【あすリートPlus】日本一目指し一球入魂! JOCジュニアオリンピックカップ女子 ~全国都道府県対抗中学バレーボール大会~
2023年01月12日 / バレーボール
2023年01月12日 / バレーボール
年末、JOC都道府県対抗バレーボール大会が開催され、師走の大阪を熱く盛りあげました。日本の将来を担う金の卵が躍動した今大会は、今年で36回目。全国大会では、男女それぞれ48チームが躍動。日本一を目指し、それぞれの想いを懸けて、青春の1ページを刻みました。
かつて、ロンドンオリンピックで銅メダルに輝いた今回の番組ナビゲーター・迫田さおりさんも20年前、鹿児島選抜として出場。当時を振り返って、このように語ります。
(迫田)「全然ダメだったと思います。1試合勝ったかな?くらいな…。(優勝を狙うチームは)顔つきが違うんですよ。全国に出たら」
【顔つきが変わる】―世界を相手に戦った迫田さんもそのように感じた全国大会で、連覇を狙うのが、前回優勝チームの大阪北選抜。普段は、互いにしのぎを削るライバル同士が一堂に集結。チーム一丸となって、日本一の景色を目指します。
去年8月におこなわれた全日本中学バレーボール大会で日本一に輝いた金蘭会(きんらんかい)中学と準優勝をおさめた大阪国際中学から、3名ずつの選抜。大会3か月前に発足してから、高校バレーの強豪校を練習相手に切磋琢磨、急ピッチでチーム作りを進めてきました。
そんなエリート集団の大阪北選抜の彼女たちの素顔は、とってもチャーミング。チーム全員でカメラに向かい、お得意の変顔を見せてくれる、そんなサービス精神と底抜けの明るさが魅力です。キャプテンの塚田花菜(はな)選手とメンバーの石橋光(ひかる)選手は、自分たちの関係をこのように話してくれました。
(塚田選手)「(自分と石橋選手は)ボケとツッコミみたいな関係」
(石橋選手)「私がボケです(笑)。自分が変なことをして、ハナが冷たい目で【エッ、何してんの】みたいな」
互いに切磋琢磨しながらも、微笑ましい絆を垣間見せる仲良しコンビ。そんな2人が今大会に懸ける想いも一入です。
(塚田選手)「各チームのいい部分をしっかり本番までに集めて、全員でプレーできたらいいかなと思います」
(石橋選手)「JOCで2連覇できるのは今、自分たちだけやと思うから…。絶対に2連覇して勝ち取ります!」
燃え滾る闘志と共に迎えた大会本番。大阪北選抜の決勝トーナメント1回戦の相手は山形選抜。
第1セット、大阪北・石橋選手の驚異の集中力が光り、9連続サービスポイントを獲得。大阪北が主導権を握り、勢いに乗って、ストレート勝ちをおさめます。
続く大阪北の2回戦。対するは、大阪北と同じく優勝候補に挙がる福岡選抜。
第1セット、大阪北の持ち前の攻撃力が光るスパイクを次々と決め、福岡を圧倒。セットを奪いました。
続く第2セット。一進一退の攻防で、手に汗握る展開を見せます。惜しくも福岡の粘りに屈し、セットカウント1対1となりました。
運命の最終セット。序盤、石橋選手の積極的なアタックが炸裂、福岡を大きく引き離しますが、強豪チーム・福岡も実力者の粘りを見せ、大阪北はリズムを崩されます。
同点に追いつかれた大阪北。ここで、チームのエース・石橋選手が自分にトスを要求。チームを優勝へと導くべく、自らの技に想いを込めます。しかし、技が決めきれず、マッチポイントを迎えたのは福岡でした。
目の前にあった勝利を逃し、逆転負けを喫した大阪北選抜。連覇を逃した少女たちの心には、それぞれが抱く、バレーボールへの熱い想いが滲んでいました。
(石橋選手)「最後、3本トスが上がってきたけど、打ちきれんくて…。そこで1本でも打ちきってたら、絶対勝てたのに。自分が決めきれんかったから負けてしまったので、すごい悔しいです」
(塚田選手)「負けたことも経験として、しっかり今後に生かしていきたいと思います」
さまざまな青春の群像劇が繰り広げられる全国都道府県対抗中学バレーも、いよいよ最終章。
運命の決勝に勝ち上がったのは、精神力が際立つプレーが持ち味のキャプテン・比留間美晴(ひるま・みはる)選手率いる岡山選抜。対するは、大会最多10回の優勝を誇る東京選抜です。チームの中心は、178センチの恵まれたポテンシャルを生かしたアタックが目を引く荻野明花(おぎの・めいか)選手。技の正確さとスピードを兼ね備えたエースとして、チームを引っ張ります。
(比留間選手)「日本一になりたいという思いで4ヶ月間、必死に練習してきたので、優勝したいと思います」
(荻野選手)「緊張し過ぎず、自分たちのプレーが100パーセント出せるように頑張りたいと思います」
岡山選抜の日本一への熱き思い、そして東京選抜の堂々たる風格が、決勝の舞台を盛り上げます。
迎えた東京選抜対岡山選抜による、女子決勝戦。優勝常連の東京選抜で期待を集めたのは、150センチのセッター・髙伊(たかい)選手とエース・荻野選手の身長差28センチコンビのチームワーク。
第1セット、巧みなトスワークから最高到達点291センチの荻野選手が打ちきり、セットを奪います。
続く第2セット、勝てば男女通じて初優勝となる岡山選抜のキャプテン・比留間選手が意地を見せ、東京のブロックを撃ち抜き、バックアタック。絶好調の活躍を見せ、チームを背中で引っ張ります。
必死の岡山に立ちはだかったのは、やはり、東京選抜絶対的エース・荻野選手。岡山の粘り強さ光る姿勢に対し、バリエーション豊かなアタックで応戦、そして圧倒。ついに、マッチポイントを迎え、勝利の女神は、終始リードを保った東京選抜に微笑みました。
初優勝を逃した岡山。しかし、チームを準優勝獲得へと導いた比留間キャプテンの表情は、どこかすっきりとしていました。
(比留間選手)「みんなが最後、自分に任せてくれていたので、決めきろうという強い思いでプレーできたので、良かったです。(今後は)技術とかを磨いて、レシーブとか攻撃だけじゃなくて、なんでもできる選手になれるように練習していきたいと思います」
(荻野選手)「(今後は)できないことにたくさん挑戦していって、たくさんの人から信頼される選手になっていきたいなって思います。世界と戦うことが将来の目標です」
かがやく未来へと、日々歩みを進める選手たちが、それぞれの想いを震わせ、力いっぱい健闘した今大会。純粋さと凛々しさが光る子どもと大人の狭間で、新たに芽生えた志。近い将来、日の丸を背負った彼女たちが夢を叶える姿を、私たちに見せてくれる日が来るかもしれません。
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
2022年4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどの、スポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(読売テレビ「あすリートPlus」1月8日放送)