18歳で東京五輪も経験 期待のスイマー・池本凪沙

池本凪沙選手(近畿大学附属高校3年生時)

ことし開催予定のスポーツの祭典・パリ五輪。その舞台に懸けるのは、京都府出身の池本凪沙(なぎさ)選手。自由形を専門種目とし、東京オリンピックへの出場経験のみならず、世界水泳の舞台も3度経験した実力派の21歳は、パリ五輪出場を目指して、日々成長しています。

(池本)「ことしの抱負は、とりあえず笑顔で、楽しくレースをするっていうのが1番です。その中での選考会では、個人としては派遣標準記録を切って、パリオリンピックに出場するというのが1番の目標です」

番組が池本選手を初めて取材したのは、東京オリンピックの延期が決まった2020年でした。16歳で世界水泳に初めて出場した新星は、世界のレベルを肌で感じ、成長を誓ったといいます。

(池本)「(世界水泳への出場は)ものすごい経験でしたし、私もここで1番になりたいなっていう刺激をもらいました。まだまだ敵わないと感じましたし、ある意味、もっと頑張らないとなって思わせてくれました。(強敵だけど)同じ人間同士なので、私も勝てるんじゃないかと思います」

取材当時は、数多くのオリンピック選手を輩出した名門・近畿大学付属高校に通う高校3年生だった池本選手。

(番組スタッフ)「勉強は好きですか?」
(池本)「好きじゃないです(笑)。1番苦手なのは数学。意味がわからない…(笑)」

「ぶつからないで後悔するのは嫌」確かな実力と精神力でつかんだ夢舞台

高校の卒業式後のインタビュー

飾らない人柄と、屈託のない笑顔が魅力の18歳。そんな彼女の目標は、東京オリンピックへの出場。代表選考会は、翌2021年の4月でした。

(池本)「東京オリンピックに出るのと出ないのとでは、ぜんぜん違うと思うので。1度(東京)オリンピックを経験してから、パリオリンピックではしっかりメダルを獲りにいきたいと思っているので、そこに向かって調子を上げていきたいなと思っています」

池本選手の専門種目は、強豪ひしめく自由形。タレント揃いのライバルの中での出場権獲得は、容易なものではありませんでした。

代表選考が迫るにつれ、プレッシャーからか笑顔も少なくなっていった池本選手。選考会まで1カ月となった2021年の3月。高校の卒業式を迎え、支え合ってきた仲間と別れを惜しみながらも、常に頭にあるのは、オリンピックの選考会のことでした。

(池本)「厳しいなというふうには思いたくないですけど…。現実的には厳しいですし、何が起こるかわからないので、本番まではとにかくやりきりたいなと思っています。ぶつかってみて無理だったら、もう後悔はないですし。でも、ぶつからないで後悔するのは嫌なので、頑張りたいと思います」

2021年4月、ついにやってきた代表選考レース。終盤まで横一列のデッドヒートとなった日本選手権では、なんとか4位に喰い込んだものの、派遣標準記録を切ることはできず、運命の行方は、選考にゆだねられることになりました。

(池本)「選考会が終わって、寮に帰ろうと思っていた時に、先輩が喋っていたんです。そこで、【(代表入りが)決まったらしいよ】と結果を知ることになりました。【えぇ!まじか!】と思いました」

「もっともっと練習しないと」日の丸背負う重みと決意

練習に励む様子(池本凪沙/イトマン東京所属)

意外な形で吉報を受け取った池本選手。目標としていた東京オリンピックに内定、リレーメンバーに選出されました。18歳でつかんだ夢舞台への切符。初めてのオリンピックへの抱負をこのように語っていました。

(池本)「実感はあんまりまだないんですけど、みんなからのメッセージを頂いた時に、オリンピックに出られるということは、本当にすごいことなんだなと思いましたし、出場を目標としてきていた中で、出る機会をいただけたので、うれしいなと思います」

【自分も世界で戦える】、そう信じて挑んだ夢の舞台でしたが、結果は予選敗退。多くの学びを受け取った東京オリンピックから1年半、高校を卒業した池本選手は、中央大学に進学。現在は親元を離れ、東京の地で暮らしています。

(池本)「東京オリンピックに出させていただいた経験は人生の中でも大きく、本当にいい経験になったんですけども、日本代表を背負っているからには、あのタイムじゃ戦えないですし、もっともっと練習していかないとなって思いました」

スランプ乗り越え大きく成長、パリ五輪への出場誓う

夢はパリ五輪

東京オリンピック以降、約1年半のあいだ、タイムが思うように伸びず、停滞期にあったという池本選手。突破口がつかめず、殻に閉じこもっていた日々を抜け出すきっかけとなったのが、コーチの何気ないひとことでした。

(池本)「【思ったことは、しっかりと俺たちに言ってくれたら受けとめてあげるから】みたいな感じで言ってもらった時に、自分ひとりで抱え込まなくていいのかなっていうふうに思って…。そこから、(自分の気持ちを)結構言うようになっていきました。そうすると、気持ち的に楽になった部分があって、気楽にレースに臨めるようになってから、少しずつ自分が変わっていけたんじゃないかと思います」

ため込んでいた気持ちを吐き出すことで、再び本来の力を出せるようになった池本選手。自信を取り戻した彼女は、去年7月、世界水泳に2度目の出場を果たし、4×100mリレーで8位に入賞。

さらに、9月におこなわれたアジア大会では、全部で4個のメダルを獲得。そして、ことし3月にパリ五輪の代表選考会へと挑みます。

(池本)「私自身もまだまだ伸びしろがあるっていうふうに思ってますので、皆さんの応援を力に変えて、頑張っていきたいなと思います。」

多くの試練を乗り越えて、自信と成長を夢の舞台への糧に変えた池本選手。パリの地で大輪の笑顔が咲く瞬間を目指して、これからも自身を磨き続けます。

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