番組ナビゲーター、鳥谷敬さんが立命館大学・山本亜美選手を直撃!
今回は、元・阪神タイガースの鳥谷敬さんが立命館大学、陸上競技部の山本亜美選手を取材しました。
山本選手の専門種目は10台のハードルを跳び、トラックを1周する400mハードル。去年・おととしと日本選手権で連覇を果たし、絶対的女王として挑んだ先月の日本選手権でも圧巻の走りで堂々の優勝。見事3連覇を達成、日本歴代5位のタイム(56秒06)で自己ベストも更新し、来年のパリオリンピック出場にも大きな期待を背負う21歳です。
「初めはめちゃくちゃ下手くそ」400mH女王のルーツ
まずは、山本選手のルーツに迫るべく、鳥谷さんが直撃インタビュー。
(鳥谷)「今、ハードル種目をやられてるじゃないですか。僕のイメージとしては、まず足の速い人が50mとか100mとかを始めるところから入っていって、ハードルに移行していくイメージがあります。山本さんがハードルを始めたタイミングって…?」
(山本)「中学校から陸上を始めたんですけど、その時は100mや200mをやってて、全中とかも出てたんですけど、決勝に行けなくて…。高校になって400mも始めてみたんですけど、なんかパッとしなかったんです。そこで、400mハードルの方が上を狙えるんじゃないかと思ってやってみたら、その年くらいに全国で優勝できて。そこから、専門種目を400mハードルにしようと決めました」
(鳥谷)「最初から跳べるなという手応えが?」
(山本)「いや、全然(笑)。もう、めっちゃくちゃ下手くそでしたね」
「走る前はめっちゃ緊張します」緊張をほぐすのは…
日本選手権3連覇を達成し、今や400mハードルで女王に君臨する山本選手。ハードルを始めた当初は、フォームもぎこちない様子だったとか。コロナ禍で練習もままならない時には、お父さんお手製のハードルを使って練習に取り組むなど練習を続け、一歩ずつ力をつけていったといいます。他選手を圧倒する今の実力は、人一倍の練習量と努力の賜物でした。
(山本)「陸上が好きなので、練習とかも全然苦じゃないんですよ。しんどい練習も大好き!みたいなタイプなんで」
(鳥谷)「練習できるというのは強みですよね。しんどいことをしていてもそれが楽しい、みたいな感じですか?」
(山本)「そう!それが楽しいんですよ」
ハードな練習も楽しくできる山本選手。そんな彼女の最大の武器はラスト100mのスパート。苦しいはずのレース後半、その心境とは…。
(山本)「だいたい大会の次の日ってオフじゃないですか。なので、【明日オフ、明日オフ!】って思って最後は走ってます(笑)」
周囲を笑顔にする底抜けな明るさが魅力の山本選手。しかし、試合前は緊張することも多いと話します。そんな時に彼女を助けてくれる、とっておきのアイテムがあるといいます。
(山本)「走る前はめっちゃ緊張します。アップしてる時とかコール前、召集前なんかは一番緊張していますね。そんな時、家のにおいがするタオルをかぐと落ち着くんですよ(笑)。コール前にタオルを出して、【大丈夫、大丈夫】って自分を落ち着かせます」
(鳥谷)「そんなに緊張するんだ!」
(山本)「緊張します。たくさんにおいをかいでますよ」
「亜美がいるから大丈夫って思ってもらいたい」ゆるぎないチームへの想いと母校愛
実力が上がるにつれ、自分自身と向き合うシーンが多くなった山本選手。その彼女がもっとも大切にしているのは立命館大学への母校愛だといいます。たとえ日本代表に選ばれても、陸上部の活動はおろそかにしたくないと考えています。
(山本)「立命館でやってる陸上っていうのがすごく好きで。自分の大学を背負ってチームのために戦うっていう雰囲気がすごく好きなんです。やっぱり、チームのみんなのためにもエースでいたいというか…。【亜美がいるから大丈夫】って思ってもらいたいなと思います」
(鳥谷)「すごいですね。僕も団体スポーツ(野球)をやっていたんですけど、思いっきり個人スポーツだと思ってやっていましたね。全員がプロ野球の世界にいけるわけではないんで、個人で頑張るしかないないと思って…。山本さんみたいなマインドがあったら、人生ちょっと変わったかもしれない」
「現役中でも勝てない!」野球界のレジェンド・鳥谷敬も唸る400mハードル女王のポテンシャル
取材中、鳥谷さんは山本選手のアドバイスのもと、女子400mハードルで実際に使用する76.2cmの高さのハードルを使用して、ハードリングを体験。元・プロ野球選手の鳥谷さんは山本選手のアドバイスをすぐに吸収し、あっという間に上達してみせます。
そんな姿を見て、山本選手も驚きを隠せない様子。そこで2人は50mハードル対決に挑戦することに!
