盛り上がった花園ラグビー場でのトップチャレンジリーグ第2節。
3強のひとつ豊田自動織機シャトルズを近鉄ライナーズが迎え撃ちました。
ファン公式チャンネルのハイライト動画(30分超!)と週刊ひがしおおさか前田編集長のレビュー記事をご覧下さい。

    

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来た来た来た来た集まった!
こんな日が、来るなんて。中心にいるのは紛れもなくライナーズでした。
花園に、ライナーズの試合に15,596人の観衆が集まりました。

入ったなー!がグラウンドでの合言葉。

試合前に入場門前の噴水広場に人が溢れ、スタンドは人が埋めつくす。
ライナーズの試合、生ける伝説トンプソン・ルークのプレーを観るために人が集まり声援を送りました。
連日テレビで流れるトンプソンが「次は近鉄でプレーする」を口にしてくれたことも大きかったでしょう。

この鬼神の表情がトレードマーク。

試合の告知もがんばりました。
ポスターやシールを配って周り、SNSでも毎日大量に情報を発信。
さらに会場では計8つのイベントを実施し、ホームを演出します。

等身大パネル撮影▶ラビナーカフェのコンボは、大行列。

足らない人手は、若手OBが有志でスタッフを担当。
今までに誰も経験したことのないラグビーパークへと花園が変貌していたのです。
これぞ、ライナーズの90年の歴史と意地。

見よ!歴戦の勇者たちよ!

多くの人が「トンプソン効果」というでしょう。
事実、彼がいなければここまでの人が集まらなかったでしょうし、
集めるための告知やイベントができたかわかりません。
しかし、そのトンプソンを生んだライナーズというチームとそこに関わってきた人たちの多さが、15,596人を生み出したのです。

ハーフタイム時の観客数。スタンドがどよめいた。

さて、この大観衆にライナーズはどう映ったのでしょう。
試合のあとに行く人かのいわゆる「にわか」の人たちに話を聞きましたが、
多くはトンプソンの話しをし、そして次に「面白い試合だった」と言うのです。ついで「また来たい」とも。

今のライナーズは、90年の歴史の中でも突出して面白いラグビーをしています。
グラウンドを大きく使い、力負けすることもなく、事実春には神戸製鋼と互角の勝負をしています。
テンポを上げてアタックすれば、ライナーズを止められるチームはそう多くないはず。
今日の後半29分に取った14ジョシュアのトライは、テンポアップしたときの粘り強さがわかりやすく出た証だし、
24分の16高島のトライもしっかり連携した結果。
21ゲニアから長めのパスを3石井から内に返した17豊田が当たりつつ、
オフロードを16高島に通すなど、にくいプレーもできています。

第一列が絶妙のパスワークを見せてトライ。

セットプレーも平均的に強く、モールやスクラムでは強さを誇りに思うことができます。
先制、前半6分のトライは強いモールから。
ゴール前に迫って、7菅原が横を走り込んだ1山口知貴に素早く渡してトライ。
強さをトライに結び付けられる技術もしっかり向上しています。
本当にワクワクする。

「ライナーズの公式戦で初めてのトライ」と言う、3年目の山口知貴。

今日の週ひがMVPは、その1山口知貴。
先週の清水建設戦は、外国人選手・特別枠選手が多く活躍していましたが、
今日は日本人選手たちも多く得点に絡み、若い選手たちの「主体性」によって生まれたトライ。
次代に希望を見いだせる、素晴らしいトライでした。
大観衆にも「ライナーズはトモさんだけじゃない」とアピールできたでしょう。

「この大観衆で試合ができたことは特別」と話してくれました。

しかし、スクラムには課題が残ります。圧倒しきれなかった。
本人も「後半に交代したのはスクラムのテコ入れだと思う」と課題を感じています。
ライバルはベテラン豊田大樹です。チーム内で厳しい競争を勝ち抜かねばなりません。

アタックはいい。ところが、ディフェンスには課題があります。
今日も再三、ディフェンスのコンビネーションでミスが有り、相手の早くて強いBKに走られています。
特に、後半20分を過ぎてからは、立ち位置や決まり事を守れないことも多く「集中力が」と見えるプレーが多くなります。

ミスの当事者は確かにいますが、原因は全体的な集中力の低下による当事者への負担増加でしょう。
全体のほころびが、一か所に集中してそこを抜かれるのです。
オールブラックス級のアタックを見せるマシレワも、ディフェンスは超課題。

10月の練習試合コカ・コーラ戦、11月17日の清水建設戦に続いて、同じ時間帯に複数トライを奪われています。
この事実を、今日熱狂した15050人の観客が感じたとき。肌で知ったとき。
その人達は変わらずライナーズに熱い声援を与えてくれるでしょうか。
ボールをゲインして、ターンオーバーされる場面が多かった11ジョシュア。

ライナーズの課題は、しっかりやりきる精神力。
ディフェンスもアタックも、最後まで遂行する集中力。
メンタルを自分でコントロールする技術。
熱狂を自分たちのものにするために。
来季、トモさんのいない花園でも大歓声を集められるように。
覚悟を決めろライナーズ。
/br>
text by 前田寛文(週刊ひがしおおさか編集長)


[週刊ひがしおおさか プロフィール]
東大阪の地域情報サイト・週刊ひがしおおさか。 
地域のグルメやイベント情報を日々アップしていますが、特に力を入れているのはラグビー。
花園に拠点をもつラグビーチーム「近鉄ライナーズ」のことならおまかせ!
全試合情報とマッチレポートを熱く、詳しくお伝えします。

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