キャリア2回目の1万メートルで見せた圧巻のロングスパート
1月17日、中止になった「全国都道府県対抗女子駅伝」の代替大会として開催された「京都女子駅伝・中長距離競技会」(たけびしスタジアム京都)に、
5000mで東京オリンピック代表に内定している田中希実(21)=豊田自動織機TC=が1万メートルに出場しました。
彼女自身にとって一昨年2019年の日本選手権以来二度目の一万メートルでした。
「たくさんのランナーがいる中で走れるので上手に力を使いながら走り切れたらなと思ってました。
日本選手権の標準記録が32分25秒でコンマで切れてない状態だったので、それを切れれば今日の課題としてはいいかなと思って走りました」
レースはマラソンの実力者 安藤友香(ワコール)が積極的に飛び出す中、第2集団につけた田中は一旦150m近い差を空けられます。
中盤を過ぎ、7000mあたりからペースを上げ、集団を抜け出した田中はラスト1㎞でじわじわと安藤との差を詰めます。
最終ラップで安藤を抜きトップに立つとそこから更にギアチェンジ、圧巻のロングスパートでした。
田中は31分59秒89、自己ベストを大きく更新しました。
中距離と長距離 双方向からのアプローチ
800mから10000mまで日本のトップレベルで走るマルチランナーがこの種目でも5月3日の日本選手権(長距離種目)の参加標準記録(32分25秒00)を突破、五輪代表の挑戦権を手にしました。(参加標準記録は31分47秒に更新)
父である田中健智コーチはレース後「去年は短い距離からスピード強化というアプローチでした。いま代表に決まっている5000mを主戦場として今年は長い距離からのアプローチをしてみたい。
中距離で養成したスピードを活かしてスパートできるようにギアチェンジまで余力を残すスタミナを作りたいと思ってます。」と説明してくれたように短い距離と長い距離の双方向から力をつけようという戦略。
世界の舞台で戦うという意気込みで強化に取り組んでいます。
「走りながらレースプランを組立てる新しい感覚。ラストで上げるスタミナを試そうと。」
「一万メートル走るのは2回目だったんで人と走れることでいかに力を使わずにそのペースでいけるか?全くわからずにスタートしました。
どこが踏ん張りどころとかそういうのもあまりよくわからないまま走ってたのですが、その中ではしっかりレースの中で調節しながら走れて、新しい感覚と言うか、りながらそのレースプランを考えながら走るっていうのも大事なんだなと思いました。
東京オリンピック出場の権利を持ってるのが5000メートルなので5000メートルに自分の持ってる1500とか800のスピードをしっかり生かしていくには、やっぱりラスト一周までいかにハイペースでも余裕を持てるか?
スタミナがないとラスト上げることができないので、そのためのラストに差しかかるまでのスタミナを試すという位置付けで走りました。
例年だと この2月とかは海外で合宿したりとかっていうことが大学も休みなので出来るんですけど、コロナの影響でそういう合宿場所とかも制限されてくるのでその中でどれだけ昨年度よりパフォーマンスを上げられるかっていうのが課題になってくるかなと思います。」
取材:林 龍之介(読売テレビ)
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