プロ野球ドラフト会議 2023年の関西注目選手は?
10月26日に行われるプロ野球ドラフト会議。野球少年なら誰もが憧れる、プロ野球選手への道が開かれる大事な1日です。読売テレビ「あすリートPlus」では関西から夢の舞台を目指す、2人の選手の歩みを追いました。
甲子園での死闘がプロ入りの夢を後押し 関西大学・有馬諒
名門・関西大学体育会野球部で200人近くの部員をまとめるのが、主将の有馬諒(ありま・りょう)選手。捕手として高い守備力を持ち、巧みなインサイドワークで投手をリードすれば、盗塁を狙うランナーにはそれを許さない強肩を持ちます。関西学生リーグで3度のベストナイン、侍ジャパン大学日本代表にも選ばれたアマチュア屈指の捕手です。
(有馬)「自信を持っているのは守備力で、自分のアピールポイントかなと思います。プロに行きたいとずっと考えているので、プロ入りを目指しています」」
有馬選手が注目を集めたのは5年前、近江高校2年の時に出場した夏の甲子園です。今なお色褪せない、金足農業との死闘を繰り広げた準々決勝。現在、東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーする林優樹投手とバッテリーを組み、チームの中心にいました。サヨナラ負けを喫したこの試合があったからこそ、有馬選手は“プロ野球選手になりたい”と強く思うようになったと言います。
(有馬)「高校に行ったタイミングではああいう風になるとは思ってもいなかったですし、メディアで取り上げていただいたりしたことがきっかけで、すごく遠い場所なんだろうなと思っていたプロ野球が、手を伸ばせば、というところまで来たんだなと思っています」
「夢が叶うように」干渉しすぎず、温かく見守る両親
2001年、奈良県で有馬家の次男として生まれた有馬諒選手は、ボールで遊ぶことが大好きだったといいます。小学1年で野球を始め、夢が膨らんでいく息子を両親は温かく見守っています。
(有馬)「ずっとプロに行きたいと言っている自分に対して両親は『いけたらいいね』とよく言いますけど…。あまり深く干渉はしてこないと言いますか、好きなようにやらせてもらっています。自分が出てないときから、ずっと試合を見に来てくれているので、キャプテンとしてチームを率いる姿を両親に見せて、感謝の気持ちをプレーで表せたらなと思います」
(父・雅規さん)「息子が一生懸命頑張っているところを見ていたら、応援して夢が叶うようにちょっとでもサポートしていけたらいいなと思っています」
(母・綾子さん)「本当に、夢が叶うといいなと思っています」
アクシデントを乗り越えーかつての女房役も期待
今年6月、関西オールスター5リーグ対抗戦で、アクシデントが有馬選手を襲いました。デッドボールを受け、右手首を骨折。ドラフトに向け、アピールしなければいけない大事な時期にプレーができなくなってしまいました。
しかし、「骨折くらいで休んではいられないと」と驚異の回復力を見せ、わずか2ヶ月足らずで実戦復帰を果たします。
(有馬)「万全かと言われるとそうではない状態で、最後のシーズンを迎えてしまったところなんですけど、大学4年間やってきたことが評価される時だと思うので、本当に楽しみにしてるところですね」
有馬選手と高校時代を共にし、昨年のドラフトでプロ入りを果たした楽天・林優樹投手は、かつての女房役を心待ちにしています。
(林)「3年間ずっとバッテリーを組んでいて、一球一球納得して投げられたのは有馬だけかなと思いますね。プロの世界で、もう一度組めれば一番いいなとは思いますけど…。去年ドラフト会議を経験して、やっぱりプロの世界に入るって、すごい厳しいな難しいなと思いました。また同じチームで野球できる可能性など、いろんな巡り合わわせがあると思うので、今年のドラフトは楽しみに見たいなと思います」
9月に開幕した秋のリーグ戦では、骨折のブランクを感じさせないプレーを披露し、ドラフトにも期待がかかります。
ドラフト戦線に突如現れた“二刀流” 太成学院大学・田中大聖
