難病の西浦颯大 ファームで引退セレモニー
国の指定難病「両側特発性大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)症」の悪化のため今シーズン限りで引退するオリックス育成の西浦颯大(にしうらはやと)外野手(22)が28日、ファームの広島戦で引退試合に臨みました。
9回、西浦選手の紹介がアナウンスされるとゆっくりと自力で歩き定位置のセンターへ。
前売り券完売の238人で埋まったスタンドから拍手が送られました。背番号は現在「125」ですが、この試合は特別に昨シーズンまでの「00」をつけて守備につきます。
わずか1球で交代となり、ベンチに戻った西浦選手。
前佑囲斗投手から記念球を渡され、同い年の広島・中村奨成選手、そしてチームメイトで同期入団の西村凌選手から花束を受け取ると、込み上げるものを堪えきれませんでした。
熊本県出身の西浦選手は明徳義塾高校(高知)から2017年のドラフト6位でオリックスに入団。
守備で見せる高い身体能力とパンチのある打撃を買われ2年目に「2番・センター」で開幕スタメン出場を果たしました。
順調に滑り出したプロ生活でしたが3年目の、去年11月、大腿骨の付け根が壊死する難病を発症。今シーズンは育成契約となり、去年12月と今年2月に両足を手術。
リハビリに取り組んできた西浦選手でしたが左足の状態が悪化し今月24日に引退を発表しました。
プロ4年目での早すぎる引退。
それでもチームメイトやファンから愛された22歳は野球への溢れる思いを胸に秘め、新たなステージへと向かいます。
インタビュー「夢は… 現実的ではないけど、やっぱりプロ野球選手」
Q、今の心境?
「泣かないと思っていたけど、守備位置に就いた瞬間、自分のファインプレーがよみがえって泣いちゃいました」。
Q,守備位置について?
「(センターから見た)景色がメチャメチャ遠かった。久しぶりで。でも、ベンチにいてもメチャメチャ楽しかった。でもボールが怖かった10ヶ月くらい野球をやってなかったんで」
Q,プロ野球での思い出?
「思い出は選べないですよ。いっぱいある。全部が思い出。プロの4年間も濃すぎて、やっぱり選べないです。でも頭をよぎったプレーはフェンスに激突したプレーです。次の日首が痛かった」
※去年9月20日の西武戦(京セラドーム)。ピンチの場面で、センターに伸びた打球をフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。
Q,どんな思いでリハビリをしていた?
「1軍の試合を見て、戻りたい思いがモチベーションになっていた。でも心は付いてきているが、体が付いてこなくて。8割強、復帰は無理だと言われたけど、自分ならと思ってやってきました。でも、無理でした。8月ごろに医師から復帰は厳しいと言われて、無理と分かりながらグダグダやってもダメだなと。けじめをつけようと。寂しさはもちろんありますけど、自分で決めたので。今は切り替えて、次のステージで頑張ろうと思っています」
Q,今後の夢は?
「ずっと夢はプロ野球選手だった。現実的ではないけど、心の中ではやっぱりプロ野球選手が夢」
Q,優勝争いをしているチームメイトへメッセージを
「勝ってほしいです。優勝してもらわないと困ります」
西浦颯大 Hayato Nishiura プロフィール
1999年5月21日生まれ
熊本県八代市出身
外野手(センター)
右投左打
明徳義塾高校→2017年ドラフト6位でオリックスに入団
プロ通算成績 128試合 打率1割9分2厘 3本塁打 22打点 12盗塁。
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