

全日本の舞台へ チームを蘇らせたキャプテンと二刀流を貫くエース
女子の大学日本一を決める全日本大学女子駅伝。「杜(もり)の都」仙台が舞台になることから“杜の都駅伝”と呼ばれ、毎年、大学生たちの熱い闘いが繰り広げられています。
関西から出場するのは全7校。全日本常連の立命館大学でチームを率いるキャプテンの飛田凜香(ひだ りんか)選手は日本一奪還へ向けてチームの改革に乗り出し、着実に結果を残してきました。
そしてもう一つの強豪は大阪芸術大学。女子駅伝部のエース、星瑠(きたがわ ひかる)選手は、タレントになる夢を追いながら、駅伝でも才能を発揮し、全日本上位を狙います。関西から杜の都へ。二人のあすリートが目指すそれぞれの目標、その姿を追いました。
関西ナンバーワンをかけて 序盤から立命館がトップをキープ
ことし9月に行われた関西学生対校女子駅伝競走大会(神戸しあわせの村)。6区間30キロをタスキでつないで、全日本大学女子駅伝の出場権が与えられる上位5校を目指しタイムを競います(シード2校をのぞく)。
当日はあいにくの雨。号砲と共に、1区の選手がスタート。集団を抜け出したのはシード校の立命館大学1年、村松結(ゆう)選手。続く2区も立命館1年生の外間礼那(そとま れいな)選手がトップをキープします。ここで2位集団がじわじわとその差を詰め、中継所のあるトラックへ。3区で待つのは各校のエースランナー。
その3区で、先頭を競うのは、立命館のキャプテン飛田凜香(ひだ りんか)選手、同じくシード校の大阪学院大学2年、永長里緒(えいなが りお)選手です。二
人は関西の大学ナンバーワンを決める「関西インカレ」10000メートル決勝で激しいトップ争いを繰り広げたライバルでもあります。
ライバル対決再び…インカレの雪辱晴らす激闘の3区
今年5月に行われた「関西インカレ」10000メートル決勝。この日も雨が降りしきる中、互いに前を譲らぬままレースは最終トラックへ。最後の力を振り絞り、飛田選手が一歩前に出たものの、永長選手がラストスパートをかけ、抜き返しにかかります。
そのまま優勝の座は永長選手の手に。このトラック勝負で敗れた飛田選手にとって、今回の駅伝は負けられない戦い。後半、ペースを上げ、永長選手に16秒もの差をつけて4区へとタスキをつなぎました。
そして4区を走る1年生、土屋舞琴選手は、大阪学院のキャプテン野崎光選手(4年)を置き去りにする快走。その差を30秒以上に拡げます。
立命館はそのまま一度も先頭を譲ることなくゴール(1時間39分12秒)。2位の大阪学院大学に53秒の差をつけ、圧倒的な強さで、2年連続、13回目の優勝を飾りました。3位は佛教大学、4位は関西大学、5位は関西外国語大学、6位は大阪芸術大学、7位は京都光華女子大学。シード校2校を含む7校が全日本の出場権を勝ちとりました。
エース飛田凛香 「陸上を続けるなら立命館しかない」
立命館大学でキャプテンを務める飛田凛香選手(滋賀県出身)は、中学時代から駅伝の全国大会で活躍し、比叡山高校では3年連続で都大路を走りました。
かつて全日本5連覇(2011年-2015年)という当時、史上初の快挙を成し遂げ、大学駅伝界では無敵の女王として君臨していた立命館。
しかし、飛田選手が入学する数年前から全日本で3位以上に食い込むことが出来ず、2020年には関西でも3位にとどまり、日本一から遠ざかったまま。それでも立命館への進学を決めたのは、憧れの選手がいたからです。
(飛田)「佐藤成葉(なるは)さんの走りがすごくカッコいいなというのが印象的で、次の進路を考える時、陸上を続けるなら、立命館がいいなって思って」
無敵の女王へ返り咲く キャプテン飛田凛香の覚悟
