今回の丹後大学駅伝出場は23年ぶりとなる摂南大学。これまでも挑戦する年はあったものの、どこか遠いものとなっていた。
今春、そんなチームに一筋の希望の光が差した。それが竹澤健介ヘッドコーチの就任だ。(以下、竹澤HC)
竹澤HCは、早稲田大学在籍時に箱根駅伝で区間賞を獲得し、世界陸上と北京オリンピック(2008年)に出場した経験がある。竹澤HCの指導は特別なことをしているかというと、そうではない。選手たちが学んだのは「練習の意図を理解して継続する」ということ。初めのうちは理解できない選手も多かったが、竹澤HCの丁寧かつ熱心な指導は少しずつ選手たちを変えていった。今、選手たちは春先には考えられなかったほどの成長を遂げている。1歩1歩着実に進んだ先にはどんな結末が待っているのだろうか。丹後大学駅伝はそれを証明する絶好の場となるだろう。選手たちには自信を持って臨んでもらいたい。
チーム全員でシード権獲得へ
竹澤HCが就任した今春から、まずは丹後大学駅伝の出場権を獲得しようと練習を積み上げてきた。しかし、チームとしては長距離パートだけでは人数が足りず、中距離・競歩パートの選手たちの力も借りねばならなかった。もしかしたら、最初はみんな乗り気ではなかったかもしれない。練習は質も量も昨年から格段に上がり、とにかくしんどかった。時には心が折れそうにもなった。
でもチーム全員で走り続けた。雨の日も、風の日も夏の暑さにも負けず。そして迎えた10000m。1人1人が最高の走りをし、出場権を獲得することができた。
この時、確実にチーム全員が強くなっていることを実感した。まだまだ上を目指せるのではないか。そんな雰囲気がチーム内に漂い始める。どうせ出場するなら上を目指した方がおもしろいに決まっている。次なる目標はシード権獲得だ。選手だけじゃない、竹澤HC、マネージャーも含めたチーム全員が笑顔でゴールを迎えたい。
陰で選手を支える2本の柱
現在長距離ブロックには長(経済4年)と白井(食品栄養2年)、2人のマネージャーがいる。
長は元々中距離選手として陸上競技部に所属。しかし、交通事故により練習を積むことができず、今年の春からチームの為に長距離ブロック専属のマネージャーに。そして白井は元々陸上競技部全体のマネージャーとして活動していたが、今年の春から竹澤HCが就任するタイミングで長距離ブロック専属のマネージャーに。長距離ブロックの更なる発展を見越して専属となってくれた。現在は、この2人のマネージャーに支えられながら選手たちは練習に打ち込んでいる。
彼らにとって「マネージャー」という存在は非常に大きい。タイムの計測、給水、練習の記録など、一見やっていることは簡単そうに見える。しかし、これを毎日選手たちのことを想いながら行い、一生懸命にサポートするということは、決して簡単なことではない。雨の日であっても風の日であっても、はたまた休日、祝日であっても、どんな環境でもマネージャーは選手たちを支えてくれている。
4年しかない大学生活。本当はたくさんアルバイトをして、たくさん遊んで、たくさん思い出を作りたいという気持ちがあるかもしれない。しかし、そのような気持ちに打ち勝つほどの刺激と感動が陸上競技にはある。そして選手たちは、マネージャーに最高の思いをしてもらえるように、丹後大学駅伝でこれまでの恩を返さなければならない。選手たちの成長はマネージャーの成長。
丹後大学駅伝、23年ぶりの出場となるが、マネージャーと選手で勝利(シード権)をつかみに行きたい。
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