<立同野球>同志社大 王者の完全優勝に待ったをかけられるか(同志社アトム)

2018年05月24日 / 野球

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覚悟の1年

悲願は叶わなかった。13季ぶりの優勝へ向け激戦を繰り広げた同大だったが、前節の関学大戦で可能性は消滅した。

最終節を前に、皮肉にも栄冠は立命大のもとに。このままでは終われない。伝統の同立戦に臨むチームを、主将・福島孝輔(法4)が引っ張る。

1年次から主戦投手として同大を支えてきた福島。昨秋の新チーム結成後、4年生のみの話し合いで主将に選出された。「誰よりも勝負に熱い」とは澁谷監督の評価だ。2季連続で5位に沈んだチームの再建をエースは託された。

福島組が掲げたスローガンは「維新~俺がやる~」。練習への一人一人の取り組み方から変えていった。練習中の私語厳禁や自主練習の増加など、各々が高い目的意識のもと効率よくトレーニングできる環境づくりから着手した。

迎えた今季、主将は開幕節からチームをけん引した。関大3回戦、1点ビハインドで迎えた9回に2点適時打を放ち、チームを逆転サヨナラ勝利に導いた。バットで魅したエースは続く京大戦で完投勝利。リーグ序盤の快進撃、その主役に背番号1の「俺」が躍り出た。

わかさスタジアム京都での通算防御率1.99の数字が示すように安定感抜群の福島。4季ぶりの同立戦勝ち越しへ。福島が王者の完全優勝に待ったをかける。(本林大将)

福島孝輔(法学部4年)

頼れるリードオフマン

辻の闘志がチームに好機をもたらす。1年生の時から1番打者としてスタメンに定着し、4年間で通算打率0・302の好成績を残してきた。加えて過去2度、ベストナインにも輝いた。もちろん今季の1番バッターを担うのも辻だ。

辻は開幕戦時に「チームの士気を上げるために1番らしいことをしよう」と語った。辻の今シーズンの原点はここだ。野心を燃やし今季は通算打率3割と好調。また出塁率は4割超えとチームのリードオフマンとしての役目をしっかりと務めている。近大3回戦、同点で迎えた延長14回裏。先頭打者の辻はレフト前ヒットを放った。辻のヒットで打線は勢いづき、後に自らサヨナラのホームを踏んだ。

試合に起用され続けている辻だが、ケガで離脱を2度経験している。昨秋、同志社の低迷が続く中、仲間のプレーを見守ることしかできなかった。苦しい状況を乗り越えた彼は更に成長して、またバッターボックスに戻ってきた。今季の活躍の裏には惜しみない努力がある。

集大成の今年、辻は副将として主将の福島を支える。高校時代は大阪桐蔭の福島と履正社の辻。ライバル校同士しのぎを削ってきた。同志社に進学後、次は仲間としてお互いチームの勝利に貢献している。「何か期待できる選手」。辻は福島に確かな信頼を寄せている。

2年生の秋に辻と福島は共に優勝をかけた同立戦を経験した。惜しくも破れた悔しさは今でも忘れてはいない。今度は後輩としてではなく、先輩としてチームを引っ張っている辻。「4年間の中で1番良いチーム」。最高のチームで再び同立戦に挑む。
2年前とは違う同志社を見せつける。仲間と共に強さの証明を。すべての思いを戦力に、攻めの気持ちで勝利をつかめ。(藤田彩花)
 

辻心薫(商学部4年)


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