2023年9月、ラグビーワールドカップがフランスで開催!

髙橋汰地選手(トヨタヴェルブリッツ所属)

世界陸上、世界水泳、さらにはバスケットボールのワールドカップをひかえる2023年。世界的なスポーツイベントが盛りだくさんの今年、特に大きな注目を集めているのが、ラグビーワールドカップ。

オリンピック、サッカーワールドカップに並ぶ世界3大スポーツイベントの1つといわれるラグビーワールドカップの日本代表候補、髙橋汰地(たかはしたいち)選手とシオサイア・フィフィタ選手に密着しました。

「父はもう超えた」持ち前のスピードとフィジカルで代表入りを狙う

大阪・常翔学園高校から明治大学に進学

日本代表候補として注目を集める1人目の選手は、リーグワン・トヨタヴェルブリッツに所属する髙橋汰地(たかはしたいち)選手。今シーズン全試合にスタメン出場、神戸市出身の笑顔がさわやかな26歳です。

ポジションは、トライゲッターのウイング。鋭いランと献身的なプレーでチームの勝利に貢献します。

(髙橋)「自分のスピードっていうのを生かしながら、【フィジカルもスピードも兼ね備えたウイング】っていうプレースタイルをアピールしていけたらいいのかなと思います」

ラグビーとの出会いは、5歳の頃。友達に誘われたことがきっかけでした。その後、大阪の名門・常翔学園高校に進み、1年生の時、チームが全国制覇。明治大学時代でも、22シーズンぶりの日本一を経験しました。

順風満帆なラグビー人生を叶えた原動力の一つ、それは髙橋選手の父・晃仁(こうじ)さんの存在。晃仁さんは、京都・伏見工業高校からラグビーの名門・神戸製鋼に進み、髙橋選手と同じポジション・ウイングで活躍するラガーマンでした。

(髙橋)「変に意識とかはしなかったですけど、小学校や中学校の時は細かいプレーについても教えてくれたので、いい環境だったのかなというふうには思いますね。(父の存在は)1個の目標みたいな感じには思っていたんですけど、もう超えたかなって思うんで(笑)」

「自分はできると信じている」家族の想い背負い、日の丸への道を歩む

父・晃仁さんも神戸製鋼でウイングとして活躍したラガーマン

「父はもう超えた」―そう話す理由は、昨年7月の日本代表デビュー。ラグビーの強豪・フランス代表との試合で、日の丸を背負いました。2万人を超える大観衆が熱い視線を注ぐ中での初キャップ、家族の記憶にも深く刻まれた代表デビューでした。

(髙橋)「フランス代表チームとの試合は、(所属チームの)地元・豊田での試合で、自分自身もすごくワクワクしていました。フランスという強豪を相手に初キャップも取れて、自分のスピードっていうのも生かしながら、フランス相手にも通用する部分があったんじゃないかなと思います。試合が終わって、家族からLINEが来てて【おめでとう】と言ってもらいました。母からは【パリに行くためのお金はもう貯めた】というふうに言われました(笑)」

父と母、そして妹が2人の5人家族である髙橋家。家族は桜のユニフォームを着た息子についてこう話します。

(父・晃仁さん)「後半10分ぐらいにリザーブ席でアップをしていた息子を見て、やっぱりグッと来ましたね。(髙橋選手は)もう僕を超えていると思いますよ。まだ息子に負けてへんなっていうところもありますけどね、ひたむきさとか…(笑)」

(母・繭子さん)「お父さんがラグビーをやってたからって、息子にもやらせるということは、もともと考えてなかったので…。その中で、日本代表なんて他人事だったので本当にびっくりしています。今でも、ちょっと信じられないぐらい。やっぱり、国家斉唱は日本代表ならではのことなので、その時はちょっと涙も出たし、すごく嬉しかったです」

(妹・和花さん)「初めて日本代表のジャージを着てるお兄ちゃんを見て、ドキドキしたし、ホンマにすごいの一言です。みんなからもすごいって言ってもらえるし…(笑)。自分も本当にそう思うので、自慢しすぎないように自慢しちゃいます(笑)」

