決勝 御所実業(奈良)対 桐蔭学園(神奈川)
1月7日、聖地花園で第99回全国高校ラグビー決勝が行われました。
高校三冠(選抜・7人制・全国高校ラグビー)を狙う神奈川の桐蔭学園。
挑むは4回目の決勝で悲願の初優勝を目指す奈良の御所実業。
今大会1トライしか許していない堅いディフェンスで勝ち上がってきました。
前半、主導権を握ったのは御所実業。
開始4分、相手のミスからゴール前でチャンスを作ると伝家の宝刀・モールが炸裂。
一気に押し込み、SH稲葉のトライで先制します。
御所実業は追加点を挙げ前半を14―3とリードして折り返します。
後半に入ると、地力で勝る桐蔭学園が猛攻。御所実業は必死にしのぎますが、
4点差に詰め寄られ迎えた後半16分、桐蔭学園の司令塔・伊藤にデフェンスを破られ、最後は秋濱のトライで逆転を許します。
その後も桐蔭学園の勢いを止められず23対14でノーサイド。御所実業の悲願はまたしても叶いませんでした。
再起のヒーロー島田彪雅 恩師への思い
御所実業の竹田寛行監督(59)は泣き崩れる選手たちを抱きしめながら「胸張って帰ろうや」と声をかけました。
指導歴31年、来年には定年を迎える名将を誰よりも胴上げしたかった選手の1人がプロップの島田彪雅(ひゅうが)選手(19)です。
大阪出身の島田選手、1度は名門・東海大仰星高校に入学しますが、ラグビー部になじめず1年の冬に退学。
1年遅れで御所実業に入学しラグビーを再スタートした彼にやり直すきっかけを作ってくれたのが竹田監督でした。
フォワードの最前線プロップでありながら、ランやキックでも非凡な才能を見せる島田選手。
卒業後はトップリーグのパナソニック入団が内定している彼が、試合後に今の素直な気持ちを語りました。
Q、桐蔭学園との決勝戦を振り返って?
島田
「(御所実業の)強みのディフェンスで桐蔭学園の強いアタッキングに対応できないっていう部分が少しあって、前半はしんどい場面でもしっかり我慢して(ディフェンス)できたんですけど、桐蔭学園は後半でも体力がなくならずにしっかり(ボールを)持ってくる力があったんで、そこに対して御所はカバーディフェンスができなかった。そこを狙われて、ドロップゴールも狙われてしまって、ゴール前まで(ボールを)持っていかれたのが負けたきっかけになったかなと思います」
Q、高校生活を振り返って?
島田
「東海大仰星を辞めた時は全然花園に出られるとは考えてなかったんで、(御所実業に入り直して)1年生の始めはしんどい時もいっぱいあって辞めたいと思ったこともいっぱいあったんですけど、今日1月7日に花園で(決勝の)ピッチに立てたことが自分の人生の中で宝物になったし、御所に来て良かったなあと改めて感じました。
御所実業はラグビーだけじゃなくて人間的にも勉強できる学校なんで、1人の大人としてしっかり成長できたかなと思います」
Q、春からはトップリーグ、どんなラガーマンになりたい?
島田
「一番良いのは日本代表選手になることなんですけど、御所では先々の事を考えないようにして近場の目標を持ってしっかりやろうと習ったんで、先々のこと考えずに自分のやらないといけないことをしっかり見つけて、1日でも早くトップリーグで試合に出られるように頑張りたいと思います」
島田彪雅 Shimada Hyuga
2000年6月16日 大阪市阿倍野区出身 19歳
身長/体重 175cm/108kg
50メートル走 6秒6
高校日本代表候補
2020年4月よりパナソニック ワイルドナイツに入団内定
奈良県立御所実業高校ラグビー部
竹田寛行監督(1960年生 徳島出身)が1989年に赴任。
私立に比べ体格差でハンデのある公立高校ながら、粘り強いディフェンスと変幻自在のモールを実践。
全国高校ラグビー4度の準優勝という強豪校へと育て上げた。
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