JFLリーグ開幕予定だった3月15日から1ヶ月。
コロナウイルス感染拡大防止のために、JFLも他のスポーツと同じく、いつ開幕ができるのかわからない状況が続いています。

現在、無期限の活動休止としているFC大阪の塚原真也監督と平野ヘッドコーチが、テレビ会議アプリを使っての取材の中で、デジタルテクノロジーを使ったチーム作りに加え、今シーズンからFC大阪で取り入れた取り組みについても話していただきました。


チーム指針をまとめた「プレーモデル」

今シーズンからチームの指揮を取る塚原真也監督と平野将弘ヘッドコーチの二人が、チーム作りをしていく上での指針となるものとして作られたのが、「プレーモデル」と言われるシートです。平野コーチがコーチとして所属していたウェールズのカーディフシティFCなどで導入されているものを参考にしたそうです。

プレーモデルとは、サッカーにおける局面を5つに分類し、その局面ごとでどのように考え、プレーするべきかの共通理解をチームに落とし込むためのFC大阪にとっての教科書のようなものと塚原監督は表現しました。

サッカーにおける5つの局面 ①攻撃 ②攻撃から守備 ③守備 ④守備から攻撃 ⑤セットプレー


これまでチームの約束事が明確になかったという選手の声もあり、このプレーモデルの導入により、どの選手がピッチに立ったとしても、フォーメーションがどう変化しようとも、ピッチ上の選手が同じ意識の元でプレーすることができるようになります。

塚原監督は、「選手としても言い訳ができなくなると思うんです。こういう時にどうしたらいいかわからないというような言い訳をする選手もいますが、サッカーは相手があって、ピッチコンディションも違うし、判断が難しいけど、このゾーンでこうするというのが決まっていれば、行動が早くなる。その上で相手の状況によって選手が判断していくことで、チームとしてのスピードが早くなります。」とし、さらに指導する上でもメリットは、このシートのポジションに沿った練習メニューを作ることで、トレーニングでの選手との共通理解が早くなると考えています。

黒塗りが多くて申し訳ないと言いながらも、公開していただいた各ポジション別のプレーモデル


このプレーモデルをチーム全体の指針として落とし込んだ上で、さらに各ポジション別のプレーモデルを作成しました。これはそのポジションの選手が理解をしておくべきことをより細かく表したシートで、この二つのシートをもって選手、コーチングスタッフが同じ方向を向いてチーム作りができるようになります。

選手とコーチングスタッフの理解を深める「選手成長シート」

選手が成長する上で、選手とコーチングスタッフとの考え方を比較するためのシートとして、「選手成長シート」というのを作成しました。

FW川西誠選手の成長シート


シートの左側には選手自らが、自分の成長させたい部分、自分のストロングポイントを技術、肉体、メンタル、戦術の4項目にわたって記入。右側には塚原監督、平野ヘッドコーチからの成長してほしい部分、ストロングポイントを記入し、それを照らし合わせることによって、客観的な評価や、新たな気づきが生まれることを目的としています。

このシートを作成するにあたり、塚原監督は「ベテラン選手は嫌がると思ったんですけど、選手も成長したいと思っているし、新しくきた自分や平野コーチのことを知りたいと思ってくれていると感じた。グラウンドではあまり話をしてくれない選手でも、これにはしっかりと記入して提出してくれて、そういう特徴も見えたので面白いと思った」と想定外の気づきがあったようです。

サポーターにメッセージ

最後にコロナウイルスの影響で、思うようなチーム作りができない中でも、新しい取り組みでチームづくりに専念する塚原監督から、開幕を待ちわびるサポーターへメッセージをもらいました。

まずは、健康第一でサポータの皆さん、そのご家族がコロナに負けないようにしてほしいです。
そしてJFLが開幕したら、強いFC大阪を見せられると思うので、それを楽しみにまって待っていただければと思います。今シーズンの目標は「優勝して昇格」です。かなりチャンスがあると思うので、いきますよ!


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塚原真也監督(左)と平野将弘ヘッドコーチ(右)

塚原真也 Tsukahara Shinya 監督
生年月日 1985年4月2日
出身地 京都府
所有ライセンス JFA公認A級ライセンス

◆指導歴
2009年~2011年 アミティエSC京都 スクールコーチ

2012年~2013年5月 アミティエSC京都 トップチームコーチ

2013年5月~2015年 アミティエSC京都  トップチーム監督

2016年~2019年 ヴィッセル神戸 スクールコーチ

2019年 ヴィッセル神戸 U15SS-UMDS コーチ

2020年~ FC大阪 監督


平野将弘 Hirano Masahiro ヘッドコーチ

生年月日 1996年5月12日
出身地 栃木県
所属ライセンス
UEFA Bライセンス / JFA C級ライセンス / FAW C級ライセンス / FA レベル2ライセンス / FA レベル1ライセンス / FAW First Aid in Football Awareness / FAW Safeguarding Award

学歴
15歳でイングランドに留学。サウスウェールズ大学のサッカーコーチング科を主席で卒業。

◆指導歴
2017年3月~2017年8月 ウェールズ代表U-13 アナリスト

2017年9月~2018年6月 Merthyr Town FC(ENG) トップチーム&U-19 パフォーマンスアナリスト

2017年11月~2019年6月 カーディフシティFC(ENG) パフォーマンスアナリスト
2017/11~2018/08:アカデミーコーチ分析担当
2018/09~2018/10:U-23分析担当
2018/11~2019/06:トップチーム トレンド分析担当

2018年9月~2018年12月 サウスウェールズ大学 Elite Squad パフォーマンスアナリスト

2018年12月~2019年6月 カーディフシティFC 女子トップチーム(ENG) アシスタントコーチ(分析担当)


※年月が被っている期間は並行して活動

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