18歳で東京オリンピックに 実力派学生スプリンター・青山華依

青山華依選手(大阪高校ー甲南大学)

18歳で東京オリンピックに出場し、その後も陸上短距離界で活躍し続ける学生スプリンター・青山華依(はなえ)選手。順風満帆な陸上人生を歩み続ける彼女ですが、2023年は彼女にとって大きな試練の年でした。試練を乗り越えた2024年の幕開け、学生ラストシーズンを迎える青山選手が初詣のおみくじを引くと…。

涙は生まれ変わるためのもの ~久光スプリングス 石井優希~

(青山)「(おみくじを開いて)じゃんっ!末吉や。病は治るって、早めに治るらしい。恋愛はあきらめなさいやって、あきらめよっかな(笑)」

愛くるしい笑顔がまぶしい青山選手。3年前、大学1年生で東京オリンピックに出場し、リレーメンバー最年少として夢舞台を堂々と走り切りました。

(青山)「初めてのオリンピックなので…。楽しく走れたのではないかなと思いますし、自分の走りも納得できた。嬉しかったです」

いつでも自然体で、個性を大切にする一面も青山選手の魅力の一つ。鮮やかなヘアカラーやアクセサリーに、カラフルなネイル。個性を力に変え、パフォーマンスに全力投球する姿勢は、応援する人の心を掴みます。

彼女が通う甲南大学で指導を担当する伊東浩司さんは、青山選手のポテンシャルをこのように称します。

(伊東)「今まで私が接してきたスプリンターの中で、あまりいないタイプの明るさというか…。そういうものを持ちあわせているなかで、あのストライドと柔らかさが出せるっていうのはすごく魅力的だと思います。私が100mで経験してきたことは、すべて教えていきたいなと思います」

「走るのが怖い」突然のアクシデント、地道なリハビリの日々

苦しいリハビリの日々をい過ごした

東京オリンピック出場の翌年も自己ベストを更新。パリオリンピックへの出場も期待される学生スプリンターとして、青山選手は大きな注目を集める選手へと成長していきました。

しかし、昨年2月、突然のアクシデントが彼女を襲います。練習中に左ひざの前十字靭帯を断裂、シーズンイン目前の怪我に苦しみました。競技に復帰するため、手術を決断した青山選手。まずは自力歩行を目標に、真摯にリハビリに取り組みました。次第に松葉づえ無しでも歩けるようになり、無事に退院の日を迎えたのは、手術から1カ月経った頃でした。

(青山)「どこまで戻れるかな…」

ふたたび走れるようになるため、ウォーキングから少しずつ体を作り直す日々がスタート。青山選手にとって、単調なリハビリの毎日は不安や恐怖との戦いでもあったといいます。

(青山)「(術後で)走るのが怖いので、今は走りたいとも思えないし、(他の選手が走っている姿を見て)うらやましいなとも思えないんですよね。走るのが怖くて…まだやっぱり」

「元気に笑顔で戻りたい」ケガ乗り越え復帰誓う

またトラックで走る日を

2023年5月、本格的なトラックシーズンに入ると、当時1年生の藏重みう選手らチームメイトたちが躍動。学生スプリント界に大きな甲南旋風を巻き起こしました。

チームメイトたちの活躍の陰で、地道なリハビリをこなし続けた青山選手。手術から3カ月が経ち、6月になった頃、ようやくジョギングがスタート。一歩ずつ、着実に前に進みます。

そして8月、やっとスパイクを履いて走れるようになった青山選手。チームメイトたちもその様子を見守ります。

(チームメイト)「華依さんがスパイク履いてる、感動…」
(青山)「みんな、そんなカメラ向けないで!(笑)スパイクも履けるようになってきて、復帰っていうものがちょっと目の前に近づいてきたなという感じがします。(今は)走りたいという気持ちがあります。元気に笑顔で戻りたいです」

「帰って来たぞ、と言ってもらえるように」完全復活に懸ける

復帰の日には涙が

突然のケガから9カ月、ついにレースに復帰した青山選手。躍動感のあるスタートにしなやかな走りはそのまま、圧巻の1着で会場をわかせます。

(青山)「吐きそうで…。初めてこんなに緊張にしたんじゃないかというくらい、感情がよく分からない。とりあえず、第1段階として走り切れたことがすごく嬉しいです」

清々しい表情で素直な気持ちを話してくれた彼女の2024年の目標は…。

(青山)「不安なことも多いんですけど、見ていただいている方に【帰って来たぞ!】と思ってもらえるようにしたいです。学生最後なので、その気持ちも忘れずに頑張りたいです」

後輩たちの活躍も、試練を乗り越える原動力になったといいます。ルーキーで学生チャンピオンになった藏重みう選手、自己ベストを更新し続ける奥野由萌(ゆめ)選手や岡根和奏(わかな)選手。青山選手のよきライバルに成長した3人の存在が、彼女の復活を後押しします。伊東浩司さんは、学生スプリント界に旋風を巻き起こす彼女たちに、互いに切磋琢磨しあえる存在であってほしいと話します。

(伊東)「(青山選手は)力があることを他の3人も認めていると思うので。普通に走れば、3人よりも頭1つ前に出るような力があると思うので、チーム内でしっかりと競争してもらえればと思いますね」

(青山)「負けないぞ、という姿を見せたいですね。このままじゃ終わらないぞ、という気持ちです。【やっぱり、見直したぞ!】と言っていただけるように頑張ります!」

試練を乗り越え、一段とたくましく、しなやかな精神力を手に入れた青山選手。気持ちを新たに、完全復活への道を力強く走り抜けます。

去年5月に放送したあすリートPlusの再編集版です。


2024年3月から復活の日々に密着!








毎週日曜日 あさ6:00  読売テレビ地上波で放送



「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、2022年4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。

(1月21日放送)

LIVE配信

  • 2024 11/2 (土)
    11:00~

    アーカイブ

    【第103回高校サッカー大阪大会】準々決勝(ヤンマーフィールド)

  • 2024 11/2 (土)
    11:00~

    アーカイブ

    【第103回高校サッカー大阪大会】準々決勝(J-GREEN堺)

おすすめ記事

あすリート テレビ番組 毎週土曜ひる11:35~

読売テレビで放送中!※関西圏のみ

第523回 2024年11月23日放送
【アーチェリー】 パリ五輪代表 野田紗月(24=ミキハウス)
〜日本のエースアーチャーが見据える未来〜 
過去の放送内容はこちら