが夢です」

大学では舞台芸術学科でミュージカルを専攻。授業で歌と踊りの練習に励んだ後、陸上の練習へと移ります。
芸術とスポーツの2つの夢を追いかける“二刀流ランナー”には、忘れられない悔しい出来事がありました。大学生の日本一を決める、去年の学生個人選手権。北川選手は10000メートルで2位の成績を納め、全国の舞台で初めて表彰台に上りました。

しかし、ワールドユニバーシティゲームズの日本代表に内定したにもかかわらず、コロナで大会は延期。代表も白紙となりました。

(北川)「すごくショックだったんですけど、しっかり受け入れるしかないなと。もう一度選ばれて、日本代表として日の丸をつけて走りたいと思いました」

強い想いで実現させた日の丸

3月 日本学生女子ハーフマラソン

もう一度代表の切符を手にしたい。北川選手は人一倍強い思いで、今年3月の日本学生女子ハーフマラソン(島根県松江市)に臨みました。3位以内に入れば、ワールドユニバーシティゲームズの日本代表に内定します。
各校のエースも参加する中、レース中盤からのサバイバル。北川選手は先頭集団で持ちこたえました。

(北川)「もう、後ろがめちゃくちゃ気になって、何回も見て、5人になった!4人になった!3人になった!と思いながら走っていました」

終盤、北川選手は他の大学生ランナーを突き放すと、ラスト1キロを実業団選手との一騎打ち。大会新記録の1時間10分台、学生トップでフィニッシュし、去年失った代表権を取り返しました。ワールドユニバーシティゲームズに意気込みます。

(北川)「去年は大会がなくなって、すごく悔しいというか、やるせない気持ちでしたが、もう1回自分で取り返すしかないと思って頑張った甲斐がありました。私にとって最初で最後のワールドユニバーシティゲームズなので、楽しんで、景色を植えつけて走りたいなと思います」

悔しさをバネに世界へジャンプ!三段跳び 武庫川女子大学大学院 船田茜理

去年9月 日本インカレ決勝での船田選手

船田茜理(ふなだ・あかり)選手は去年、三段跳びで学生チャンピオンに輝いた期待のジャンパーです。今年3月に武庫川女子大学を卒業し、大学院に進みました。

(船田)「“世界を”と言えばちょっと大きいですけど、目に見えるところまでは来ていると思うので、日本を出て、海外でも活躍したいです。頑張ります!」

小学生で陸上を始めた船田選手は、高校2年で幅跳びから三段跳びに転向。大学生になる前は、無名の選手でした。

(船田)「高校3年でインターハイに出場しただけで、決勝に残れずに終わっちゃって。それがもう悔しくて…初めて陸上で泣いたんです。私負けず嫌いなんです。もうこの思いを一生したくないと思って、踏ん張り時にそれを思い出しています。踏ん張って、もう1本!もう1本!と練習に取り組んでいます」

悔しさをバネに大学で急成長した船田選手は、去年8月、13メートル81の学生新記録を打ち立てブレイク。日本のトップジャンパーの仲間入りを果たしました。世界を見据えて、これからも挑戦し続けます。

(船田)「周りからの期待が上がっていることは薄々感じているけど、自分らしく楽しく陸上をしたい。日本記録である14メートル04を1つの通過点にして、どんどんその先まで跳んでいけたらいいなと思っています」

「プレッシャーを力に」400mハードル無敵の女王 立命館大学 山本亜美

山本亜美選手(京都橘高校ー立命館大学)

立命館大学の山本亜美(やまもと・あみ)選手(21)。天真爛漫な普通の大学生ですが、ひとたびトラックに立てば日本一のハードラー。日本選手権2連覇と、400mハードル無敵の女王です。山本選手の武器は、苦しい後半も衰えないスタミナとスピード。

(山本)「常に“自分が1番速いです”と思いながらレーンに立っています(笑)」

そんな彼女にも苦い思い出が。去年の代表選考レースで2位と、日本代表のチャンスを逃してしまいました。

(山本)「プレッシャーに負けずに自分の走りをするというのが、もっと上のトップアスリートになるために必要な試練なのかなと思うので、プレッシャーを力に変えて頑張っていきたいです」

大学3年生になった4月、新たなシーズンがスタートしました。去年のリベンジへ、今年こそ代表の座をつかむために、学生個人選手権に向け始動しました。

(山本)「日本代表のユニフォームを着たいというのは、自分の陸上生活の中での目標でもあるので、早いうちに、チャンスがあるなら着たいです。“甘くては勝てない”と思ったので、成人式も終えたし、気合いを入れるために髪の毛を短く切りました。日本代表に選ばれる自信は…ぼちぼち(笑)」

ワールドユニバシティゲームズ代表選考会を兼ねる日本学生陸上個人選手権は、4月21日~23日の日程で開催。日本代表の座をかけて戦うアスリートに注目です。

2023年4月16日(日) あさ6:00  読売テレビ地上波で放送

新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
2022年4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス
「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。

(読売テレビ「あすリートPlus」4月16日放送)

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