4月7日に緊急事態宣言が発表されて2週間が過ぎ、日本中が新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、自宅での自粛が続いています。
2月にあすリートが取材した車いすバスケットボール日本代表の北間優衣選手(日本生命所属)も、チームの活動を自粛。自宅でトレーニングを続ける日々となっています。
その北間選手があすリートのオンライン取材に答え、自宅でのトレーニングや、この期間に挑戦したこと、来年のパラリンピックに向けて心境を語ってくれました。
どのくらい体力が落ちるのか分からない不安
北間選手は2つのクラブチームで練習していて、両チーム合わせて週に5,6日の練習を行ってきました。
しかし、新型コロナウイルスが猛威を振るいはじめ、練習場所の体育館が閉鎖されることなどもあり、両チームとも3月末から活動を自粛。その後緊急事態宣言が発令したことで自宅での個人での練習をなりました。
日本代表のトレーナーから送れるトレーニングメニューや、個人トレーナーにアドバイスをもらいながら、自宅でバランスボールを使った体幹トレーニングや、軽い重りを使った筋トレ。また、これまではクラブチームでの練習の中で十分だった持久力をキープするために、近所の土手を車いすでランニングをするなど、体力の低下を最低限に抑えるように努力しているそうです。
「普段はチームスポーツなので、だれかと練習することが多かったので、寂しいというか。特に一人っ子なので、家でも誰かとするわけでもないので。」とチームメイトとの練習を恋しがっている様子でした。
「車いすバスケを始めて10数年ですが、年末年始の休みでもこんなに休んだことはない。誰も経験したことがないくらい家にいるので、チーム練習が始まってみないと、どのくらい体力が落ちているのかわからない」と、スポーツ選手としての不安を感じていました。
今だからできること
自宅で過ごすこの期間に、北間選手がチャレンジしたことがありました。それは「料理」。
料理くらいできないとと2,3年前から考えていた北間さんですが、毎日、夕方から夜に練習をして帰ってくる生活で、キッチンに立つ余裕はなかったそうです。でも、いまはこれだけ時間があるならやってみようとお母さんに教えてもらいながら、料理を始めたそうです。
最近挑戦した料理は、初めてホワイトソースから作ったというグラタン。
作りながら味見をしていたら、何がいいのか分からなくなって・・・母に見てもらいながら作りました。失敗してもいいからやってみる!みたいな勢いで作ったけど、案外おいしかったですね!と合格点。3日坊主にならないように、これからも料理は続けていくそうです。
来年の東京パラリンピックへ
今年で日本代表10年目を迎える北間選手は、1年後に延期になった東京パラリンピックいついて、「悪化する状況を見ながら延期になることはやむを得ないかなと覚悟をしていたけど、実際に延期が発表されたときは驚き、目の前に近づいていたものがいきなり遠くなってしまった。」と落胆したそうです。それでも、チームとして練習できる期間が長くなったということなので、完成度の高いチームを作っていける時間が増えたので、プラスに捉えて頑張っていきたいと気持ちを切り替えていました。
2月に行われた、国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会(大阪カップ)を振り返り、チームのテーマとして掲げている「機動力を使ったバスケット」が世界的にも通用するバスケットだと手ごたえを感じた一方、それを40分間継続しないといけない、悪い流れは必ず来る
からそういう時間をどう断ち切っていくのかという力を身につけることが日本チームの課題だと挙げ、この1年間でさらに強い日本チームにしたいと語りました。
ファンへメッセージ
いま皆さんも制限のかかる生活をされている方がほとんどだと思うんですけど、今の状況を落ち着かせるためにはその行動が大事だと思います。
私たちも含めて、今の状況が回復したら応援してくださっている皆さんに、元気な姿を、バスケをしている姿を早くお見せしたいと思っているので、今は皆さんでこの状況を乗り越えていけるように頑張っていきたいなと思っています。
北間優衣 Kitama Yui プロフィール
出身:兵庫県伊丹市出身
生年月日:1994年10月6日生
所属:日本生命(伊丹高校~追手門学院大学)
クラブチーム:カクテル
好きなアニメ:名探偵コナン
過去の北間選手の記事・大阪カップの動画はこちら!
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