パ・リーグ3連覇に貢献した投打のキーマン 山本由伸投手・頓宮裕真選手
9月20日、ペナントレースの首位を走っていたオリックスは、クライマックスシリーズで2位ロッテとの第4戦を迎えていました。2点を追う7回に5本のタイムリーが飛び出し、打者一巡の猛攻で劇的に試合をひっくり返し、見事勝利。本拠地京セラドーム大阪で、地元のファンに胴上げを見せることができました。レギュラーシーズンで2位に15.5ゲーム差という圧倒的な強さで、3年連続15度目のリーグ優勝を果たしました。
3連覇の立役者となったエース山本由伸投手とリーグ首位打者の頓宮裕真選手。“奇跡のお隣さん”バッテリーの活躍を振り返ります。
3年連続“投手4冠” 大エース山本由伸投手 フォーム大改造でメジャー目指す
最優秀防御率、最多勝利、最多奪三振、最高勝率の“投手4冠”に3年連続で輝いたオリックスの絶対的エース・山本由伸投手、25歳。公の場で初めてメジャーへの思いを語ったのは、去年のシーズンオフでした。
(山本)「メジャーリーグは野球界のトップのリーグで、1番の舞台なので、そこでやりたいという気持ちはもちろんあります」
メジャー移籍を視野に入れた今年2月の宮崎キャンプでは、フォームを大きく改造。昨シーズンは左足を上げ切ったところで“ため”を作り、一気に押し出していましたが、今年は左足をあまり上げず、前に踏み出して投げています。体への負担が少ない自然なフォームへと変更しました。“築いてきた投球のバランスが崩れるのではないか?”。そんな周囲の不安を、本人は一蹴しました。
(山本)「とにかく伸びのあるボールを、腕の振りじゃなくて体重移動でしっかり作ろうとしています。自分が投げた感覚よりスピードが出ているのを感じるので、ただのアップデートです」
エース山本投手は、あくまで自然体を貫き、自らの進化を目指しました。世界一に輝いた3月のWBCでは2試合に登板し、優勝に貢献しました。
4月のシーズン開幕後は、先発ローテーションの柱として圧巻のピッチングを披露。新しいフォームでパ・リーグの猛者たちを捩じ伏せました。
9月9日のロッテとの対戦では、力強いストレートと変化球が冴え渡り、ノーヒットノーランを達成。2年連続の快挙で、チームを優勝へと加速させました。
(山本)「もっともっと頑張って、フォアボールを出さないように。高みを目指して頑張ります」
“奇跡のお隣さん”投打のヒーローの地元・岡山県備前市へ
“投”のキーマン・山本由伸投手に対し、“打”のキーマンとなったのが、プロ5年目の27歳、頓宮裕真選手です。勝負強いバッティングを買われて打線の中軸に座ると、今シーズンキャリアハイの数字を叩き出し、チームに勝利をもたらしました。初めて山本投手と一緒にお立ち台にも並びました。
実は、山本投手とは実家が隣どうし。幼い頃からともに切磋琢磨し、奇しくもプロで再びチームメイトとなった2歳違いの山本投手と頓宮選手は、ファンから「奇跡のお隣さん」と呼ばれています。岡山県備前市で小学生時代に指導していた大饗利秀さん(おおあえ・としひで)に、2人の幼少期を振り返ってもらいました。
(大饗さん)「(山本)由伸はたまたま野球に出会ったから野球をしただけのことで、周りの環境でサッカーや他のスポーツに出会ってやっていたとしても、俊敏性があって身体能力が高い子どもだなと思っていました。(頓宮)裕真は体力的にずば抜けていました。今で言う申告敬遠のような、歩かされることはしょっちゅうでしたね。2人ともキャッチャーでしたので、由伸にとって裕真は多分憧れの存在だったと思います。裕真のことをずっと背中を見て追っかけていたんじゃないかな」
日本シリーズでも “奇跡のお隣さん”コンビが魅せた!
59年ぶりの関西対決となった日本シリーズ。3年連続で進出したオリックスの相手は、阪神タイガースでした。王手をかけられた11月4日の第6戦に山本投手は先発。2回にノイジー選手にソロホームランを浴び先制を許しますが、味方の奮起ですぐさま追いつき、勝ち越に成功にします。頓宮選手も8回、豪快なホームランで貴重な追加点を挙げ、チームを鼓舞しました。
援護をもらった山本投手は徐々に本来の姿を取り戻しました。ピンチを背負っても冷静な投球で相手に得点を与えません。この日は9回もマウンドに上がり、自己最多の138球を投げ抜いて、日本シリーズ新記録の14奪三振で完投勝利を納めました。
ドラフト4位の高卒ルーキーの夢は現実のものに
シリーズ終了後、球団を通して山本投手のメジャー挑戦が発表されました。
7年前の入団会見で「全力を出し切る投球で球界を代表するような投手になりたい」と語った不世出の大エースは、次なるステージへ1歩を踏み出します。
毎週日曜日 あさ6:00 読売テレビ地上波で放送
新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、これまで地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどの
スポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。
(11月19日放送)
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