24年ぶりの日本新記録
(森本)「3回目の跳躍は日本記録(14㎡04)の手応えを掴めたので、ファウルになってなかったら(日本新記録)いけてたと思います(笑)」
今年5月の木南記念陸上で、試合後にそう語った選手がいます。女子三段跳びの日本チャンピオン・森本麻里子選手(28)です。
(森本)「楽しみは次の日本選手権にとっておきます。」
その言葉は現実のものとなりました。6月の日本選手権、助走のスムーズな加速から鮮やかにジャンプを決めた森本選手は、自己ベストを30cm以上更新し、24年ぶりの日本新記録となる14m16をマークしました。
日本選手権は5連覇。同じ関西出身で新たに台頭してきた若きライバル、髙島真織子選手や船田茜理選手を圧倒しての栄冠でした。
砂嫌いの少女が“砂場の女王”へ
大阪府枚方市出身の森本選手。兄の影響で陸上を始めます。短距離の選手だった森本選手が走り幅跳びを始めたのは中学時代。最初は砂で汚れるから嫌だったという彼女に声をかけたのは跳躍の名門・太成学院大高校の坂井裕司監督でした。
(森本)「ダイヤモンドになれるからおいでと」
恩師の指導の下、インターハイでは走り幅跳びで2年連続で表彰台という好成績を収めます。大学進学後、走り幅跳びで伸び悩んでいた時に出会ったのが三段跳びでした。最初は気分転換で始めたといいますが、徐々に結果が出始めます。
社会人になってから本格的に取り組み、コツコツと努力を重ねた結果、去年その才能が大きく開花します。13m前半だった自己ベストを50cm近く更新したのです。そして今年、ついに14mの壁を越えました。
(森本)「自分の体を使って、実験しているみたい。上半身がちょっと前傾になっただけで動きが変わったり、ちょっとした修正をするだけで体の位置が変わってきて、前に進む距離も変わってくるので(三段跳びは)楽しいです。」
競技中は凛とした佇まいの彼女ですが、試合が終われば人懐っこいキャラで、自然と周りに人が集まります。走り幅跳びの日本記録保持者・秦澄美鈴選手とは大の仲良し。
(秦)「(森本選手は)良い意味で、深く考え過ぎないというか、ある意味あっけらかんとしている。パァーとしている。フワーっとしている。」
(森本)「むっちゃアホっぽいやん、それ(笑)」
日本のエースが世界へ挑む!
7月、タイで行われたアジア選手権でも14m台を2回跳び、優勝。ワールドランキングも上昇し、初の世界選手権出場へ大きく前進しました。
上り調子のトリプルジャンパー・森本麻里子は言います。
(森本)「やっとスタートラインに立てたな、と。この競技は世界と差があるので世界大会に出場するのも難しい。日本人初の女子三段跳びでオリンピック出場を果たしたい。」
日本の女王がついに世界へ“跳び立ち”ます!
森本麻里子 Morimoto Mariko プロフィール
1995年3月17日生まれ 28歳
大阪府枚方市出身
枚方中(大阪)→太成学院大高(大阪)→日本女子体育大(東京)
自己ベスト 14m16(2023日本選手権)
日本選手権 5連覇(2019年〜2023年)
ボブスレー日本代表の経験がある(2017 W杯出場)
リラックス法:韓国ドラマ鑑賞
(「あすリート」7月29日放送)
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