【あすリートPlus】古豪復活!関大北陽 プライド捨て挑んだ全員サッカーで全国大会進出 スローガンは『下剋上』 ~高校サッカー準決勝 関大北陽vs興國 ~(読売テレビ「あすリートPlus」)

2022年07月05日 / サッカー

■悲願の全国制覇へ 高校サッカー準決勝 4強出そろう

古豪復活へー関大北陽高校サッカー部

高校サッカーの頂点を決める夏のインターハイ。209校が加盟する激戦区・大阪は2校が全国大会への出場権を手にすることが出来る。
この春、準決勝に残ったのは近大付属、履正社、関大北陽、興國の4校。関大北陽は今年、「下剋上」というスローガンを掲げ、強豪・興國に挑む。決勝の舞台へ駒を進めるのはどちらの高校か!?
全国への切符をかけた春の陣。双方負けられない戦いが始まる。

令和4年度大阪高校春季サッカー大会(男子の部) 6月11日(土) 準決勝 第2試合

■名門校の歴史と重圧 プライド捨てる決意

関大北陽高校キャプテン 大平直哉選手

大阪屈指の古豪、全国大会出場35回を誇る関大北陽(かんだいほくよう)高校サッカー部(大阪市東淀川区)は、この春、インターハイ大阪大会ベスト4に駒を進めてきた。
その歴史は古く、48年前、冬の全国高校サッカー選手権(1974年)に初出場し、全国制覇の快挙を成し遂げ、その4年後には夏のインターハイ(1978年)で優勝。古豪たるゆえんはここにある。88人の部員をまとめるのは3年生のキャプテン・大平直哉。歴史ある学校の重圧を背負って挑む準決勝。意気込みを聞いた。

(大平)「昔は全国大会とか優勝したりしていて、僕たちはそれにプライドを持ってやってきていたんですけど、ここ2年、インターハイ予選はベスト32が2年連続で続いてしまって…」

過去20年間、インターハイ、冬の選手権ともに全国出場はわずか1回。去年は5月のインターハイ大阪大会、10月の選手権大会ともにベスト32と悔しい結果に終わった。

-伝統とは何か― 

大平キャプテンは、チームに問いかけた。

(大平)「今年の新チームのスローガンは『下剋上』です。本当にこのまま優勝のプライドを持ち続けてやるのか、新しく1からやり直すのかを決めたときに、チーム全員が1からやり直して下から食う気持ちでやるということを決めました。」

■スローガンは『下剋上』 全員サッカーで強豪に挑む

相手は強豪、興国高校

『下剋上』という言葉を胸に、ここまで全員サッカーで勝ち進んできた関大北陽。
彼らの前に立ちはだかるのは2019年に冬の選手権大阪大会を制した興國(こうこく)高校(大阪市天王寺区)。今大会の優勝候補だ。
320人の部員を率いる内野智章監督が『創部史上最強』と語る今年、初の決勝を目指す。しかし、関大北陽の矢田竜之監督(45歳)は強豪を相手に決して怯んではいない。

(矢田監督)「全国大会は『行かなきゃいけない場所』。自分たちの帰らなければいけない場所かなと。個の力は確かに興國の方が上かもしれませんけど、そこを1人に対して2人、3人行くサッカーが関大北陽は展開できると思います。」

(大平)「僕たちは興國相手に負けるつもりもないですし、しっかり全員で戦って『下剋上』したいと思います。」

■攻める関大北陽 65メートルの超ロングシュートで先制

副キャプテン福場の超ロングシュート

6月、万博記念競技場で行うわれた準決勝。ピッチで力強く雄たけびをあげる興國イレブンに、応援席から300人を超える部員らの声援と拍手が鳴り響く。一方の関大北陽高校は、ひとりひとりがチームの絆を確かめるように、互いを鼓舞し合う。

いよいよ前半35分のキックオフ。まずボールを持ったのは興國。早くも左からゴールサイドに攻め上がるが、北陽は1人に対し2人行く徹底したディフェンスでチャンスを作らせない。
そして前半7分。北陽が、自陣まで攻めてきた興國のパスをカット。3年生の副キャプテン福場壮洸(MF)へボールつなぐと、福場は一瞬前を向いてゴールを見据え、ハーフラインよりはるか手前でロングシュートを放った。
その距離65メートル。ボールは前に出ていたキーパーの頭上をはるかに越え、そのままゴール。
スーパープレーで開始早々大きな1点をつかみ取った。

■ボールに食らいつく 鉄壁の守りで1点を死守

関大北陽の鉄壁のディフェンス

強豪・興國高校相手に先制点を挙げた関大北陽高校。1点リードのまま、迎えた後半戦でも大胆な攻めと、堅い守りがさえわたる。後半24分、自陣ゴール前の激しいボール争いを制し、左サイドからドリブルで一気に駆け上がる。高速で相手陣営へと攻め込み、右サイドへ大きくパス。ゴール前へクロスを送ってシュートを狙うも、わずかにタイミングが合わず、ゴールポスト脇へそれた。
全員で守り全員で攻める、一枚岩の泥臭いチームプレーが、格上のライバルをじわじわと追い込んでいった。

一方で、1点が遠い興國。関大北陽の堅い守りが幾度となくゴールを阻む。
関大北陽のキャプテン大平はクロスボールやラストパスを、体を張ったプレーでカット。ゴールキーパーの野津照太郎も181センチの長身を生かした高い跳躍で積極的に前へ出てボールを奪うなど、好セーブを見せた。

関大北陽はそのまま最後まで集中力を切らせることなく1点を守り抜き、優勝候補・興國を抑え見事勝利。自らに課した『下剋上』を実行して見せた。

■悲願の全国出場を果たしー

悲願の全国出場、関大北陽高校サッカー部


(大平)「2年間苦しい戦いをしてきた中で、自分たちがこういう結果を残せたので嬉しく思いました。全国でも『下剋上』っていう目標は崩れないんで、しっかり強い相手を倒したいと思います。ほっとしました。」

古豪復活。全国大会への出場権を手にした関大北陽高校。プライドを捨て、全員サッカーで挑むインターハイ。3大会ぶりとなる全国大会で、再びその名を歴史に刻むことが出来るか。(読売テレビ 「あすリートplus」7月3日放送)

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