運動ができない…病を乗り越えラグビーの道へ 苦しかった少年時代が今の僕を奮い立たせる 根塚洸雅
2023年5月20日放送 / ラグビー
2023年5月20日放送 / ラグビー
5月20日。国立競技場で行われたラグビー・リーグワンのプレーオフトーナメント決勝。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイが昨シーズンの王者である埼玉パナソニックワイルドナイツに勝利し、初優勝を果たしました。優勝メンバーの1人が兵庫県尼崎市出身、根塚洸雅(ねづか・こうが)選手。
ポジションは、トライゲッターのウイングです。スピードを生かした豪快なランで、ルーキーイヤーの昨シーズンは新人賞、そしてリーグのベスト15に選ばれました。その活躍が認められ、日本代表にも初選出されたのです。去年6月にはウルグアイ戦で日本代表デビュー。初キャップの試合でトライを取りました。
(根塚)「自分が夢見た場所にやっと立てました。あのジャージを着て日本代表として戦えたことで、自分の中で1つ夢が叶ったなと。本当に嬉しかったですね」
根塚選手は高校時代に花園で準優勝。法政大学ではキャプテンを務めるなど、順調な競技生活に見えますが、過去にはつらい経験をしてきました。
(根塚)「小さい頃からずっと運動好きでラグビーもやってきたんですけど、小学4年の頃に不整脈という心臓の病気で。普通の人の半分ぐらいの血液の供給量になってしまって…。鬼ごっこさえできなかったし、運動ができなかったあの時が人生で1番きつかった時期かな。本当にきつかったなという思い出があります」
小学生の根塚選手を突如襲った不整脈。当時の様子について、両親にも話を聞きました。
(父・万博さん)「動くのが好きな子なので、それをセーブされているというのは非常にかわいそうでした」
(母・朋美さん)「病院の日はいつも私と2人でバスで行ってたんですけど、行きは2人とも無言なんです。私もかわいそうだなと思っていたし、本人もこれからどうなるか全然わからなかったので…。下を向きながらとか、空を見ながらとかして歩いていました。“なんで俺だけなん?”、“なんで俺だけ動かれへんの?”と言っていました」
先の見えないもどかしい日々でしたが、中学生の半ばに奇跡が起こりました。心拍数が通常に戻り、医師から「このままラグビーを続けていい」と言われたのです。症状が快方に向かった根塚選手は、大好きなラグビーを24歳になった今でも続けています。
(根塚)「不整脈のことは大学まで隠していたんです。振り返りたくないし、思い出したら苦しくなるし。でも、プロの世界に入って、ラグビーをしてお金をもらうという立場になって、しんどい方にもエネルギーを与えてあげないといけないなと思って、話すことにしました」
笑顔を与えられるような選手になりたいということを、1番のテーマに掲げている根塚選手。同じような苦しい環境の人々に元気になってもらい、ラグビーを楽しんでもらえるようにと、プレーに励みます。
1998年9月15日生まれ 24歳 173cm82kg
兵庫県尼崎市出身
東海大仰星高校―法政大学―クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
ポジション:ウイング
趣味・特技 映画、サウナ、コーヒー、買い物
(読売テレビ「あすリート」5月20日放送 ※放送後一部追記)