週刊ひがしおおさかさんの提供記事 花園ラグビー場の盟主 近鉄ライナーズの第一ステージ最終戦のリポートです。
花園がワールドカップ仕様に生まれ変わって初めてのホームゲーム、相手は同じ大阪のNTTドコモ・レッドハリケーンズ、
ここまでともに全勝同士の対戦です。

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ついにやってきた11月4日(日)。
近鉄ライナーズは東大阪市花園ラグビー場で改修工事後初の公式戦に臨み、NTTドコモに28-24の僅差で勝利しました。

花園で勝利をもたらしてくれて、ありがとうライナーズ!新たな歴史の1ページが作られた!

「やっぱり、花園良いですね!」地元・英田中学校出身の前キャプテン・豊田は満面の笑みで勝利を噛みしめます。
リニューアルしたホームスタジアムでの初陣。さらに、同じ大阪を拠点とするライバルチームNTTドコモとの大阪ダービー。
昨年のトップリーグ順位決定トーナメントでNTTドコモに21-13で敗北し、ライナーズの自動降格が決まったあの日。
屈辱を味わったライナーズにとって、絶対に負けるわけにはいきません。
因縁の対決をこの目で見届けようと、会場は8047人のファンで埋め尽くされました。
トップチャレンジリーグ1stステージ第7節。14:00キックオフ!

前半14-12、後半14-12。互いに4トライの接戦でした。
ライナーズに比べ、外国人選手を多く配置したNTTドコモの方がフィジカルやスキルでは勝っています。
しかし、この日ライナーズが勝利をつかんだのは「チーム力」の差。
「反省点は多い、でも80分間走りきった。このシーズンで積み重ねてきたことが出た試合でした。」
と有水ヘッドコーチ(HC)は今日の試合を振り返ります。
新しい花園で、ようやくこの光景が見られた。We Are LINERS!

前半でのハンドリングミスが多く、開始直後の1分、16分とトライ2本連続で許してしまったライナーズ。
ライバルチームとのゲーム、そして花園で勝利することへの意識で動きが固くなり、序盤はディフェンスに。
同じくNTTドコモもまだ体が動かず、互いにターンオーバーを繰り返す危うい展開が続きます。

継続したアタックで徐々に前へ出た前半29分。10ステイリンが相手陣22m付近で突破し、10m前へ。
密集から9ライアンが左へパスを出すと、後ろから走ってきた14マシレワが引きつけている隙きにステイリンがキャッチ。
ディフェンスが手薄になったところを狙ってトライします!
ディフェンスを1人引ずって、ステイリンがインゴールへねじこむ!連携の取れたトライに、チーム力を感じる。

ステイリンが自らGを決め、7-12と追いかけます。
このトライを機に緊張の糸がとけたライナーズ。
さらに40分、連続トライを決めたのは今季すべての公式戦に出場中の2m超えLO、4ストーバークでした。
トライへ向かうストーバーク。204cm!

ライナーズはハーフライン付近から連続攻撃を仕掛け、ステイリンがブレイクスルー。
そこからフェーズを重ねラックができると、9ライアンが後ろから走ってきたストーバークに短いパス。
一気に駆け抜け中央左にトライを決めます。
ディフェンスを寄せつけずにトライ!

Gも決まって14-12と逆転し、前半を終えます。
前半でできた良い流れを引き継ぎたい後半。開始直後に魅せてくれたのはマシレワでした。
この日マシレワはマークされ、いつものようにビッグゲインがなかなかできない状態でした。
マシレワ一人にこの人数。

しかし後半2分、15コンブリンクとNTTドコモ15フィルヨーンがキックの応酬で火花を散らします。
大物助っ人同士の熱いキック合戦に花園全体の眼が集まる中、
自由に動けたマシレワは、ハーフウェイラインでボールを受け取ると蹴らずに自分で走り込みます。
きたきたきた!マシレワがいつもの感じで走ってきたー!

独走トライに見えますが、コンブリンクがいることでWTBとして走り切ることができたマシレワ。
チームを信じ、トライを取り切る力がついていることがわかります。
NTTドコモのFBフィルヨーンと、コンブリンクの対決の合間にはこんなショットも。

波に乗るライナーズは、後半13分にはマイボールラインアウトからフェイズを重ねて13シリベヌシィがトライ。
28-12とリードします。
よっしゃ、ヌシさん難なくトライ!

しかし、ここから疲れが見え始めます。
後半16分、21分と連続2トライを許し28-24と4点差に。1
つでもトライを取られると逆転されてしまう状況です。

なんとしても1本取りたいNTTドコモは、ラスト10分で一気にたたみかけます。
ライナーズはディフェンスに徹し、我慢の時間。ゴールライン直前まで迫られますが、ギリギリのところで耐えます。
会場からは悲鳴にも聞こえる声が飛び交います。
「自分たちの方がプレッシャーを与えていたので、安心してディフェンスしていました」
と語るのは、途中出場した樫本キャプテン。
確信があったのでしょう。
自分たちがほとんど反則を犯すことなく、ライナーズはついにNTTドコモのノットリリースザボールをもぎ取ります!
守りきった!大きくガッツポーズ。

ついに防ぎきったライナーズ。最後は蹴り出し、試合終了のホイッスルが鳴り響きます。
28-24。実に花園にふさわしい試合。実にライナーズの勝利にふさわしい試合!!


ありがとうライナーズ、ありがとう花園。
メンバーが怪我で少なくなっていくなかチーム力で打ち勝ち、今季の積み重ねをすべて出しきってくれたライナーズ。
トップチャレンジリーグ1stステージを首位で終え、2ndステージへ突入します。
11月25日(日)、長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場にて。1stステージ4位の栗田工業ウォーターガッシュとの対戦です。
さあ、新章突入!12月23日(日)のトップリーグ入替戦に向け、GO!LINERS!
スタンドからは割れんばかりの拍手が降り注ぐ。



【週ひがピックアップメンバーのインタビュー動画】




text by 野口美保(週刊ひがしおおさか)


[週刊ひがしおおさか プロフィール]
東大阪の地域情報サイト・週刊ひがしおおさか。 
地域のグルメやイベント情報を日々アップしていますが、特に力を入れているのはラグビー。
花園に拠点をもつラグビーチーム「近鉄ライナーズ」のことならおまかせ!
全試合情報とマッチレポートを熱く、詳しくお伝えします。

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