ゴールデンウイークのど真ん中、5月4日(土)あさ11時35分放送
「令和」になって最初の あすリート はニッポン飛び込み界の新星 玉井陸斗くんです。
12歳(中1)でシニアの日本選手権にデビューすると2位以下に69点以上の差をつけてぶっちぎりの優勝!

玉井陸斗選手に選手権から一週間後の4月29日 昭和の日に練習場所のJSS宝塚で直撃インタビュー。
指導する名将 馬淵崇英コーチにも話を聞きました。


ちなみに、中学1年生の玉井くんは当然ながら平成生まれ。
玉井くんは平成生まれだね、と振ったら
「もう僕は古い人になりますね」と笑った令和のスター候補です。

玉井陸斗 tamai rikuto

☆兵庫県宝塚生まれ 12歳
☆3歳のときjSS宝塚で競泳、小学1年で飛び込みを始める
☆ことし4月 宝塚市立高司中学校に入学
☆2019年 日本室内選手権 高飛び込みで優勝、シニアデビューを飾る



… 日本一になって一週間、変わりました?

はい、いろいろ取材が多いです。(笑)

…中学校での反応は?

おめでとうだったり、これからもがんばってっていう声をいただきました。

…初めてのシニア、日本一を決める大会、緊張した?

はい、緊張しました。
(ジュニアの試合とは)雰囲気は違うんですけどジュニアとは違う別の緊張がありました。

…日本一になれると思ってた?

いや、⒉位か3位くらいに入れたらいいなと思ってました。

…自信はあった?

難易率がぼく高いんですけど、種目が決まれば上位には入れるかなと思ってました。
6本中最初の3本がと最後6本目がうまく決まりました。
3本目、半分終わってから、ちょっといけるんじゃないかなと思いました。

難易率:技のやさしさ、むずかしさの度合いが難易率。最低1.2から最高3.8ぐらいまでの数値が決められている。
    事前申告して演技に臨む。飛び込み競技の得点の大きな要素。    

…大会でやりたいことは出来た?

練習で出来たことをやるというのが目標だったんですけどできました。
寺内健さんだったり板橋美波選手に いつも通りがんばって と応援してもらいました。

…先輩たちの反応は?

みんな優勝出来ると思ってくれてたんで普通でしたね。

…6本中のベストは?

最後の6本目です。
5255Bっていうひねりの技なんですけど、まっすぐ入りました。得意種目です。
(後方2回半宙返り2回半ひねりエビ型)

…涙が出たのは?

優勝が決まってからですね。飛び終わったあとに点数が出るんですけど、
そんときにみんなが優勝やな って、優勝が決まってないのに言ってきたんで、優勝かあ、と思って、泣きました。

…泣き虫?

はい、涙もろいです。
悔し泣きが多いです。今回が初めてのうれし泣きでした。

…大会後の反響は?女の子から騒がれた?

仲良くなろって近寄ってくる子は多くいましたね。

…玉井くんは何て答えたの?

友だちくらいならいいよ、くらいで。(笑)

…これからファンも増えてくると思いますが?

そうですね、適度な感じがいいですね。(笑)

…もともとは競泳を?

はい、でも6歳のときに体験で飛び込みをやったら楽しくて。

…何が楽しかった?

跳ねる場所でジャンプするっていう普通では味わえないものを味わって、楽しいなって。
普通じゃないのでやってみたいなと思いました。

…10mの高さ、恐さは?

最初は死ぬんじゃないかなって思いました。徐々に飛ぶうちに慣れてきました。

…いまは楽しい?

楽しいときもあれば、嫌なときもあります。

…嫌なとき?

何してもまっすぐ入らないだったり、トレーニングがキツイだったり。


…10日間ゴールデンウイーク、どんな過ごし方?

練習、午前中はして、だいたいは家で宿題だったり、ゴロゴロしてます。

…宿題いっぱい?

