関西ナンバーワンをかけた戦い始まる

学生たちの熱い戦い 「第99回関西インカレ」

今年5月に開催された陸上の第99回関西学生対校選手権「関西インカレ」。4日間にわたり、京都・西京極にある「たけびしスタジアム京都」で大学生たちの激闘が繰り広げられた。過去に関西学院大学の多田修平が100メートル4連覇を達成(2015-2018)。多田は世界大会でも銅メダルを獲得し、この大会からオリンピック代表へのステップを駆け上がった。多田の卒業後、この種目を制したのは関西大学の坂井隆一郎。去年ポーランドで開催された世界リレーの銅メダリストだ。そして女子は共に東京オリンピック400メートルリレー代表として世界の舞台で戦った甲南大学の青山華依と、関西インカレ3連覇(2018-2020) の大阪成蹊大学・齋藤愛美。去年の決勝は二人のオリンピアンの一騎打ちとなった。関西インカレから世界へ!今年もレベルの高い戦いが繰り広げられた。

【あすリートPlus4月3日OA再編集版】走れ修平!Part1 【あすリートチャンネル】

注目の女子100メートル 壹岐あいこは初タイトルかけ最後のインカレに挑む

女子100m優勝 壱岐あいこ(立命館大学4年)

まずは女子100m決勝、大会記録は2017年に大阪成蹊大学の中村水月が出した11秒57。そして今大会でその記録更新が期待されているのが、立命館大学4年の壹岐あいこ(2021年日本選手権2位)。壹岐はこの種目では自己ベスト11秒58と大会記録に迫るタイムを持つ。去年の関西インカレを怪我で欠場し、大学4年、最後となる今大会は、初のタイトルがかかる。少し緊張した様子の壹岐。スタートレーンに立ち、目を閉じて、トラックを吹き抜ける風に耳をすます。この日は弱い向かい風が吹いていた。胸に手を当て、一呼吸。低い姿勢からのスタート。先頭の4人はほぼ横一列の接戦。後半、隣の第3レーンを走る甲南大学1年の奥野由萌がやや前に出るも、最後は壹岐が追い抜き、見事優勝。

(壹岐)「本当はもっと飛び出したかったんですけど、あんまり自分の得意の後半も出ず、終わってしまったって感じです。優勝しないといけないレースだったと思うので…、うれしいですけど、素直にめちゃくちゃ喜べるって感じではないです。」

「優勝」という自身に課した最低限の結果は出せたものの、タイムは11秒95と伸びず、課題が残った。

混戦の男子100メートル決勝 激闘を制したのは!?

男子100m優勝 宮内和哉(関西大学3年)

続く男子100m決勝は本命不在の混戦となった。激闘を制したのは関西大学3年の宮内和哉。スタート直後は予選・準決勝共に1位通過の高木恒(近畿大学4年)がトップを走っていたが、後半に怒涛の追い上げを見せた。10秒39と、自己ベストに迫るタイムでガッツポーズ。レース後のインタビューでは涙をにじませながら、喜びを語った。

(宮内)「正直、ここ最近は練習から自信が持てなくて、自分の心の中で、病んでいたところあるんですけど、今回、優勝出来て素直にうれしいです。僕が関西大学に入ろうと決めたのが、大学の先輩でもあり、あこがれの人でもある 坂井隆一郎さんと佐野由羽さんがこの関西インカレでワンツーで勝ったのを見て、自分もこういう選手になりたいと思って。その気持ちをずっと持っていたのが最後まで走り切れた要因かなと思います。」

大会記録更新なるか!? 19歳の日本チャンピオンが圧巻の2連覇

序盤からトップ維持し優勝 山本亜美(立命館大学2年)

大会最終日、女子400メートルハードルの注目は立命館大学2年の山本亜美。去年19歳で日本チャンピオンになった若きハードラーだ。この種目の大会記録は57秒11。山本の自己ベストは57秒04で、10年ぶりの大会記録更新と、二連覇が期待される。スタートレーンで名前をアナウンスされると、頭に手を当て、笑顔でぺこりと一礼。トラック1周で超えるハードルは10台。やや強い西風が吹く中、山本は順調にライバルを追い抜き、序盤からトップに出た。
そのまま最終コーナーを通過し、独走を続け優勝。タイムは57秒29と、記録更新とはならなかったが、2位以下と1秒以上差をつけ圧巻の2連覇を果たした。

(山本)「今日はしっかり気持ちをちゃんと決勝に持って来ようって。走りというより、気持ちの部分でしっかり準備出来て、勝てて良かったかなと思います。風が強くてコンディションがあまり良くない中で57秒29を出せたのは良かったかなと思います。」

最後まであきらめない!勝者たちのドラマ

熱戦は続く。園田学園3年の三浦愛華は100m準決勝でまさかのフライング。その雪辱を200m優勝で果たし、安堵の表情を見せた。一方で男子は100mで宮内(関西大学)に敗れた高木(近畿大学)が粘りの走りで接戦を制し、雄たけびを上げた。女子100mHでは、中盤から抜け出した大阪教育大学4年の玉井奈邦が、そのままトップを維持し、こぶしを突き上げ満面の笑みで優勝。

男子110mHは共に同志社大3年の杤岡武奎と、岩堀剛己がワンツーフィニッシュし、杤岡武奎(トチオカタケイ)が競り勝った。女子1500m決勝では、圧倒的な走りを見せた明治国際医療大学2年のシェイラ・チェロティチが、大会新の4分14秒77で優勝し、関西学生記録を塗り替えると、女子1万m決勝では、大阪学院大学2年の永長里緒が33分53秒85で豪雨のデッドヒートを制し2年連続の優勝を果たした。

(読売テレビ「あすリートPlus」6月12日放送)

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