一進一退の攻防 履正社vs近大附属
高校サッカーの頂点を決める夏のインターハイ。209校が加盟する激戦区・大阪からは2高が全国への出場権を獲得できる。ことし6月に行われた大阪予選準決勝「関大北陽VS興國高校」は関大北陽が1-0で興國に勝利した。
そしてもう一つの準決勝を戦うのは「履正社VS近大附属」。全国への切符をかけた一戦は、延長の末、PK戦へともつれ込んだ。両者一歩も譲らぬ激闘を制したのは、履正社。
アグレッシブに攻め続け、5大会ぶりの全国出場を果たした。下剋上を狙う関大北陽と決勝で激突する。
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「自分がチームを勝たせる!」プロも注目 履正社の超高校級ドリブラー
創部20年、大阪ナンバーワンとの呼び声が高い強豪・履正社高校。そんなチームのエースナンバー10番を背負うのが 3年生の名願斗哉 (みょうがんとうや)選手。ポジションはミッドフィルダー。
高い決定力に加え、観ている人を魅了し相手を置き去りにするテクニックは一級品。プロも注目する超高校級ドリブラーだ。
(名願)「大阪一を獲ってから、全国大会に挑みたいです。自分がチームを勝たせられたらなと思います。」
迎えた準決勝、履正社VS近大附属の戦いは混戦を極めた。開始4分、左サイドから仕掛けた履正社のFW張山拓夢がカットインでゴールを狙う。
しかし、ボールはわずかに右にそれた。名願も果敢にボールを獲りに行くが、1点が決まらない。前半(35分)は履正社が主導権を握るも得点を奪うことはできず、0―0で折り返した。
1点が遠い履正社 延長戦も勝負はつかず
「勝利を目指せ!ゴールを目指せ!もっとアグレッシブにいこう!」
ハーフタイム。ロッカールームで平野直樹監督の檄が飛び、気合を入れなおす履正社イレブン。
後半も攻め続ける。ゴール前に詰めていた名願へ右サイドからのクロス。しかし近大附属がヘディングでカット。後ろにいた履正社のMF中村成那(せな)が流れ玉を胸でトラップし、右脚でシュートを打つが、クロスバーにはじき返され、ここも得点には至らなかった。
試合は終始、履正社のペース。しかし、シュートを打ち続けても、ゴールを割ることができない。両チーム無得点のまま、前後半70分が過ぎ、延長戦へ突入した。
気力と体力で戦う一進一退の攻防。しかし互いにチャンスを得点につなげられず、またしても0-0のままタイムアップ。勝負はPK戦へともつれ込んだ。
インターハイ出場をかけ勝負は運命のPK戦へ
PK戦は両校ともにキャプテンが一番手を務めた。
先行は履正社。3年生の古田和之介(FW)が、冷静に右下隅へシュートを決めると、続く、近大附属・鳥屋凛太郎(DF)も同じコースできっちりと決めてきた。
履正社の二番手は10番のエース名願。大きくひと呼吸ついてけり出したボールはゴール中央を突いた。
2-2で迎えた3本目は、後攻の近大附属が失点。これが勝負を分けた。4本目は両校とも成功し、運命の5本目。息が詰まるような静寂の中、行く末を見守る両校のイレブン。笛の音が鳴り、履正社の西坂斗和(DF)に託された5本目が、まっすぐゴールネットに沈んだ。その瞬間、グラウンドに張り詰めていた緊張の糸が一気にほぐれ、沸き上がる歓声。
5-3で激闘を制した履正社高校が、6年ぶり4度目のインターハイ出場を決めた。
大阪ナンバーワンをかけた決勝戦 履正社VS関大北陽
大阪代表2校が出そろった決勝戦は、履正社と関大北陽が激突。
『下剋上』をスローガンに全員サッカーで挑む関大北陽が先制点を決めたが、後半、履正社が同点に追いつき、そのまま勢いに乗って決勝点を決め、2-1で関大北陽に逆転勝利。この大会で悲願の初優勝を果たした。
両校、力を出し尽くした決勝戦。再び息を吹き返した古豪・関大北陽と、さらなる高みを目指す履正社は、全国でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
(読売テレビ「あすリートPlus」7月10日放送)
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