関西の頂点を目指して学生アスリートたちが集結!2023関西インカレを振り返る
2023年06月10日 / 陸上競技
2023年06月10日 / 陸上競技
5月24日から4日間の日程で開催された、関西学生陸上対抗選手権大会、通称「関西インカレ」。4年ぶりに声を出しての応援が認められました。学生たちの大歓声に包まれたヤンマースタジアム長居は、熱く燃えました。
また、100回目の節目となった今大会は、3月まで高校生だったルーキーなどが躍動し、将来の日本代表への期待を膨らませました。
女子100mに登場したのは、甲南大学1年の蔵重みう(くらしげみう)選手。愛知・中京大中京高校時代にジュニアオリンピック、インターハイで全国優勝を経験している女子短距離界のホープです。甲南大学に進学したのは、名だたる先輩たちがいることが理由です。
(蔵重)「オリンピックのリレー経験者である青山華依さんや、世界で戦ってきた経験のあるコーチの伊東浩司さんがいらっしゃるので、自分もしっかりと記録の伸びが期待できるのではないかなと思って甲南大学に決めました」
蔵重選手は予選、準決勝と順調にトップで勝ち進み、迎えた決勝では、同じ甲南大学の先輩である井戸アビゲイル風果選手・岡根和奏選手とともにレーンに並びました。スタートからスムースな加速で抜け出し、そのままトップでゴール。美しいフォームで100mを11秒63で駆け抜け、優勝を手にしました。
蔵重「素直に嬉しいという気持ちが優っています。自己ベストが高校2年生の時に出した11秒58で、その後なかなか更新することができなかったんですけど、遠かったものがグッと目の前に近づいてきたなという感じがしています」
100mを制した同じ日、蔵重選手は女子4×100mリレー決勝にも出場し、1走を務めました。チームはスタートからトップに立ち、ライバルを寄せ付けずに圧勝。スプリント強豪校の力を見せつけました。蔵重選手は1年生ながら大会2冠に輝きました。
さらに関西インカレの翌週に行われた日本選手権では、100mで3位に入賞し、大舞台の表彰台に立ちました。
女子400m決勝のスタートラインに立ったのは、立命館大学1年の児島柚月(こじまゆづき)選手。京都・西京高校時代にインターハイで200m・400mを制し2冠に輝いたマルチなスプリンターです。
児島選手の隣のレーンには、ライバルであり、児島選手が目標としてきた安達茉鈴選手(園田学園女子大学3 年)がいました。児島選手は序盤から積極的にスピードを出し、安達選手はその児島選手の様子を見ながら横一線に走ります。2人の一騎打ちとなったレース、最後の100mで児島選手は追いかける安達選手とのわずかな差を守りきり、見事に勝ちきりました(54秒55、安達選手は54秒68)。
(児島)「最初の200mで怖がってスピードを緩めてしまうよりも、しっかり自分のペースで走ったあと、ラストの直線で勝負できればと思っていたので、予想していた展開のレースができたかなと思います。直線に入ってすぐは安達選手の姿が見えなかったんですけど、足音が迫ってきていたので、結果は本当に最後の最後までわからなかったです。新しい立命館の仲間や先輩のために頑張ることができて、立命館の一員になれたようですごく嬉しいです」
児島選手は、最終日の女子200m、4×400mリレーでも優勝し、3冠を達成。今大会の最終優秀選手に選ばれました。
そして、大会1週間後の日本選手権では女子400mで自己ベストを更新(53秒99)し、準優勝。一躍、陸上界期待の星となりました。
女子400mハードルで日本選手権2連覇中の立命館大学3年・山本亜美(やまもと・あみ)選手は、もちろん関西インカレ決勝にも姿を現しました。持ち味は、後半の圧倒的なスピードです。レースでは、ラスト100mでどんどん伸びていき、57秒41で優勝。
2位には立命館大学の同級生・工藤芽衣選手が入ります。2人でのワンツーフィニッシュは2年連続で、母校のスタンドを熱狂させていました。関西インカレ3連覇を達成した山本選手はその勢いのままに翌週の日本選手権でも3連覇。日本歴代5位の56秒06と自己ベストを更新し、女王の貫禄がにじみ出てきました。
女子10000mには、大阪学院大学3年の永長里緒(えいなが・りお)選手、立命館大学3年の村松灯(むらまつ・とも)選手、大阪芸術大学4年の北川星瑠(きたがわ・ひかる)選手と、ワールドユニバーシティゲームズ日本代表の3選手を含む各大学のエースが登場しました。
その中でレースを動かしたのは、学生ラストシーズンを迎えている大阪芸術大学の北川選手。終盤まで4番手で走っていましたが、ラスト1周手前でスパートをしかけ、関西インカレ初優勝です。女子5000mでも優勝し、長距離2冠に輝きました。
(北川)「関西インカレでタイトルを取ったことがなかったので、今年はタイムより順位ということを意識して走って、優勝というかたちで結果に出せてよかったと思います。目標は7月のワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソンで優勝して、金メダルを日本に持ち帰ることです」
今大会、54年ぶりに男子総合優勝を果たした関西大学。10000m関西学生記録保持者である4年生エース・亀田仁一路(かめだ・じんいちろう)が躍動しました。男子10000mと5000mでライバルを突き放し、2冠を達成。2種目で大会記録を更新し、母校に大きな得点をもたらしました。
(亀田)「4月の日本学生個人選手権でユニバーシアード日本代表を逃してしまって、本当に悔しい思いだったんですけど、ようやく自分が今までやってきたことが間違っていなかったんだな、と確認ができてホッとしています」
この春、武庫川女子大学大学院に進学した船田茜理(ふなだ・あかり)選手。女子三段跳で日本学生記録を持っています。大会では、1回目のジャンプで13m29と、いきなり大会記録を更新し、大会2度目の優勝。笑顔を見せました。
女子10000m競歩では、去年の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した立命館大学2年の柳井綾音(やない・あやね)選手が優勝。母校の大声援に背中を押され、終始レースをリードしていました。関西学生記録にはわずかに届かなかったものの、大会2連覇です。
(柳井)「スタンドからの応援のおかげで、25周があっという間に感じました。競歩はいつも1人で練習したりして孤独な競技なので、チームで応援して下さる中で歩けてすごく楽しかったです」
今大会では、パラアスリートも躍動しました。7月の世界パラ陸上で走幅跳の日本代表に選ばれている摂南大学4年の近藤元(こんどう・はじめ)選手は男子T63 100mに出場し、13秒31と自己セカンドベストのタイムを出しました。
そして男子T45 100mの日本記録保持者である京都教育大学4年の三本木優也(さんぼんぎ・ゆうや)。11秒18と、自身が持つ日本記録(10秒90)には及ばなかったものの、素晴らしいレースを見せました。
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
2022年4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス
「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
関西インカレは5月24日〜27日の4日間、あすリートチャンネルでライブ配信しました。
You-Tubeのアーカイブでご覧になれます。
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(6月11日放送)