入学後、1年生ながら全日本大学女子駅伝のメンバーに選ばれ、純粋に陸上を楽しんでいた飛田選手。2年生の冬、自ら長距離パートのキャプテンに立候補します。
(飛田)「いま思うと、何をしてるんだ私はって思うんですけど、やっぱり自分自身が変わらないと、チームは変わらないと思ったんで、自分がキャプテンとしてチームを変えたいなって思いました。」
危機感からの再出発。その頑張りが実り、キャプテン就任3年目のことし、関西学生対抗駅伝で2連覇。強い立命館が甦りました。
(飛田)「関西の大会では経験したことないメンバーに経験を積ませてあげるという目的でオーダーを組みました。(村松)結は積極的に走る選手なので、引っ張るだろうなと。2区以降の後輩も、絶対前は譲らないって気持ちで走ってくれてたので、成長したなというか、後輩ながら心強いなと思いました。やっぱり駅伝は自分が一番輝ける場所だと思うので。チームとしては日本一を、個人としては区間賞をとって、立命館に貢献したいと思います。」
復活した関西の女王は、33回目の杜の都へ挑みます。
芸術とスポーツの両立 強豪・大阪芸術大学でふたつの夢を追う異色のエース
アーティストを育てる大阪芸術大学。今年7年連続で全日本出場を決めた、知る人ぞ知る駅伝の強豪校です。一見、スポーツとは縁のなさそうな芸大の女子駅伝部は2008年に発足。全国から選手を集め、強化を進めてきました。
チームのエースは3年生、滋賀出身の北川星瑠(きたがわ ひかる)選手。比叡山高校では全国高校駅伝に出場。立命館のキャプテン飛田凛香選手は高校の1年先輩です。
(北川)「(飛田選手は)ずっと憧れてる先輩です。あこがれの選手とかライバルは誰ですか?って聞かれたら絶対に凛香先輩の名前を書きます。」
北川選手は女子駅伝部を率いる中瀬洋一監督が自ら勧誘しました。
(中瀬)「滋賀の大会で発見して、この子絶対伸びるなと思ったので、まず名前をネットで調べてみたら、芸能事務所の写真が出てきて、あ、芸大にも学べる学科があるので、ぜひ来てもらいたい気持ちで、すぐ高校の先生に会いに行きました。」
幼い頃は子役として活躍し、今も芸能事務所に所属するタレントでもある北川選手。
芸大に入ると中瀬監督の指導で学生トップレベルのランナーに成長し、世界大会の日本代表に選ばれるほど実力を伸ばしました。
タレントとランナー二つの舞台で勝負「自分にしかないものを」
北川選手には頑張るモチベーションがあります。
(北川)「やっぱり芸能界の厳しさっていうのを、小さいながらに感じていて、何か人とは違うものを持ってたら、ちょっと面白いと思って見てくれるテレビ局の方とかがいるんじゃないかなと思って。将来は、日本で最速のタレントになるっていうのが夢です。」
大学では舞台芸術学科でミュージカルを専攻しています。今は12月の学内公演へ向けて稽古の真っ最中。演目は「キャッツ」。歌とダンスの練習に励み、理想の猫を演じます。
(北川)「役作りとか、けっこう表現するのが好きなので、猫の習性をYou-Tubeで見て、研究したりしてます。」
芸術とスポーツ、二つのステージで光を放つマルチなアスリート。エースとして3度目の出場となる全日本の大舞台は、目前に迫っています。
(北川)「チームの流れを変えるキーパーソンになれるような、力強さとか粘り強さというのを、しっかり見ていただきたいなと思います。ことしは絶対に本当に、8位以内、シード権をとってみんなで笑って終わりたいです。」
全日本大学女子駅伝、関西から出場するのはシード校2校と予選を勝ち抜いた5校の計7大学、それぞれのゴールをめざして、母校の襷をつなぎます。
(読売テレビ「あすリートPlus」10月30日放送)
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