関西発、期待の女子6選手に注目! それぞれの思いを胸に関西インカレに挑む

2024年04月26日 / 陸上競技

東京五輪も経験!期待のスプリンター・青山華依

青山華依選手(大阪高ー甲南大)

5月末に行なわれる関西学生陸上競技対校選手権(5月22日~25日)。毎年白熱する関西インカレを目前に、陸上競技は本格的なトラックシーズンを迎えています。

番組では、関西の学生陸上選手たちに注目。全国トップレベルのスプリンターやハードラーたちが、パリオリンピックへの出場を虎視眈々と狙っています。

1人目に注目したのは、長期にわたり密着している甲南大学・青山華依(はなえ)選手。3年前、当時18歳でオリンピックの夢舞台を走った経験をもつ青山選手。

(青山)「はじめてのオリンピックですが、楽しく走れたのではないかなと思います。自分の走りにも納得がいっています」

ところが、去年2月、練習中の大けがが彼女を襲います。診断の結果は、左ひざ前十字靭帯断裂。当時の心境は…。

(青山)「ことし(2023年)はもう終わりました。今シーズンは諦めたっていう感じです」

競技を続けるため、手術を決断した青山選手。退院後は、長期に渡るリハビリの日々を懸命にこなしました。選手たちと二人三脚で陸上に取り組む伊東浩司さんからも、背中を押されます。

(伊東)「ウォーキングの時期だけは長いから、2・3ヶ月単位で土台を作っていこう。ジョグを始めたら早いから。今シーズン中に一定の走れる見込みをもって、来シーズンに入っていければいいと思う」

もう一度走りたい、そんな思いを胸にリハビリを続け、辛抱強く着実にステージをあげてきた青山選手。そして、手術から約8ヶ月後の11月3日に迎えたエコパトラックゲームズでは、堂々のトップでフィニッシュ。復帰レースを11秒台で走り切りました。

(青山)「吐きそうです…。初めての緊張で、感情がよくわからない。でも、第一段階として走りきれたということが、すごく嬉しいです。見ていただいている方に、帰ってきたぞと思ってもらえるように日本選手権や日本インカレなどで、学生最後としての気持ちを忘れずにがんばりたいです」

スプリンター青山華依選手にとって、かけがえのない勝負のシーズンが始まりました。

入学早々、大学タイトル獲得や日本代表にも 期待の若手・藏重みう

藏重みう選手(中京大中京高ー甲南大)

2人目に注目したのは、去年4月、甲南大学に入学した陸上界期待の新星・藏重みう選手です。

(藏重)「オリンピックのリレー経験者である青山華依さんや、世界で戦ってこられた経験をもつ伊東浩司コーチもいらっしゃるので、しっかりと自分の記録の伸びが期待できるかなと思い、甲南大学への入学を決めました」

藏重選手は大学入学前、インターハイやジュニアオリンピックでの優勝経験をもつ、高校最速スプリンターとして注目されていました。大学入学後の5月に行なわれた関西インカレで大学タイトルを獲得すると、日本選手権でも堂々の3位獲得、そしてアジア陸上日本代表リレーメンバーとして銀メダルも獲得するなど、華々しい成績を残してきました。

そんな華々しいシーズンを送るスーパールーキーですが、日々勉学にも力を注いでいます。高校時代のインタビューでは、自分の走りを冷静に分析する受け答えや、その落ち着いた様子から、頭の回転の速さや品格がネット上でも話題に。そんな藏重選手を指導する伊東浩司さんは…。

(伊東)「藏重選手と先輩・青山華依選手のペアがすごく良いんですよ。藏重選手の真面目な部分を、青山選手が和らげてくれる。藏重選手は、ずっと高校チャンピオンの重荷を背負いながらやっていかないといけないので」

(青山)「藏重選手はピシッとしてるイメージだったけど、実際は天然っていう感じです!ギャップがいいですよね」

良き環境と先輩に恵まれた藏重選手。去年9月に行なわれた、学生最速を決める日本インカレ1000m決勝でも、堂々の1着。高校チャンピオンが翌年の大学チャンピオンへと進化を遂げ、甲南大学の表彰台独占という大会史上初の快挙も成し遂げました。

(藏重)「より強い選手と走るのは、もっともっと高みを目指せるということなので、楽しみです!」

ひたむきな向上心と、勉強熱心な姿勢が魅力的な藏重選手の躍進から、今後も目が離せません。

とまらない勢い見せる甲南大学 ブレーク果たし、大きな注目集める有力選手

岡根和奏(おかねわかな)選手(龍谷大平安高ー甲南大)

次に番組が注目したのは、青山選手や藏重選手と同じ甲南大学の3年生・岡根和奏(おかね・わかな)選手
高校時代、全国レベルではそこまで有名な選手ではなかった岡根選手ですが、去年、大きくブレークを果たします。

