ライナーズは12月8日、長崎・かきどまり陸上競技場にてマツダブルーズーマーズと対戦しました。
観客数はなんと、4150人!
ワールドカップのトンプソンフィーバーの影響か、はたまたライナーズの魅力がやっと伝わってきたのか。
会場周辺は人だらけ。行列の並び方も並ばせ方も不慣れな奇妙な会場で、
ライナーズは多くの観客を満足させることはできるのか。
トンプソンルークしか知らない人たちにも、ライナーズの記憶を刻むことができるのか。
結論から言えば、ライナーズはやりました。2017年シーズンに降格してから、約2年。
その中でもベストに近い試合で、58-3。
マツダをノートライにおさえて完勝!
セットプレーで勝ち、展開してハーフ団がアタックを仕掛け、連携して取り切る。
80分間で奪った10トライ全てが、見応えのあるものでした。
今までよくあった
攻め込んだけど、ノックオン
とか
いいゲイン見せたけど孤立してノットリリースザボール
とかは
有りませんでした。
※ちょっとだけ孤立する場面はありました。
ディフェンスも今日は上々。
ここ2試合、いえ練習試合からずっと課題だった「後半に点差を広げた最後の20分に大量失点する」
という悪癖は全く見当たりませんでした。
最後までしっかりディフェンスし、メンバーが替わってもまったくほころびを見せません。
試合の出だしこそ、不用意なペナルティからPGで3点を与えてしまいますが、その後は敵陣でプレー。
前半12分に11南藤のトライで逆転すると、ライナーズのトライラッシュがはじまります。
18分にはボールが乱れたいわゆる”アンストラクチャ”の状態からストーバークがキープして時間を作り、外のマシレワへ。
ライナーズのトライゲッターにトライを取れる形を15人で作っています。
それでも総じてマツダのディフェンスは強く、ライナーズが簡単に抜けるシーンはありません。
しっかりつなぎ、揺さぶりをかけます。
全員がつなぐ意識を高めると、力を発揮できるのが、ゲームをコントロールする人。
今季からライナーズに加わったSHゲニアとSOクーパーです。
27分と31分に、相手ディフェンスが手薄なサイドへクーパーがキックを落とし、トライを奪うと前半だけで4トライ。
22-3で折り返します。
後半早々、ラインアウトからモールでトライを取るとライナーズのペースは一気に加速。
リンケージがさらに進み、2人の司令塔はさらに自らのプレーを楽しみはじめます。
パスワークが滑らかになり、コンビネーションを試して抜けたりエンジンがかかってきたワラビーズのハーフ団がトライを演出。
FWがセットプレーと密集で勝ち、相手を後ろに下げてハーフ団が翻弄。
決定力のあるBKにスペースを作り、トライを奪う。
グラウンドを端から端まで使い、攻め続け、ディフェンスに回っても、
密集付近での相手の動きを封じ、スペースも消して先手を打ち続けます。
結局、58-3で圧勝
結果的にマシレワは3トライし、ジョシュアも2トライを上げていますが、それは結果論。
チームで10のトライを積み上げていった、完璧な試合でした。
今日の週ひがMVPは、15人のちょうど中央でボールを動かし続けたSHウィル・ゲニア
鋭いパスはまるでワープのように時間を生み出し、判断力は予言者のようにグラウンドの30人を支配する。
「日本ラグビーを知ることが刺激的だ」
と、さすがワラビーズ。さすがスタープレーヤー。
彼が、学びの地として選んだチームを誇りに思い、これからも多くの逸材を生み出すであろう近鉄ライナーズを信じ、
次の九州電力戦に向かいましょう。
text by 前田寛文(週刊ひがしおおさか編集長)
[週刊ひがしおおさか プロフィール]
東大阪の地域情報サイト・週刊ひがしおおさか。
地域のグルメやイベント情報を日々アップしていますが、特に力を入れているのはラグビー。
花園に拠点をもつラグビーチーム「近鉄ライナーズ」のことならおまかせ!
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