大阪の名門 「大淀ボーイズ」に所属

島野愛友利選手 大阪の名門「大淀ボーイズ」に所属
                         
去年、読売ジャイアンツが女子硬式野球チームを新設し、その第1期生として入団した島野愛友利選手(18歳)。中学時代はプロも輩出している大阪の名門「大淀ボーイズ」に所属。沈みこむフォームから繰り出す伸びのあるストレートや、キレのある変化球で打者を翻弄。緩急をつけたピッチングでエースの座を勝ち取りました。

当時、島野選手はチームで唯一の女子選手。まだあどけなさが残る14歳の少女は、ただひたすらに一人の野球選手としてプレーしていた当時の心境をこう語っています。

島野 「女の子が男の子を抑えたというよりは、投手が打者を抑えたっていう感覚でいるので、これからも女の子というよりは野球選手として上手くなりたいです。」

甲子園に出場できない女子野球選手としての悩み 目指す道は・・

小学2年生から始めた野球
       
島野選手が一躍、注目を集めたのが、中学硬式野球の全国大会「ジャイアンツカップ」の決勝戦でした。マウンドには島野選手。最終打者のピッチャーゴロをすぐさまホームへ送球。一塁も抑え、見事チームを優勝に導き、史上初の女子の胴上げ投手となったのです。試合後のインタビューでは「2年半頑張ってよかった」と涙を見せました。

二人の兄の影響を受け、小学2年生から始めた野球。高校野球の強豪高に進んだ兄の圭太さんは、「妹は努力の天才」といいます。

島野選手の兄 「どんな時でも自主練や柔軟をやるので、そういうところがすごいなと思います。」

お兄ちゃんも認める島野選手ですが、高校進学を前に、ある悩みを抱えていました。

島野 「男の子たちは“目指す目標”がある中で野球していると思うんですけど、自分の場合は女子野球が広まってない中でやっているので…。」
今まで男子に交じって野球をしていましたが高校の野球部に入ると、女子は”プレイヤー”として甲子園に出ることができません。思い悩みながら、彼女が下した決断は「女子高校野球」の道でした。全国制覇の実績がある強豪校「神戸弘陵学園高校」に進学し、すぐに実力を発揮。

石原康司監督 「同じ1年生レベルで比べると全く違いますね。3年生と遜色ないというレベルですよ。」

内野手としてレギュラーを勝ち取ると投手としても活躍。1年生ながら強豪野球部の欠かせない戦力となりました。これまで男子に交じって野球をしていましたが、高校では女子野球部で寮生活。チームメイトに普段の様子を聞いてみると、お風呂上がりには必ずスキンケアをする姿や、タピオカが大好きで、寮でも手作りするなど、その素顔は今どきの女子高生でした。

あきらめていた夢 女子高校野球で「甲子園」での決勝戦開催が決定 

女子高校野球の強豪校に進学
              
3年生の引退後、新チームでエースとなった野島選手ですが、2年生の一年間、新型コロナの影響で部活動はほとんど出来ませんでした。思い切り野球ができない日々が過ぎ、気付けば高校生活最後の夏。「野球がしたい!」その気持ちが抑えられず、授業が終わるとダッシュでグラウンドに向かい、練習に励みます。目標はただ一つ。

島野 「やっぱり夏、日本一になることです。自分自身が悔いの残らないように3年間やりきりたいと思うので、良い結果を出せるように自分のピッチングを一番磨いて。対策されていても、それをはねのけるようなピッチングをしたいなと思っています。」

そして、この年、島野選手が小さいころから夢見た舞台「甲子園」で、全国大会の決勝戦が行われることになりました。

島野 「女子野球に『甲子園』っていうワードが出るまでに、すごい時間もかかったし、たくさんの方が動いてくださったので、全てのことにおいて感謝の気持ちでいっぱいです。」

高校最後の夏 目指すは甲子園での全国制覇
                   
迎えた夏の全国大会。神戸弘陵学園高校は初戦から大差をつけてライバルを退け勝ち進んでいきます。そして、甲子園まであと1つとなった準決勝。島野選手はショートで先発。4回の表、相手の京都両洋に一点リードされます。6回の裏、神戸弘陵の攻撃。同点に追いつき尚もチャンス連打で逆転に成功!

そして1点リードで迎えた最終回。1アウト1塁3塁と一打同点のピンチながら、島野選手は相手のスクイズを見抜きダブルプレーで勝利。

見事、決勝への切符をつかみ取りました。仲間と喜びを分かち合いながら、肩を震わせ、あふれる涙。目指すは甲子園での日本一です。

そして、決勝の舞台、甲子園のグラウンドに足を踏み入れ、そこから見える景色に思わず笑顔がこぼれる島野選手。練習でも笑顔を見せ、仲間とともに憧れの舞台を楽しみます。

4点リードで迎えた最終回、島野選手は二人を打ち取り、最後の一人をフライに抑え、夢の甲子園で全国優勝を果たしました。チームメイトがマウンドに駆け寄り、一斉に人差し指を突き上げて喜びを爆発させます。届かない夢と諦めていた甲子園。島野選手はその歓喜の輪の真ん中に立っていました。

不安を抱えながらも“女子プロ野球”の道へ

ジャイアンツが新設した女子硬式野球チームに入団した島野選手
                  
高校を卒業後、島野選手はプロの道へ進むことを決断。去年ジャイアンツが新設した女子硬式野球チームに入団したのです。島野選手を含めた4人の選手が第一期生として入団し、新たな一歩を踏み出しました。

島野 「女子野球界の発展に、少しでも貢献できるように頑張ります!」

背番号「89」のユニフォームに袖を通し、同期と共に、いざ原監督の元へ。

原監督 「ジャイアンツのユニフォーム似合ってるよ!135kmになったら上で投げさせる!」

激励の言葉をかけてもらい、今年は一軍のキャンプにも参加しました。坂本選手と一緒に守備練習をしたり、ブルペンでの投球練習では、宮本さんからアドバイスを受けました。超一流選手のプレーを間近で観察する島野選手。菅野投手の投球を見て「自分の課題と照らし合わせた時に、自分の理想に全てがマッチしていた。」と多くのことを学んだ様子。

キャンプを終え、この春からは地元大阪を離れて東京での生活が始まります。不安を抱えながらも、大好きな野球と共に生きる道を選んだ島野選手。女子野球の未来へと続く確かな一歩を歩み始めています。

(読売テレビ「あすリートplus」5月1日放送)

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