「課題のほうが8割くらい」プロ19年目もバリバリ現役!日本女子ゴルフ界のレジェンド・上田桃子

上田桃子選手(ZOZO所属)

今もなおトッププロとして活躍する上田桃子選手。36歳を迎えても、寝ても覚めてもゴルフ三昧。現役で活躍する上田選手が大切にしていること、それは【今を大切に生きる】という心でした。

(上田)「(これまで)チャンスは多かったなというふうに感じています。手応えもあったなと感じますし、もったいないなと思うところもたくさんあって…。課題と収穫のこれまででした。課題のほうが8割くらいですけど(笑)。」

プロ19年目、まだまだ伸びしろを感じているという上田選手。競技に対する気持ちの変化について、このように振り返ります。

(上田)「(ゴルフを)何度もやめたいと思ったし、もういいやって思った時も何度もあったので…。今までゴルフを続けてきたことについては、正直、自分が1番驚いています。まさか、この年齢までゴルフをやっていると思っていなかったので」

「自分も新時代をつくりたい」宮里藍の背中を追って

同期で同門の諸見里しのぶさんとは切磋琢磨した

毎年のようにニューヒロインが生まれ、人気を博している日本女子ゴルフ界。そんな女子ゴルフ界の2023年の賞金総額は、なんと44億9000万円。大きな注目と盛り上がりをみせる女子ゴルフ界のきっかけとなったのは、女子ツアー30年ぶりのアマチュア優勝を飾った宮里藍さんの存在でした。

(上田)「藍ちゃんのアマチュア優勝から、女子ゴルフのブームが始まったと思うんですけど、それに乗っかって、次々と切磋琢磨する選手が出てきたことで、今の女子ゴルフ界というものをつくれているんじゃないかと思います」

藍ちゃんブームの中、【自分も新時代をつくりたい】という強い気持ちで、ゴルフと向き合ってきた上田選手。20歳の時、練習拠点を神戸に移した頃を振り返って…。

(上田)「高校3年生の時に、神戸に家を借りて…。そこに5~6年ほど住んでいたんですけど、ユニットバスだったので、いつもトイレットペーパーがふにゃふにゃしているような家だったんです(笑)。もっと頑張って、早く違うところに住みたいなと思っていたことが思い出に残っています」

そんな上田選手を支えたのが、当時、仲間であり良きライバルであった諸見里しのぶさんの存在でした。

(諸見里)「同期で同門だったということが1番大きくて…。お互い負けず嫌いだったんですよね。私は、【桃子より上手くなるためには、練習しないといけない】という気持ちでしたし、桃子さんも私に対して同じ気持ちでいてくれたと思うので。お互いに、【日が暮れても、相手の練習が終わるまで帰らない!】と決めていたので、お互いの練習が全然終わらないんですよ(笑)」

「ゴルフって答えがないことが多い」神戸時代に培ったゴルフIQ

上田選手が通ったというヴィレッジハウス佳林(神戸市北区)

お互いを磨き上げる関係性だった上田選手と諸見里さん。当時、練習後に2人が毎日のように通っていたのが、神戸市北区にあるヴィレッジハウス佳林。多くのプロゴルファーたちのサインが飾られた店内から、期待の星々の食生活を支え、背中を押してきた歴史が伺えます。

そんなヴィレッジハウス佳林で、今でもメニューに残っているのが、上田選手と諸見里さんのためにつくられた特別メニューです。当時、貧血に悩んでいた上田選手は、鉄分を多く含む食材をたっぷり使用した特別メニューを毎日のように食べていたと話します。

(上田)「(神戸時代は)しのぶちゃんがいたり、他の男子プロがいたり、すごくいい環境でゴルフをさせてもらえていたなと思いますね。ゴルフって、答えがないことが多いんですよね。自分がどういうショットが打てるのかとか、自分にどういうものが求められているのかとか…自分の持っている引き出しから、どれを選択するのかというゴルフIQみたいなものを鍛えてもらったのが、神戸時代だったかなと思います」

