

投擲界、規格外の怪童

のどかな田園地帯が広がる、兵庫県加東市。この地に今年の全国高校総体でハンマー投げと円盤投げの二冠を狙う、逸材がいます。兵庫県立社高校陸上部の山口翔輝夜(ときや)選手、17歳です。
特に得意なのが円盤投げ、今年5月には自己ベストとなる高校歴代6位の55m09を記録した世代ナンバーワンの実力者です。投擲競技の魅力を聞いてみると…
(山口)「良い投げができた時に良い感覚っていうか、気持ちよさというのもあって、そういう時は円盤がしっかり伸びていって、それが一番楽しいところです。」
そう語る山口選手は体育科に通う3年生、淡路島の実家を離れ、寮生活を送っています。身長は184cm、体重は入学後20kg以上増量し、現在103kg。投擲選手として順調に成長し、競技漬けのストイックな日々を過ごします。
(スタッフ)「彼女はいますか?」
(山口)「いないです。体育科が男子だけなんですよ。学校に行ったらクラスに入ってずっとそのままいて、授業が終わると寮帰ってすぐ部活なんで、あんまり他の人と関わることはないです。」
恩師と挑む悲願の“日本一”
中学1年生から円盤投げを始め、中学3年生時には世代トップの記録を持っていた山口選手。しかし、これまで日本一になった経験がありません。
中学3年生時の全国大会は台風で中止、高校1年生時の全国高校総体はコロナ禍の影響で中止となりました。実力を証明する機会に恵まれず、ジレンマを抱える彼を支えたのは、数多くの高校チャンピオンを育てた大久保良正先生でした。
大久保先生は以前勤めていた兵庫県の尼崎市立尼崎高校で、今年の世界陸上に出場したやり投げのディーン元気選手や、武本紗栄選手など国内トップクラスのアスリートを数多く輩出した名伯楽です。
(大久保)「(以前から)山口はスケールの大きい選手だなというのは感じていました。ただ、ちょっと強引なところがある。これが逆には魅力なんですけど、(アドバイスしたのは)力の出し入れと言いますか、簡単にいうとリラックスして投げること。」
目指すは世界の舞台
8月3日、山口選手は高校最後の全国高校総体を迎えました。初日に行われたハンマー投げで、いきなり魅せます。自己ベストを2m近く上回る66m08、大会記録を更新するビッグスローを見せますが、惜しくも2位に。悔しさを抱えたまま、4日後に行われた円盤投げ決勝に挑みます。
気合の入った投てきを見せた山口選手は、2位を2m以上引き離し、見事優勝。念願の高校日本一に輝くと、想いが溢れ涙を見せます。
(山口)「不安でいっぱいだったんですけど、勝てて良かったです。ここが最後じゃないので。大学でも続くので、まだ更に世界も待っているので、色んなことを試して取り入れながらしっかり頑張っていきたいです。」
無限の可能性を秘めた投擲界の怪童、山口翔輝夜選手。これからもその活躍から目が離せません。
(読売テレビ「あすリート」9月3日放送)
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