家族の想いを背負い、ワールドカップ日本代表入りへの道を目指す髙橋選手。己を信じ、一生懸命、日の丸への道を歩みます。

(父・晃仁さん)「一生懸命、試合して練習して…。その結果、代表に入れたらいいと思ってるし、入れなくても、それはそれで構わないと思っています。(髙橋選手は)試合するにしても、練習するにしても一生懸命やる子なので。手を抜かずに1つずつやっていってくれたらと思います」

(髙橋)「ラグビー選手にとっては、やっぱりワールドカップに出るっていうのは、全員が思っている夢だと思いますし、まさか自分が今、この立ち位置にいられるというのも思っていなかったので…。その中でも、自分の持ち味をしっかり出して、最後のメンバーに残れるように頑張っていきたいと思います。(自分は)できると信じています」

期待のパワー型ウイング!トンガ出身の侍が見すえる日本代表入りへの道

シオサイア・フィフィタ選手(花園近鉄ライナーズ所属)

もう一人の注目選手は、日本のラグビー界とも縁が深いトンガ出身の24歳、シオサイア・フィフィタ選手。フィフィタ選手は、奈良・天理大学時代はチームを日本一に導いた実力者。

187cm・105㎏の強靭なフィジカルから繰り広げられる世界規格のパワー型ウイングと、溢れんばかりの日本への愛で、世界の大舞台へと挑みます。9年前、高校生の時に日本に来たばかりの頃は、驚きの連続だったと話します。

(フィフィタ)「1番驚いたことは、お風呂屋さんですね。初めて入った時、【熱っ!】と思いました(笑)。プールかな?と思ったんですけど、全然違いました。あとは、上下関係とか…日本は結構厳しいので。でも、僕はそういうところが好きです。日本の文化をすごくリスペクトしています」

高校卒業後は奈良・天理大学に進学。4年生の時には、大学選手権でチームを初優勝に導きました。大学生離れした身体能力を持つサムライが、当時から見据えていた目標は…。

(フィフィタ)「ジャパンです。もちろん、日本代表選手になりたいです」

「W杯出場だけでなく、パフォーマンスでみせていきたい」代表の座へ懸ける想い

目標はラグビーW杯、異国の地で夢に懸ける

大学卒業後、おととし4月に大阪の花園近鉄ライナーズに加入。その2か月後の6月には、念願の日本代表に選出。日本代表デビューを叶えた当時の気持ち、そして9年の歴史を紡いできた日本への想いをこのように語ります。

(フィフィタ)「(日本代表)デビューするなんて思ってなかったし、メンバーが発表されて、僕の名前が呼ばれた時は、泣きそうでした。恥ずかしかったから隠しましたが…(笑)。好きな食べ物は、和食ですね。和食を食べると、やっぱり日本って感じがします」

感無量だった日本代表デビュー。異国の地で夢を叶えたフィフィタ選手について、日本代表のヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフヘッドコーチも「自信をもって(日本代表として)送り出せる」と期待を込めています。大きな期待が寄せられるフィフィタ選手の見すえる先は、やはり世界の大舞台。

(フィフィタ)「目標は、やっぱりワールドカップですね。【ワールドカップに出る】という思いが強いので。ワールドカップに出るだけじゃなくて、パフォーマンスの部分でも【自分はトップ選手になる】というところを、しっかり見せていきたいなと思います」

2015年、そして2019年。列島中を熱狂の渦へと巻き込んだ熱き戦いが、今年9月、再び開催されます。次なる熱戦の舞台は、フランス。ルーツも言葉も異なる選手たちが、桜印のもとに一丸となります。強豪ひしめくワールドカップを目指し、それぞれの想いを掲げて突き進みます。

2月19日(日) あさ6:00  読売テレビ地上波で放送

新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス
「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。

(読売テレビ「あすリートPlus」2月19日放送)

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