2年前(2018年)にあすリートで紹介した立命館大学の田中佑美選手。
関大一高時代にインターハイを連覇すると、関西の強豪校・立命館大学に進学。
昨年は関西インカレ3連覇、日本インカレで初優勝を飾るなど、学生No.1 ハードラーに成長しました!
2019年5月 関西インカレ3連覇のレース動画です。
チームとしての目標は、関西インカレ、全日本インカレ、全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝という4つの大きな大会で優勝すること!
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、陸上界でも各大会の延期、中止が相次ぎ、立命館大学陸上競技部も緊急事態宣言中の活動自粛を決定。
限られた練習しかできない中で、トラックでみんなと走りたいという思いが強くなり、「あ、私って陸上が好きなんやったんや」という気持ちに気づかされたと言います。
苦しい状況の中でどう過ごしているのか、現在の心境をリモート取材しました!
ロングインタビュー動画を3つのテーマに分けてアップします。
2回目は走るたびに自己ベストを更新、日本学生記録に0.02秒まで迫った昨シーズンをふりかえってもらいました。
2019年 昨シーズンを振り返って
Q.去年はどんなシーズンでした?
A.前半シーズンは確かによかったと思います。13秒2くらいまでとんとん拍子でベストが出て、関西インカレもチームに貢献することができて、
ゴールデングランプリっていう大きな大会に初めて出場して、世界のトップ選手と一緒に走らせてもらって、すごくいい経験で楽しい、走るたびにベストが出て楽しいシーズンではあったんですけど、
中盤から後半にかけて、日本選手権から全日本インカレにかけて、本来自分が目的にしていた2つの大きな試合で、思うような結果が出せなかったっていうのは後悔が残るので、
100点満点のシーズンはなかなかないと思うんですけど、前半自分にも周りにも期待してもらっていた分、後半の失速がもったいないなって感じていました。
Q.前半と後半の違いは疲労?
A.前半に使い切ってしまった感は否めないかなとは思いますね。
前半シーズン、うまくはいっていたんですけど、なんでうまくいっていたのかをいまいち理解しきれないまま時間が過ぎてしまって、その時は毎週毎週試合があるっていう感じで。
同じことを繰り返したら人間うまくいくもので、何も成長していないけどなんとなく慣れて、試合のたびにベストが出ていたっていう感じだったので、
そこに実はタイムっていう形で成功していたけど、成長はなかったんじゃないかなって思っています。
Q.今思えばよかったところが分かってきた?
A.今は、まずスプリント能力が安定していたこと、重心の移動ができていた時期なんだろうなって。
そういう感覚的なところは難しくて、マークとか細かいドリルとかを使って、
目に見えないものをいろんな足跡を残して、いつでもそこにたどり着けるように工夫はしてきてはいましたけど、それがたまたまフィットしていたんじゃないかなって思います。
Q.自信になったシーズン?
A.自信にはなったシーズンですね。ぼーっと走ってもこのくらいいくんやって思えたので。
タイミングさえ合えばここまでいくんだなって思えたので、それこそ冬季頑張ろうって、毎年言っているようですけど、思いました。
Q.手ごたえは感じた?
A.冬にやるべきことが分かったシーズンだったなと思っています。
Q.オフは何に取り組んだ?
A.まず、筋力の向上。上半身に力がなくて、昨シーズン伸びた原因の1つも上半身の筋肉だったと思うので、それをまず維持することと、
練習の時のクオリティが低いタイプなので、練習の時から高いクオリティで走れるように、ウォーミングアップを工夫したり、
スプリントは、1次加速、2次加速、中間疾走っていう感じに分かれているんですけど、それをいまいち理解しないまま走っていたので、
練習の時でもレースの区切り分けをして、それにふさわしい動きをするようにっていうのは工夫していました。
Q.よくなるイメージはできている?
A.何をしたらいいタイムが出るかは分からないですけど、何が足りないかとか何をしたらもうちょっと進むかは分かっているので、それを1個1個つぶしていこうと思っています。
Q.13秒18のレースは?
A.あれは、夜の試合だったので、暗いと走っている自分が速く感じるものなんですよ。
なので、昼とは体感が違うっていうのはありましたし、寺田さんが前にいらっしゃったので、
あんまり自分が速いなとは思ってはいなかったんですけど、かなり盛り上がった試合を福井県が作ってくださったので、音楽とかもガンガン流してノリノリで走れたかなとは思います。
※田中選手の現在の自己ベスト13秒18(3位)をマークした福井ナイトゲームズ、このレースで寺田明日香選手が日本タイ記録13秒00に並んだ。
Q.寺田さんの13秒00を同じレースで体感!
A.自分のレースに必死で、横で寺田さんが何をしていたかを覚えているわけではないんですけど、
少し話はずれてしまうんですけど、この前、日本陸連が織田記念とか木南記念とかグランプリシリーズの科学委員会が分析をしてくださって、
ハードリングにはこの時間かかっているとか、1台目までにはこの時間かかっているとか、インターバルタイムはこの時間みたいなことを出してくださって、
日本のトップの方や世界のトップの方とタイムを比較していく中で、自分のハードリングタイムがそこまで悪くないこと、
ハードルの上を跳んでいる時間が他の選手より長くない、短いとか同じくらいだったり、はまりさえすれば、1台目の入りが外国人選手に並べたりとか、
そういういいところは見つかったので、よかったかなとは思っています。
Q.12秒台に突入したことについて
※寺田選手は昨年9月の富士北麓ワールドトライアル2019で12秒97、日本記録を更新
A.出たんや~って思いました。寺田さんはイレギュラーな経歴を持ってる方(引退、結婚、7人制ラグビーを経て陸上に復帰)で、
高校記録だとかいろんな記録を立てて来られた方なので、スパーンと突き破ってくださったと言いますか、そんな感じはしましたけど、
私自身12秒台にこだわっているわけではなかったので、「12秒台が出た!」というよりは「寺田さんがまた速いタイムを出しはったな~」っていう感覚の方が強かったです。
Q.寺田さんとの差が0秒2
A.100mハードルの0.2秒差というよりは、100mで0.5~0.6秒くらい違うので、その差の方が大きいので、そこがうまれば0.2秒も縮まるんじゃないかなと思っています。
(続く)
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