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―京産大が伝統校であるのを見せつけたいー
こう今大会への思いを語ってくれたのは、2大会ぶりの杜の都を目指す京産大を主将として率いる豊田理瑚(とよだ・りこ)だ。
陸上競技を中学1年生から始めた豊田。きっかけは小学校時代にあったマラソン大会で長距離走に自信を持ち、中学校で陸上部へ入部したことだ。中学時代の最高成績は県大会出場で全国大会とは縁遠かったが、もっと高いレベルで競技を極めたいと地元・滋賀県の強豪である草津東高へ進んだ。高校時代には全国女子駅伝に滋賀県代表として2度選出されるなどの活躍を見せる。そして、「厳しい環境の方が伸びる」という高校の監督のアドバイスがあったことで、高校OGも在籍している京産大を進学先に選んだ。
大学入学後は怪我との戦いが続いた。1年次には全日本大学女子駅伝への出場を果たし、初めての大学駅伝で区間14位の成績を残す。「実力不足だった」(豊田)と課題は見えたが、大学スタートとしては良い滑り出しとなった。しかし、その後は踵の怪我が彼女を苦しめた。痛みが強くなった2年次の8月には手術を行い、長期のリハビリ生活が始まる。ようやく競技復帰できたのは約1年後の昨年の9月だった。
昨年の関西女子駅伝で豊田は3区(6.5㌔)を走った。復帰直後ということもあり短距離の区間を走る予定だったが、大会前日に走順を交代。急遽挑んだレースでは区間13位と満足の行く結果が出なかった。そして全体順位でも8位に沈み、27年ぶりに全日本大学女子駅伝への出場を逃した。「行けるだろうという気持ちがチーム内にあった。」(豊田)京産大は過去27回出場し、1994年~1997年には4連覇を達成。2018年の第36回大会ではシード権を獲得していただけに、全日本での活躍を目指して練習を積んできた選手たちにとってはショックが大きかった。
新チームが始動し、「仙台にもう一度出たいという気持ちが強くなった」と話す豊田。全日本に出場した経験がある現役部員は彼女を含めてわずか4人になった。女子中長距離パートの主将になった今季は、まだ全日本に出場の無い後輩たちが杜の都を経験することを目標の一つとして掲げている。また、卒業後は実業団などへ行かずに競技から引退する予定という豊田。「最後なのでいい結果で終われたら」と彼女自身にとっても悔いなきレースを目指している。
男子は6月に開催された全日本大学駅伝の予選会で6位となり、2年連続で伊勢・出雲路を踏むことができなかった。「全国を逃してしまった男子の分も頑張りたい」と、涙をのんだ男子の思いも背負って戦う。
古豪・京産大の復活へ。豊田、そして京産大女子が見せる意地の走りに注目してほしい。
【文責:京都産業大学体育会本部編集局(京産大アスレチック) 藤田稜介】
豊田理瑚(とよだ・りこ)プロフィール
2000年6月9日生まれ
滋賀県米原市出身
経済学部経済学科4年次
滋賀県立草津東高校卒
【過去の成績】
皇后盃第36回全国女子駅伝 7区 区間36位
皇后盃第37回全国女子駅伝 5区 区間42位
皇后盃第38回全国女子駅伝 5区 区間27位
第31回関西学生対校女子駅伝選手権大会 8位
2019富士山女子駅伝 6位
第37回 全日本大学女子駅伝対校選手権大会 13位
【今季の成績】
第99回 関西学生陸上競技対校選手権大会
女子5000m 31位
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