2022年6月19日。全日本大学駅伝関西地区選考会。
京都大学は予選突破を目指していたが、結果は7位。目標達成どころか、かすりもしなかった。6 位までに入った大学との差は極めて大きく、自分たちの現在地を再認識できたことが唯一の収穫であった。
肌で感じた大きな差を埋めようと競技に打ち込んだ5ヶ月間の結果発表ともなる、丹後大学駅伝のチーム目標は「6位以内」。このチームでの集大成となる試合を笑って終えるために、また、近年の京大の悲願である2014年以来の全日本大学駅伝出場のスタートラインに再び立つためにも、絶対に達成しておかなければならない目標である。
今年のチームは、春の関西インカレハーフマラソンで躍動した、足立、柴田、鈴木のトリプルエースが中心だ。この春から大学院に進学し、研究に勤しむ忙しい日々にもかかわらず、それぞれが時間を捻出して練習に励んでいる。3選手とも、ロード、とりわけ駅伝で強さを発揮するため、丹後大学駅伝では快走を見せチームを牽引してくれるに違いない。
また、今年がラストイヤーとなる大学院2年の津吉と潮﨑にも期待がかかる。ともに入学直後は 5000mで17分台の選手だったが、たゆまぬ努力を続け、今やこのチームに欠かせない選手となっている。また、ともに明るく頼りがいのあるキャラクターで後輩からも親しまれており、日々の練習でも欠かせない存在だ。ラストイヤーの漢たちの意地を、6年間の集大成となる大舞台で見せてくれるだろう。
「京大は院生のチーム」「京大の学部生には速い選手が入ってこなかった」と言われ悔しい思いをしてきた、2・3回生はこの夏、走り込みと技術向上に相当な時間をかけて取り組んできた。細部にこだわって練習に取り組んできた選手も、京大生らしい「頭を使う」ことにこだわらず、がむしゃらに走り込んできた選手も、夏を経て何段階も強くなっている。その成果をしっかりと見せて欲しい。
今年のチームを引っ張る主将は、4回生の髙橋。駅伝に憧れて大学から陸上競技を始めるも、4 年間故障に苦しみ、走ることができた期間はほんの僅かしかない。それでも、たった一人の4回生として、いつ何時も明るく前向きに競技に励んで来た。誰よりも競技を、またこのチームを愛してきた。何度骨を折っても心だけは決して折らなかった。その背中は多くの部員に影響を与えており、目標達成で彼に笑顔で終わって欲しいという強い願いも、丹後大学駅伝に向けた選手のモチベーションとなっている。
「強い京大を、再び」。
丹後大学駅伝でお見せする京大の選手達の姿からは、この言葉に表される覚悟が伝わってくるはずだ。
この 5 ヶ月間、我々だけではなく、先を行くライバルたちも大きく記録を伸ばしており、 現状資格記録だけで見ると、あの日と同じ7番手に甘んじている。だが、良くも悪くも実力とは乖離した結果になるのが駅伝の醍醐味である。出走する8名だけでなく、惜しくも出場できなかった選手やこのチームを誰よりも愛するスタッフ全員が、自分にできる最高のパフォーマンスを見せたとき、駅伝の神はきっと微笑んでくれるはずだ。
丹後大学駅伝での、京都大学の躍動に期待したい。
【文責 京都大学陸上競技部 駅伝主務 池田幹】
丹後大学駅伝 過去の成績
2019年 6位
2020年 4位
2021年 6位
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