(岡根)「想像してたより凄いところで戦わせてもらって、自分でもびっくりしています」

去年7月に行なわれたグランプリシリーズ田島記念では、グランプリシリーズ初優勝。タイムは11秒55と、自己ベストも大きく更新しました。

熾烈なメンバー争い 驚異的な成長で勝ち抜く

奥野由萌(おくのゆめ)選手(彦根翔西館高ー甲南大)

4人目は岡根選手と同じ3年生・奥野由萌(ゆめ)選手の2人。

奥野選手も、高校時代は全国レベルでは注目されていませんでしたが、ブレークの兆しを見せています。

去年9月に行なわれた日本インカレ100準決勝では、なんとシーズン4度目の自己ベスト更新を遂げ、劇的な成長を見せました。

(奥野)「(青山)華依さんも復活してくるので、リレーメンバーの枠も競争が激しくなるし、新入生も入って、厳しい世界になると思うんですけど、自分もその中に入れるように頑張りたいと思います」

タレント選手の層が厚く、とまらない勢いを見せる甲南大学。リレーチームは学生だけでなく、日本の女子スプリント界も席巻しています。今後の活躍に大きな期待が寄せられます。

「ほんまにパリにいきたい」海外での経験糧に、パリ五輪見据え奮闘 立命館大学・山本亜美

山本亜美選手(京都橘高ー立命館大学)

5人目の注目選手は、女子陸上の強豪・立命館大学の山本亜美選手。

新キャプテンもつとめる山本選手は、4月6日、シーズン初戦を迎えました。400mハードルの日本チャンピオンでもある彼女は、このレースで圧巻の走りを見せました。

(山本)「調整っていう感じで出場したんですけど、【あ、こんなに走れるんや!】って思いました。自分の中では今までのシーズンインで1番速いんじゃないかなと思います」

日本選手権3連覇中の女王・山本選手は去年、初めて日の丸を背負い、4つの国際大会に出場しました。間近で体験したトップハードラーたちの体格や迫力、力強さに世界の壁を感じたと話します。

(山本)「日本では1位やけど、海外で走ってみたら前を走れなくて…。【うわ!みんな背大きいし、体もこんなにデカいし、今からこの人らと走るんやったら絶対負けるやん…(泣)】って思わせるような、見た目からの強さに圧倒されちゃいましたね」

日本チャンピオンとしてもう一度世界へ挑むため、去年からことしにかけてのオフシーズンには、決意も新たに、肉体改造にも積極的に取り組みました。

(山本)「去年いろんな経験をして、パリ五輪で走りたい本気で思えるようになりました。ほんまにパリにいきたいです!」

世界の大舞台を見据え、日本の女王は今日も自分自身に挑み続けています。

実業団、大学生をしのぎ、高校新記録達成! 期待の大型ルーキー・瀧野未来

瀧野未来選手(京都橘高-立命館大学)

最後に注目したのは、立命館大学期待のルーキー・瀧野未来(たきの・みく)選手。

去年10月のグランプリシリーズ400mハードル決勝で、実業団選手や大学生選手を抑えて、トップでフィニッシュしたのは、当時高校生だった瀧野選手でした。注目のタイムは、56秒90で、高校記録を8年ぶりに更新する偉業を成し遂げました。

(瀧野)「同じ高校の先輩に山本亜美さんがいらっしゃって、自分より高いタイムを持って、日本のトップで戦っておられるので。まずはそこを目標にして、しっかりと戦っていける走力をつけて、ついていきたいなと思っています」

そんな大型ルーキー・瀧野選手は、高校卒業後、憧れの先輩・山本選手と同じ立命館大学へ進学。進学してすぐ、4月に行なわれた京都インカレでは、専門のハードル種目ではない400mを走り、大会新記録で優勝。スーパールーキーの鮮やかな大学デビューを、陸上界に刻みました。

(瀧野)「自分は立命館大学の学生として走るんだという自覚が湧いてきて、余計に緊張はしたんですけど…。このユニフォームで4年間戦っていけるというのが、すごく楽しみです!」

絶対女王・山本亜美選手の背中を追う期待のルーキーの目覚ましい活躍ぶりに、陸上界全体が注目しています。

今月末には、注目の選手たちが多く出場する関西インカレが待っています。期待のスプリンターやハードラーたちがどんな成長曲線を描くのか、その姿から目が離せません。

毎週日曜日 あさ6:00  読売テレビ地上波で放送



「あすリートPlus」 は、読売テレビで毎週土曜日に放送中の「あすリート」の拡大版として、この4月にスタートした関西のアスリートたちを紹介、追跡取材してご紹介する番組です。
「あすリート」の3分では伝えきれない物語や密着映像、地上波で観られなかった陸上の関西インカレ、高校サッカー、ボーイズリーグ、中学バレーなどのスポーツ配信サービス「あすリートチャンネル」の中継コンテンツのダイジェスト版も「あすリートPlus」で放送していく予定です。
土曜放送の「あすリート」のファミリー番組として日曜放送の「あすリートPlus」をお楽しみ下さい。

(4月28日放送)

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