宮里藍さんがアメリカに拠点を移してからは、新たなヒロインの座を巡り、日本女子ゴルフ界では数々の熱き戦いが繰り広げられました。そんな中、上田選手が制したのは2007年。ツアー初優勝を含む5勝をあげ、21歳156日での賞金女王に輝き、史上最年少(当時)での快挙となりました。アメリカツアーへの挑戦を始めた2008年頃を振り返って…。

(上田)「(2008年は)自信満々でアメリカに行けるタイミングでしたね。日本で1番になって、そのままアメリカに行って、開幕戦から優勝争いができていたので…。ある意味、ゴルフの難しさをあまりわかっていなかったというか。すべてが上手くいき過ぎていて、外すわけないし、曲がるわけないなとか…(笑)。そういう気持ちでゴルフをしていたと思いますね」

宮里藍さんの背中を追ってアメリカに挑み、戦い続けた経験は、今も上田選手のかけがえのない宝物になっているといいます。渋野日向子選手(38位)や、古江彩佳選手(19位)、畑岡奈紗選手(13位)など、世界ランキングで名を連ねる期待の星で賑わう日本女子ゴルフ界。その先駆けともなった上田選手は、今の日本女子ゴルフ界について…。

(上田)「世界との距離をぐっと縮めてくれたのも、藍ちゃんや後輩の子たちだったり、というのもあると思うので…。(女子ゴルフ界の)華やかというイメージの盛り上がりだけじゃなくて、技術的な部分でも世界との差が縮まってきていると感じていますので、今の日本の女子選手も【世界で戦える!】という前向きな気持ちで、プレーできているんじゃないかなと思います」

「焦らずに自分らしいゴルフを」女王の貫禄と圧倒的な実力で魅せる

決意を新たに

去年4月に行われた富士フィルム・スタジオアリス女子オープン(埼玉・石坂ゴルフ倶楽部)。その戦いで、優勝への名乗りを上げたのは、大里桃子選手、岸部桃子選手、上田桃子選手の【3人の桃子】でした。

(上田)「3人の桃子ちゃんで【できれば同じ組になりたかったよね】と話していました(笑)」

そんな中、2人の桃子を置き去りに圧倒的な実力で首位に立ったのは、上田桃子選手でした。

(上田)「コースセッティングが(諸見里)しのぶちゃんだったので、結構難しいピンポジションが多くて…。余裕をもつこともなく、緊張し過ぎることもなく、淡々とゴルフができていたなという思い出があります。なので、そんなに優勝を意識してなかった分、(優勝できたことが)自分にとっても驚きでした(笑)。」

ツアー通算17勝目(国内通算16勝目)をあげた、上田選手。今年も行われる同大会についての想いは…。

(上田)「今年は花屋敷ゴルフ倶楽部にコースが戻るので、去年とは全く違うプレースタイルが求められると思っています。神戸に住んでいたこともあり、何回もプレーしたことがあるコースですが、スタートホールから池が絡んでいて難しいんです。なので、しっかり気を引き締めて試合に挑みたいなと思っています」

上田選手の思い出がたくさん詰まった関西での大会開催。そんな関西で熱戦を待ち望むゴルフファンに対しての想いは…。

(上田)「関西のゴルフファンの方は、熱いですよね。ゴルフ大好き!という気持ちが伝わってくるというか。なので、ぜひ会場で生のプレーを観ていただきたいですし、私自身もたくさんのファンの方の前で、すごいショットを1球でも多く打てるように準備をしたいと思います」

【焦らずに、自分らしいゴルフを心掛けたい】と話す上田選手。ベテランの貫禄と圧倒的な実力で観客を魅了するレジェンドは、これからもゴルフと共に、日本中を熱狂の渦へといざないます。

毎週日曜日 あさ6:00  読売テレビ地上波で放送

新番組 「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、
この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
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(読売テレビ「あすリートPlus」4月9日放送)

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