アスリート目線で真剣トーク! パラトライアスロン・宇田秀生選手を直撃
今回の「あすリートPlus」はスペシャル企画。番組ナビゲーターの鳥谷敬さんが、滋賀県出身のパラトライアスロンの宇田秀生選手を迎えて対談しました。
競技のこと、体のこと、家族のこと、2025年のパラリンピックパリ大会のことなど…さまざまなお話を真剣モードで話していただきました。
トライアスロンはお得なスポーツ?競技歴10年 宇田秀生選手
宇田選手は10年前、26歳の時に職場の事故で右腕を失いました。リハビリで始めた水泳をきっかけにトライアスロンの世界へ入ります。手足の欠損、筋力障がい、膝下から義足の選手を含むPTS4のクラスで、競技を始めてわずか2年で世界大会に出場。今では表彰台の常連です。2021年の東京パラリンピックでは、銀メダルに輝きました。
(鳥谷)「トライアスロンを始めたきっかけはどんな感じだったんですか?」
(宇田)「右腕を失ってリハビリで水泳をして、学生時代にサッカーをやっていたので走るのは得意で、あとは自転車に乗ったらトライアスロンができるなと思って。一気に3種目もできるお得感もあって、軽い気持ちで始めました」
(鳥谷)「辛いものが3つあるからお得には感じないですけど(笑)。片腕になって今までとは感覚が急に変わって、競技をする上で難しさはありますか?」
(宇田)「よく聞かれるんですけど、あんまり難しいと思うことはないんですよね。人間の体ってよくできてきて、頭で考えていなくても勝手に他で補ってくれるんです。泳ぎだったら、片腕で左右にブレてしまうところをキックの仕方でまっすぐ進むように補ってくれるし」
(鳥谷)「水泳だと息継ぎを左右どちらでするのかとか…」
(宇田)「最初は分からなかったです。でも息をしないと死ぬじゃないですか。勝手に体が頑張ってくれているという感じです」
ハードスポーツ・トライアスロン 驚異の練習量
750mのスイム、20kmのバイク、5kmのランと、かなりハードな競技であるトライアスロン。練習量はあらゆるスポーツの中でもトップクラスだといいます。
(宇田)「練習のボリュームは、1ヶ月にスイムは100kmから120kmぐらい。自転車は1000mから多くて1500mぐらいで、ランは250kmから300mぐらいですね」
(鳥谷)「時間が足りなさそう…。嫌にならないですか?気持ちが持たなさそうです」
(宇田)「そう言われるとそう感じてきました(笑)。でも、結構練習が好きなんですよね。鳥谷さんはプロ野球を引退してからもこれだけはやっているぞということはありますか?」
(鳥谷)「自分が現役時代に格好いいなと思っていた選手が引退してテレビか仕事で見た時に、めちゃくちゃ太っていて“あれ?イメージと違うな”ということがいっぱいあったんです。だから自分が“あれ?”と思われないように、体型はちょっと意識してます。月に150kmとか200kmぐらい走ってますね」
(宇田)「あんまり僕と変わらないですね(笑)」
(鳥谷)「いやいや、僕はスイムなどやらずランだけなので(笑)」
遠征が多いアスリートにとって貴重な家族との時間
シーズン中は世界を転戦し、オフは長期の合宿。パリパラリンピックで金メダルが期待されるJTU強化選手として、宇田選手は1年の大半を家族を離れて過ごしています。そのため、家族と家で過ごす時間は、何よりの幸せです。わんぱく盛りの小学生の息子2人は、宇田選手が帰宅すると喜んで玄関まで飛んで行きます。
(宇田)「離れている時間が多くて最初は本当にお互い寂しかったんですけど、今は慣れました。『また遠征?次どこ行くの?』ぐらいの感じで聞かれます。鳥谷さんも現役時代は自宅にはあまりいなかったですか?」
(鳥谷)「1年の半分は遠征です。子どもと会えないのが寂しいというより、離れれば離れるほど子どもが成長していて、それが嬉しいですね。奥さんからすれば『あなたもちゃんと見てよ』という感じだと思いますけど。赤ちゃんの時だったら1ヶ月半経って帰ってきたらハイハイしてるとか」
(宇田)「赤ちゃんの90日はめちゃめちゃ早いですよね」
(鳥谷)「早いです。ああいうのを見ると、家をだいぶ空けてたんだなあと思います(苦笑)。宇田選手の息子さんたちは何かスポーツはしていますか?」
(宇田)「長男はサッカーにどハマりしていて、次男は体操教室に通っています。2人ともスイミング教室に行っています」
(鳥谷)「うちも子ども5人いるんですけど、体操教室とスイミング教室だけは全員行っています。長男はサッカーをしていて、次男はボクシングとか。3番目の長女は新体操。下の2人はサッカーと体操と水泳ですね」
(宇田)「鳥谷家の基本は水泳と体操なんですね」
(鳥谷)「水泳は左右のバランスをうまく使うし、体操は自分の体をうまく使うというメリットから、まず水泳と体操をやって、そこから自分の好きなスポーツをやってもらうというのが1番かなと考えています」
「日本で1番元気な障がい者に」未来へのビジョン
(鳥谷)「どこに向かっているとか、何歳までやりたいとか、ご自身の中でビジョンはあるんですか?」
(宇田)「まずは2025年のパリパラリンピックに向けて、とりあえず全力でやるんですけど、その先の2028年ロサンゼルス大会も行けるだろうと思っています。そのあとは、日本で1番元気な障がい者になろうと考えています」
(鳥谷)「もう充分なっている気はしますけど…(笑)」
まだまだ続く競技人生。宇田選手は走り続けます。
毎週日曜日 あさ6:00 読売テレビ地上波で放送
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(12月17日放送)
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