大阪・堺市にある太成学院大学硬式野球部のグラウンドは、40メートル×100メートルほどの長方形で、他競技の部と共用。ここに、ドラフト戦線に突如現れた選手がいます。主将の田中大聖(たなか・やまと)選手です。身長178cm、体重98kgとプロにも勝る屈強な身体を持つ、投打の二刀流です。
投手としてマウンドに上がれば最速153キロのストレート、さらに鋭く落ちる決め球のフォークを操る本格派。バットを持てば、怪力で軽々とスタンドへ突き刺すスラッガー。今年、瞬く間にプロ注目の存在となりました。
(田中)「(投打)両方可能性があるなら、自分の中で潰したくないなというのと、プロ野球とか様々なメディアから注目されるためには目立たないといけない部分もあるので、出来ることはやろうと思っています」
コロナ禍、チーム事情…不遇を逆手に投打で飛躍
高校は地元の大阪を離れ、山形の強豪・鶴岡東高校に進学。3年の夏に甲子園出場も果たすも、控え投手の田中選手に出場機会は巡ってきませんでした。
「楽しく野球がしたい」と選んだ大学では、コロナ禍の真っ只中。自粛期間に通い始めたトレーニングジムが転機となりました。
入学当時78kgだった体重は20kg増加し、ストレートの球速が130キロ台から150キロを超えるように。コンタクトするだけで飛ぶようになったバッティングは、チーム事情である小さなグラウンドも一役買っています。
(田中)「大学のグラウンドでは本当に出来ることが限られていて、逆方向などを意識してバッティングをしているので、球場で遠くに飛ばすだけでは絶対にできなかった部分かなと思います」
「プロ野球選手になりたい」4年の夏に下した大きな決断とはー
所属する近畿学生連盟2部の春季リーグ戦では、田中選手を目当てに各球団のスカウトが集結しました。警戒される田中選手の打席は、大半を四球が占めました。リーグ最多の12四死球、さらに投手としてもマークはきつく、防御率4.74。2本の刀は鳴りを潜めました。
「プロ野球選手になりたい」。その夢を叶えるため田中選手は8月、大きな決断を下しました。
(田中)「野手。打つ方に重点を置いて、投手としては先発じゃなくて後半最後の方で投げるという感じ。結構割り切って練習できているので、いいかなとは思っています」
体の負担が大きい二刀流から、野手一刀流に。1本の刀を研ぎ澄まし、巻き返しをはかるプランです。体のキレを重視し、シャープな振りができるよう、体重を7kg減量しました。
その後、学生最後の舞台である秋のリーグ戦では、指名打者として出場。田中選手のバットから快音が止まりせん。アピールを続け、指名を待ちます。
(田中)「気づいたら4年生で、気づいたら最後です。めっちゃ早いですね。春はすごく対策されて抑えられていたので、この秋に打てているのはいいことかなと思います。力強いスイングとか、走ったり投げたりするのも自分の持ち味だと思っているので、全部パワフルに力強くやっていきたいと思っています」
運命が迫る2人の大学生に、吉報は届くのでしょうか。プロ野球ドラフト会議は、10月26日です。
有馬 諒 Arima Ryo プロフィール
2001年4月3日生まれ 22歳
奈良県出身
近江高(滋賀)〜関西大学
ポジション:捕手 右投げ右打ち
身長/体重 181cm/83kg
田中大聖 Tanaka Yamato プロフィール
2002年1月29日生まれ 21歳
大阪府出身
鶴岡東高~太成学院大
身長/体重:178㎝/95㎏ 投打:右投げ左打ち
ポジション:投手/三塁手/右翼手
毎週日曜日 あさ6:00 読売テレビ地上波で放送
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、また、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどの、スポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(「あすリートPlus」10月1日放送)
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