ラグビーの街・東大阪発!Jリーグクラブを目指して
ラグビーの街・東大阪市に、大阪で3番目のJリーグクラブが誕生しようとしていました。その名も、【FC大阪】。遡ること27年、チームの始まりは社員選手を中心とした草サッカーチームでした。
大阪府5部リーグからスタートしたFC大阪が、発足当時に掲げた目標、それは【本気でJリーグを目指す!】。目標への努力と熱意が実を結び、2015年、関西リーグを経て、アマチュアの最高峰・JFLへの参入を果たしました。
「東大阪の皆さんとJ3への階段を」
2022年6月19日、ラグビーワールドカップがおこなわれた東大阪市花園ラグビー場第1グラウンドで、23年ぶりとなるサッカーの公式戦が開催されました。対戦カードは、FC大阪と鈴鹿ポイントゲッターズ。
来場していたサッカー界のレジェンド・三浦知良選手を一目見たい、またラグビーの聖地である花園ラグビー場でのサッカー観戦を楽しんでみたいーそんな想いでスタンドを埋め尽くした観客数は、なんと1万2千人。
大観衆の熱視線の中、始まった試合は、東大阪市をホームタウンとするFC大阪にとって、今後の命運を左右する大事な一戦でもありました。結果は見事、FC大阪・坂本修佑(さかもと・しゅうすけ)選手のゴールが決まり、劇的勝利!最高潮の盛り上がりをみせたラグビーの聖地に、フットボールの歴史的瞬間を刻みました。
(FC大阪・岩本知幸(いわもと・ともゆき)選手)「まだまだ僕たちのチームを知らない方もいると思うので、一歩一歩、東大阪の皆さんと一緒にJ3の階段を上がっていきたいと思いますので、見守ってもらえたらと思います」
喜びを分かち合うためにーサッカー人生を賭け、J3昇格を目指す
FC大阪に所属し11年目を迎えたディフェンダー・岩本知幸(いわもと・ともゆき)選手。関西2部リーグ時代からFC大阪一筋。今年33歳を迎えたベテラン選手です。
(岩本選手)「大卒1年目からJリーグの舞台でサッカーをしたかったので、その夢が叶わなかった時には、正直どうしようかなって思いました。ただ、FC大阪に声をかけて拾ってもらってからは、野球場で練習したりとか、夜の9時から練習したりとか、そういう時代もあったんですけど、【どこかで絶対にやってやるぞ】という気持ちは持ち続けながらやっていました。早く(Jリーグに)上がりたいです。できれば、もっと早く上がりたかったです」
FC大阪に所属する選手の多くは、仕事をしながらサッカーをするアマチュア契約。入団3年目のディフェンダー・美馬和也(みま・かずや)選手も、FC大阪が連携している総合福祉施設「ノーサイド」で働きながら、FC大阪の選手として活躍しています。
(美馬選手)「施設の方たちにも、僕たちがパワーをもらって、サッカーにも身が入りますし、仕事にも身が入ります」
和気あいあいとした日頃のコミュニケーションとケアを通じ、あたたかい絆で結ばれた美馬選手と施設利用者の皆さん。毎試合、会場まで応援に駆けつけ、精一杯、美馬選手を応援します。
(応援する施設利用者)「美馬さーん!頑張ってー!」
声援を送ってくれる彼らと喜びを分かち合いたい、自らのサッカー人生を賭け、美馬選手は勝利を目指します。
【奪取速攻(だっしゅそっこう)】で快進撃!東大阪市民からも熱い視線
2022年1月、FC大阪は悲願のJ3昇格を目指し、新しい1年の幕開けを迎えました。チームを率いる塚原真也(つかはら・しんや)監督が掲げた2022年のテーマは、【奪取速攻(だっしゅそっこう)】。
厳しく守備を仕掛け、ボールを奪うと、すぐに攻撃に移る戦法です。プレーにかける熱い想いが功を奏し、シーズン序盤からクラブ史上初の7連勝を達成するなど、FC大阪は快進撃で人々を魅了します。活躍を支える東大阪市の商店街の皆さんも、チームに対し、熱い期待と応援を寄せます。
(商店街の方)「イケメンばっかりやん!頑張ってください」
(坂本選手)「布施や石切の方へも、試合の告知活動をおこなってきました。FC大阪がだいぶ認知されているようにもなって、温かい声もかけていただいて。結果も出ているので、応援されている感じがあります」
J3昇格まであと一歩…! サポーターと共につくるJリーグ参入への道
FC大阪が掲げるJ3昇格に必要な条件は2つ。1つはJFL4位以内に加え、百年構想クラブチームの上位2チームであること。もう1つは、ホームゲームの入場者数が1試合平均2000人以上であること。これらの条件が、これまでのJリーグ昇格への大きな壁として立ちはだかっていました。
勝利すれば、順位条件がクリアとなるヴェルスパ大分戦(10月30日)。試合開始34分、禹 相皓(ウ・サンホ)選手のゴールでFC大阪が先制するものの、その後は流れを掴めず、同点という結果に…。
この日は順位条件を達成することができず、昇格は次節へと持ち越されてしまいました。この日の応援のため、はるばる大分まで駆けつけた長年のサポーターも、熱い想いでFC大阪の昇格を見守ります。
(サポーター)「今日は絶対に勝つぞ、勝点3を絶対に取るぞという気持ちで来ました」
(サポーター)「FC大阪を10年間応援してきて、先が見えない中、ずっともがいて、ここまできたことに関しては、感慨深いものがある」
(サポーター)「(ヴェルスパ大分戦の結果について)まあまあ、こういうこともあるんで、しゃーないですわ」
サポーターの熱い応援を受け、選手たちもより一層、J3昇格と次節の勝負への想いを募らせます。
(木匠貴大(きつい・たかひろ)選手)「(サポーターの皆さんが)足を運んでくださったからこそ、引き分けになったという可能性もあるので、本当にありがたいと思いながら試合をしました」
(禹 相皓(ウ・サンホ)選手)「来週のホームゲームで大勢のサポーターの前で、みんなで勝利して(昇格を)決めたいと思います」
2000人を超えるサポーターと共につかんだ夢の舞台
11月5日、服部緑地陸上競技場でおこなわれたホームゲーム。会場には、2000人を超えるサポーターが詰めかけ、J3昇格に向けての後押ししてくれます。
対戦相手は、JFL優勝8回の強豪・ホンダFC。首位をマークするホンダに勝利すれば、順位条件をクリアできます。試合序盤、清本拓己(きよもと・たくみ)選手や久保吏久斗(くぼ・りくと)選手が、前線からのプレスを仕掛けて流れをつくると、今村優介(いまむら・ゆうすけ)選手がこぼれ球を押し込み、ゴール。
先制点を決めたFC大阪は、勢いに乗って、その後も木匠選手によるPK獲得や永井建成(ながい・たつなり)選手が体を張った守備で観客を魅了し、2対0の完勝!順位条件をクリアしました。
そして11月20日、もうひとつの昇格の条件である入場者数もクリア!ついにJ3昇格を果たしました。草サッカーチームが目指し、たどりついた夢の舞台・Jリーグ。大阪第3のJリーグクラブの誕生に、大きな喜びと期待が集まります!
(読売テレビ「あすリートPlus」11月20日放送)
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