パラリンピック開催まで2か月を切った6月29日。
パラアーチェリー日本代表の東大阪のケンタウロスこと上山友裕選手が、オリックス・バファローズの始球式に登板しました。
大阪の街を明るくすることに貢献した地元のヒーローが始球式をする「なにわのHERO始球式」と題したイベントで、パラリンピックに出場が内定している大阪のヒーローとして上山選手に白羽の矢が立ちました。子供のころから、お父さんと藤井寺球場に通っていたという「生まれながらのバファローズファン」を公言する上山選手は、バファローズの思い出を聞かれると、まだ健常者だった大学時代に京セラドームでバファローズのグッズ販売のアルバイトをしていたことを挙げ、大ファンだったという清原和博選手が加入した際には、(勝手に)清原グッズ担当を掲げて、当時の清原グッズの売り上げ新記録を達成したことがあると振り返りました。
大好きなバファローズからの夢にまで見た始球式のオファーに「この4日間キャッチボールしかしていません(笑)」と答え、初めは10mも届かなかったキャッチボールでしたが、18.44mをしっかりと投げ切れるところまで調整してきたと明かしました。しかし当日を迎えると緊張のあまり朝から吐き気がしますと精神的にも追い込まれた様子も見せていました。
夢は口に出して言い続けるべき!
背番号「728 HERO(なにわのヒーロー)」のユニフォームに袖を通した上山選手は、普段はスタンドから見ていた憧れのマウンドに上がり、4855人のオリックスファンにしっかりと視線を合わせながら、「ずっと夢と言っていた京セラドームでの始球式を叶えることができました。東京パラリンピックでの金メダルというもう一つの夢を叶えるために、あと2か月間しっかりと頑張っていきたいので、応援よろしくお願いします!」とメッセージを送りました。
バッターボックスには宗選手、キャッチャーは紅林選手が入り、迎えた本番。
上山選手の渾身の一投は、左打席の宗選手から大きく離れ、ストライクピッチとはならなかったものの、会場のオリックスファンから大きな拍手が送られました。
始球式の大役を果たした上山選手は、「夢見てるんちゃうかなってくらい・・・すごいですね、リオデジャネイロパラリンピックの開会式を超えました!」と興奮した様子。「パラの世界に入ってこの京セラドームの始球式に呼ばれるような選手になりたいって思っていた。ずっとその10年間言い続けた夢が叶った。夢は口に出して言い続けるべきだと思いました。」と、普段から力強いコメントを発する上山選手らしい感想を答えていました。
そして、2か月後に迫るパラリンピック本番に向けて聞かれると、「オリックスの選手たちが毎試合感動を与えているように、僕も応援してくれている僕のファンに、上山の試合を応援に来て良かったとか、上山を応援してきて良かったって言ってもらえるようなプレーを見せたい」と意気込みを語りました。
東京パラリンピックは8月24日に開幕。上山選手が出場するパラア―チェリーは、夢の島公園アーチェリー場を舞台に、9月3日(金)に男子個人リカーブ、9月4日(土)に混成チームリカーブが行われます。
上山選手の始球式で始まった試合は、ロッテに5点リードを許したものの、ラオウこと杉本裕太郎選手の目の覚めるような特大ホームランで反撃の狼煙を上げ、5対5の引き分けに持ち込む結果に、スタジアムで観戦した上山選手は「初めのほうで点数をトントンと取られていったのですが、今年のバファローズはどれだけ点数を取られても負ける気がしません!その通りに終盤で追いつき、とても楽しい試合でした!ジョーンズ選手の通算1000打点や、最後も宗選手の異次元の守備も見ることができて最高でした!」と、忘れられない一日となりました。
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