世界一の景色も経験、期待の実力派 パリ五輪でのメダル獲得懸け奮闘 男子レスリング・樋口黎

2024年02月02日 / レスリング

2024年パリ五輪代表 男子レスリング・樋口黎

樋口黎選手(大阪出身)

オリンピック選手を数多く輩出している、日本体育大学男子レスリング部。多くのタレントが揃う名門に取材に行ったのは、番組ナビゲーターの鳥谷敬さん。

今回は、フリースタイル57kg級でパリオリンピック代表として選出された樋口黎(れい)選手(ミキハウス所属)にお話を伺いました。

樋口選手は2016年のリオオリンピックにも出場。当時、まだ20歳だった樋口選手ですが、結果は堂々の銀メダル。2022年におこなわれた世界選手権では、自身初の世界一の快挙も成し遂げ、ことし開催されるパリオリンピックでも金メダル獲得が大いに期待されています。

世界で活躍する樋口選手が、レスリングとの出会い、そして競技の魅力について語ってくれました。

(樋口)「小さい頃に両親が、僕が小柄な子どもだったという理由で連れて行ってくれて、ここまで来たという感じです」

(鳥谷)「小さい頃からレスリングに親しんできた樋口選手にとって、レスリングの魅力とは?」

(樋口)「レスリングは、よくルールが難しいと言われますが、1対1の格闘技なので(わかりやすい)。喧嘩のような形ですが、その中にはちゃんとルールもあって、お互いにポイント獲得を目的にしています。加えて、駆け引きのような場面もあるので、すごく面白い競技だなと思っています」

「長い時間をかけてうまく減量」最高のパフォーマンスを目指して

計量は自分との闘い

体重によって階級が分けられているレスリング。57kg級で戦う樋口選手の減量のコツ、それは【長期的な積み重ね】だといいます。

(樋口)「僕は普段から体重が重いほうなので、マイナス7・8kgくらいを最終目標に長い時間をかけて、うまく減量するようにしています。ボディビルダーやフィジークのYouTubeを見て減量の勉強しました」

ここで、話を聞いていた鳥谷さんから素朴な質問が…。

(鳥谷)「僕なんかは、お腹が空くと少しピリピリしてきちゃうんですけど…。樋口選手は減量中にピリピリしたりしませんか?」

(樋口)「僕は、きつくなってくると眠れなくなってきてしまって…。それが1番きついですね。カロリーが足りなくなってくると、【寝るな!食い物を探しに行け!】ってホルモンが出て、夜、まったく眠れなくなるんです」

試合の約3週間前から眠れなくなってしまうこともある、という樋口選手。

(樋口)「少しボクシングにも近い部分があるのかな、とも思いますが…。レスリングの場合は(前日計量のボクシングとは異なり)、試合2,3時間前の計量になるので、減量がうまくいかないと、パフォーマンスが出せないんですよね。そこが難しい部分かなとも思います」

「広背筋と体幹が大切」勝利のカギは【引きつける力】

鳥谷さんとトップアスリート同士の対談

減量とともに重要なのが、筋肉量の維持。タックルのイメージが強いレスリングですが、実は【引きつける力】がカギを握っているといいます。

(鳥谷)「レスリングに必要な筋肉や重要な場所ってありますか?」

(樋口)「基本的に広背筋が必要だと思います。姿勢を低く保ち、タックルが入ったあとに、相手を引きつける力というのが、とても大切なんです。加えて、組手でぶらされないように全身の力も使わないといけないので、強いて挙げるなら、広背筋と体幹かなと思います」

普段は、10kgほどの重さがあるという特殊な道具を使って、日々、広背筋の強化に励んでいる樋口選手。

片手で1本抱えるだけでもやっとの重さですが、樋口選手は両手に1本ずつ抱え、軽々と上げ下げをおこないます。その姿はまさに実力派オリンピアンそのもの、ますますこれからの活躍への期待が高まります。

「4・5年前まで遡って把握」分析重ね勝利に懸ける

ナビゲーター・鳥谷さんもレスリングを体験

樋口選手から鳥谷さんへ、レスリングのコツをレクチャー。レスリング初体験の鳥谷さんもイメージしやすいよう、わかりやすくポイントを教えてくれました。

(樋口)「右足からマットを蹴って、左足を相手の両足の間に入れます。両手で相手の膝の裏をかって、そのまま押すと倒しやすいですよ」

(鳥谷)「ぜんぜんイメージができない(笑)」

(樋口)「あまり深く考えず、ノリと自分自身のイメージも大事です」

アドバイス通りにいざ実戦、するとあっさり相手を倒せた鳥谷さん。プロフェッショナル同士のコラボレーションで、周りをアッと驚かせました。

プレイヤーとしてはもちろん、指導の才能も覗かせた樋口選手。向かうところ敵なしのように見える樋口選手ですが、【自身はビビりだ】と、意外な一面についても話してくれました。

(鳥谷)「野球の場合、バッターボックスに立ったら、自分自身の形がしっかりイメージできれば打てるタイプと、相手によって変化させて打つタイプがいるんですが、樋口選手はどちらのタイプですか?」

(樋口)「僕はどちらもあるタイプですね。実は、ものすごくビビりなほうなんです。なので、対戦相手のこれまでの試合についての研究をものすごくします。(相手の)4・5年前まで遡って、相手の癖などを全部把握し、自分の形をイメージした上で、(本番で)どのように取りに行くかを考えます」

肉体の鍛錬はもちろん、頭脳で点を獲得することへの努力も惜しまない樋口選手。鳥谷さんも【最強!】と称す若きスターの活躍ぶりに、今後も目が離せません。

毎週日曜日 あさ6:00  読売テレビ地上波で放送



「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
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