オリンピック・パラリンピックが1年延期

 
年が明けた2020年、この7月には東京オリンピック、8月には東京パラリンピックが開催される。
4年に一度のスポーツの祭典を目指す選手たちは誰もがそう思っていました。

ところが、
3月24日、東京2020組織委員会とIOCが共同で東京2020オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期を発表、史上初の大会延期が確定。
そして、4月に入り2021年開催の競技日程が発表されました。



あすリートではこれまで数多くのパラアスリートを取材してきました。

彼ら彼女らもまたパラリンピック1年の延期を受け入れなければなりません。


障がいを克服しながら、それぞれの競技人生を自らプロデュースしているパラアスリートにとって延期されたこの1年をどう過ごしていくのか? 
東京パラリンピックをめざす彼、彼女たちの現在を取材しました。



パラ競泳  一ノ瀬メイ Ichinose Mei (23)



京都出身、近畿大学を去年3月に卒業したパラ競泳の 一ノ瀬メイ選手(23)も3月の代表選考会が中止となり、2年前から練習拠点としているオーストラリアに戻っています。

そのオーストラリアも厳しい外出制限があり練習場所のプールも閉鎖されているとのこと。

今はモチベーションをあえてシフトダウン、ゆったりと流れる時間を過ごしているそうです。



「コントロール出来ないことはどんなにがんばっても自分ではコントロール出来ないので、来るものを拒まず、流れにまかせてた方が自分も楽だなと今は思います。」



「もちろん目標は今年思っていたように、表彰台に立ちたいという目標は変わらないんですけど。そういう目標があるからこそ、今は気持ちを冷静に、ゆるーくやらなきゃいけない時だと思います。」

パラトライアスロン  宇田秀生 Uda Hideki (31)


滋賀・信楽出身、隻腕のトライアスリート宇田秀生選手(NTT東日本NTT西日本)は世界ランキング4位につけ、パラリンピックの代表最有力選手として、この4月は東京豊洲で強化合宿を行う予定でした。
しかし…



「大会もいくつか中止になっていって、延期は覚悟はしていました。
海外の選手からは外出制限で練習も出来ないという話も聞いてましたので。
 でも、自分としてはやれることをやるだけなんで、もう1年延びただけだと思って、
しっかり来年をイメージして、自分を鍛えていこうと思います。」



「いつも通り前向きにポジティブに捉えて、1年間よりパワーアップしてパラリンピックの舞台で戦えるというのもあるので、とにかく選手としてトレーニングしていくだけですね。」

車いすバスケット 北間優衣 Kitama Yui (25)


2月にあすリートが取材した車いすバスケットボール日本代表の北間優衣選手(日本生命所属)も、チームの活動を自粛。自宅でトレーニングを続けています。

日本代表のトレーナーから送れるトレーニングメニューや、個人トレーナーにアドバイスをもらいながら、自宅でバランスボールを使った体幹トレーニングや、軽い重りを使った筋トレをする日々。

「車いすバスケを始めて10数年ですが、年末年始の休みでもこんなに休んだことはない。誰も経験したことがないくらい家にいるので、チーム練習が始まってみないと、どのくらい体力が落ちているのかわからない」


これまでに経験したことのないほどのおうち時間を有効に使おうと北間選手が挑戦したのは料理!



「これだけ時間があるんで、やってみようかなと。
楽しいなと思うんですけど、毎日毎日何を作ろうか考えるのはしんどいなって思いました(笑)」

パラアーチェリー  上山友裕 Ueyama Tomohiro (32)


パラリンピック延期が決定した、その当日に取材に応じてくれたパラアーチェリー代表内定の上山友裕選手(三菱電機)。



「動揺したのは間違いないと思うんですけど、この延期になった1年間は自分やパラアーチェリーを知ってもらえるチャンス。与えられた1年間で自分がもっと強くなるだけです。」


外出ができないこの期間だからこそ、オンラインで会える人が増えたといいます。現状を上山選手らしくポジティブに捉えていました。



「国と国を超えて、繋がってお酒飲みながら喋ったりできるという気づきがあったので。障害も一緒ですよね、歩けないからできないできないと考えるのではなくて、歩けない中でもできること、僕みたいにパラリンピックを目指せなかった人が、歩けなくなったことで目指せるようになった。そんな感じじゃないですか。」


1年後のパラリンピックを成功させるために、もう少し。ステイホーム!

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