そうですね。いっぱいあります。
遊びに行きたいんですけど、まず宿題しないとダメなんでやってます。

…得意科目は?

社会です。

…苦手は?

嫌いなのは特にないです。全部普通くらいです。

…競技以外でいまハマってるのは?

You-Tubeずっと見てますね。ユーチューバーの日常とかを見てます。

…好きなユーチューバーは?

はじめしゃちょーです。

…テレビは観る?

バラエティとかよく観ます。アメトークだったりロンドンハーツの番組とか好きです。



この日も玉井選手の練習をつきっきりで指導していた馬淵崇英コーチ(日本水連強化コーチ)にも話を聞きました。
馬淵コーチはオリンピック5大会連続出場の寺内健選手や高校生でリオ五輪に出場した板橋美波選手を育てた名コーチです。
玉井くんの指導を始めて2年足らず、その成長は右肩上がりとかじゃなくロケットのように真上だ、と驚く。



馬淵崇英コーチに一問一答

…玉井選手の強み、これからの課題は?

特に何が足りないというのは逆に少ない。
12歳という年齢でこのレベルなら大半成功したような気がします。こまかいとこは山ほどありますけども。
世界と戦うためには、安定と、もうひとつは勝負の強さ。これから世界に出るので世界での勝負の強さ。
直接対決を早めにさせるということは、そこは大きい。まだステップを踏んでないということです。

…楽しみですね。

まあ、楽しみ大きいですね。はい。



…最初に彼は伸びると思ったのは?

かなり普通と違う。やっぱりジャンプ力と回転力、空中感覚、それと高飛び込みの10メートルの台に立てる度胸、それは普通と違うなと思いました。
緊張と恐怖おさえて思い切って飛ぶというのは大人でも出来ない。

…玉井くんが小学校5年生のとき、今日から馬淵さんが指導するぞ と言った日の彼の反応は?

半泣きですね。(笑)
私のクラスで「これからいっしょにやるよ」というのは恐かったと思います。
私のクラスの練習量と本人は想像してたと思うんですけど、半泣きですね。恐怖、恐くて。
この道に乗ったら帰り道がないから。上に一本、登る道しかないんで、降りる道はない。
そのプレッシャー、恐怖で半泣き、まだ子どもだなと思いました。



…いける!と思ったのは?

半年後ですね。10m、大人の種目を高いレベルで揃えて、国内合宿して中国の合宿して世界のレベルで戦えるトップアスリートになるなと思いました。

…その成長速度は?

速度といったら尋常じゃないんですよ。
ロケット発射の方向、すぐ真上に、速くて、想像以上に速くて、教えたもの、もうその日に出来てる。
すぐ修正しなくても一発で完成したような、ステップ踏んで次の段階へ行くんじゃなく、
どんどんどんと真上に一直線に。

…右肩上がりとかじゃなく?

そういうんじゃないんですよ。もう真上に。

…逆に恐くなるくらいは?

え? こんなんでいいの?あり得ないでしょって感じで。ほんと不思議で。
普通は出来るもんじゃないんですよ。普通やったらステップステップで、ゆっくりと時間かけて、苦労かける時間かける。
あの子はそんなんないんですね。時間も苦労も想像、今までの経験上ないですね。
一発であれもこれも全部技を身につけたなと。

…日本選手権の技、世界では?

この前の日本選手権、私思うのはまだ七割しか出来てないんですよ。普段の練習のレベルに比べて。
これから最後の入水をぴしっと決められたら、世界のトップあたりで勝負出来ますよ。
ほぼ演技の水準はトップと同じように出来上がってます。
入水、その安定があれば、あと一年くらいあれば、そうとう行けるんじゃないかなと。
彼は本格的に競技を始めてまだ2年経ってないんですよ。

…本人はオリンピックでメダルをとりたいと色紙に書いてますが。

夢ではないですね。近いじゃないですか。




取材:吉田卓麻、塩田博ディレクター

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