滑り出しは両者好調、しかし中盤からハードルの絶対女王が大きく前進。2人の差が大きく開き、山本選手が圧勝しました。
(鳥谷)「ハードルいらなかったわ!先にいかれた時点で焦っちゃって、もうダメ(笑)。現役時代でも全く勝てないと思います」
しかし、負けず嫌いの鳥谷さんは…。
(鳥谷)「50m普通に走ったら絶対勝てると思う!それにしよう、もう1回!」
このままでは終われない鳥谷さん。50m走を熱望し、ふたたび対決が実現。ハードルなしの50mなら絶対勝てる!と豪語しました。しかし、迎え撃つ400mハードル女王との一戦はまたしても山本選手が圧勝!完全勝利をおさめた山本選手は…。
(山本)「ごめんなさい、鳥谷さんが1回も(自分より)前に見えませんでした(笑)。鳥谷さんに勝てたこと、みんなに自慢します!」
(鳥谷)「もう普通のおじさんだ…(笑)」
「パリ五輪出場を本当に狙えるかもって思えてきた」実感する実力と成長
ことし6月の陸上日本選手権を制した山本選手は、アジア選手権、ワールドユニバーシティゲームズ、アジア大会の日本代表に選出されました。日の丸を背負い、戦う初めてのチャンス。念願の日本代表を叶えた山本選手の心境は…。
(山本)「日本代表なんて、選ばれた人しか経験させてもらえないことじゃないですか。そんな中で選んでいただけたことは、ほんまにすごく嬉しい。でも、それと同時に頑張らなあかんなっていう気持ちもすごくあります」
嬉しさとポジティブなプレッシャーの中で見据える世界での戦い。輝かしい未来を目の前に、彼女が描く未来とは…。
(山本)「今までは【パリ五輪に行く】っていうのを、なんか言わされている感じがすごくあったというか…。でも、今は本当に狙えるんじゃないかなって、自分でもちょっとずつ思えてきました」
(鳥谷)「狙っていけることを肌で感じ始めてきた?」
(山本)「そうですね!パリ五輪、行きたいです!」
弾ける笑顔と天真爛漫なキャラクターが魅力の山本選手。陸上と母校を愛し、心から陸上を楽しむ大学生ハードラーが憧れの舞台を見すえ、今日も前へ進みます。
山本亜美 yamamoto ami プロフィール
2002年4月19日生 21歳
滋賀県草津市出身 京都橘高校~立命館大学
専門種目 400mハードル
2020・2021・2023 日本選手権3連覇
2022 日本インカレ400mハードル優勝
2001・2022/2022 関西インカレ3連覇
自己ベスト:400mH 56秒06(関西学生記録/日本歴代5位)
2023 アジア選手権/ワールドユニバーシティゲームズ/アジア大会 日本代表内定
毎週日曜日 あさ6:00 読売テレビ地上波で放送
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどの、スポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(読売テレビ「あすリートPlus」7月2日放送)
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