【高校サッカー】大阪代表・阪南大高がインターハイで優勝候補を破る!

2024年07月31日 / サッカー

夏の高校日本一をかけたインターハイが福島県で7/27~8/3まで開催。
大阪代表として興國高校と阪南大高が出場しました。
大阪大会で準優勝となり、2021年度以来3大会ぶり4度目のインターハイ出場となる阪南大高。
率いる濱田豪監督は「今年は真面目な選手が多く、勤勉性の高さで勝ち上がることができた」と大阪準優勝を振り返りました。
大会前には選手たちに「インターハイに出ることに満足してないか? そこで結果を出すことが大事だ」と語り、夏の全国大会に臨みます。

初戦の相手は優勝候補と呼び声の高い熊本代表の大津高校。
高校年代最高峰の強豪が揃うプレミアリーグWESTでも、連勝を重ねて前期終了時点で首位とその実力は高校年代トップクラスです。
蝉の鳴き声が響く中、広野町サッカー場で正午にキックオフ。
阪南大高はこの大会のために用意してきた5バックの5-4-1システムを採用。

GK沖見|DF藤本・上田・河村・弥栄・梅原|MF柏・木村・福本・三浦|FW弓場
の11人で臨みます。

試合は序盤から阪南大高の守備の時間が続きます。
前半の5分、大津のエースストライカー9山下景司にボールが繋がりシュートを浴びますが、阪南大高4弥栄琉のブロックでゴールを防ぎます。
その後も大津がボールを支配しますが、阪南大高も粘り強い守備で得点を与えず前半を0-0で折り返します。
均衡が破れたのは後半の18分。大津の20溝口晃史がコーナーキックを直接決めて先制します。
するとここで動いたのは阪南大高濱田監督。
5バックの中央に位置していた18河村駿に代えて16瀬尾優斗をトップ下に投入しシステムを4-2-3-1に変更。
ここから阪南大高の攻撃が加速します。
後半26分、右サイドの13柏大輝が相手を剥がしクロスを入れシュートシーンまで持っていくと、そのボールが逆サイドにこぼれます。
前半途中から左サイドハーフに入った14伊藤成康がそこに反応。
ボールを収め、振り抜いたミドルシュートは相手DFに当たってコースが変わり1-1の同点に。
さらに後半35分、阪南大高キャプテンの6福本一太が中央でボールを奪うとそのままドリブルで駆け上がり自らシュート。
キーパーが弾いたボールに途中出場の16瀬尾優斗が詰めて体を投げ打つようにシュートを放つとネットに突き刺さり劇的な逆転劇となりました。
アディショナルタイムに入って大津も猛攻を見せましたが、最後まで阪南大高が粘り強く守り抜いて2-1の逆転勝利。
優勝候補と目されていたプレミアWEST首位の大津を破り選手たちは大きな自信を手にしました。

試合後濱田監督は第一声から「興奮しすぎました」と話すと、「不運な先制点だったけど今思うとあれで選手たちにスイッチが入ったように思う。この大会に向けて阪南大学がいいメンバーを揃えて練習試合を2度もしてくれた。そのおかげで選手たちにいい負荷がかかり大津相手にも力を出してくれた」と併設する大学への感謝の言葉を口にしていました。
キャプテンの福本一太は優勝候補と言われていた大津相手の勝利について「相手はデカくて速かった。競り合いのところはほとんど相手が勝っていたと思うし自分たちも成長していきたい。その中で自分たちの武器のサイド攻撃がうまくできたと思う」と振り返りました。
また同点ゴールを上げてチームに勢いをもたらした14伊藤成康は「チームに火をつけるゴールになったし、自分にとって初の全国大会でゴールをあげられてめちゃくちゃ気持ちよかったです。今日はお父さんとお母さんが来てくれたんですけど泣いて喜んでくれたみたいでよかったです」と両親の目の前で恩返しとなる大活躍を喜んでいました。

勢いに乗る阪南大高の前に立ちはだかった 初出場福岡大若葉


そして翌日、連戦となった2回戦。相手はインターハイ初出場、福岡大若葉高校。
2回戦シードのためこの試合からの登場となります。
この試合は序盤から阪南大高ペースで進みます。
前半の5分、3梅原翔久がオープニングシュートとなるミドルを放つと、今度は前半の9分、右サイドの角度のないところから18河村駿のシュートがネットに刺さり阪南大高が先制。
初戦とは変わってリードする形となりました。
しかしクーリングブレイク直後の前半24分。福岡大若葉が反撃します。
コーナーキックから2井上太智のヘディングで同点ゴール。前半は1-1で折り返します。
阪南大高は後半開始から14伊藤成康、後半18分には16の瀬尾優斗と初戦で得点を取った2人を投入して勝ち越しに向けて動きます。するとチャンスが。
右サイドの13柏大輝から8木村宗太郎へと素早いドリブルとパスでチャンスを作りクロスをあげると、ゴール前に16瀬尾優斗が飛び込みますがあとわずかボールに届きません。
その後も阪南大高は再三セットプレーを獲得しチャンスを作りますが、福岡大若葉がゴール前の粘り強い守備を見せ続けます。
阪南大高が終始押し込み福岡大若葉のシュートを2本に抑えましたが、次の一点が両者共に生まれず試合は1-1のままPKに突入します。
運命のPK戦。
阪南大高が先攻。福岡大若葉が後攻。
両チーム3人目まで決めますが、阪南大高の4人目のゴール左へのボールを福岡大若葉のGK 森惺舞が見事ストップ。
その後阪南大高の5人目のキッカーが枠を捉えられずPK4-3で福岡大若葉の前に敗れることとなりました。

試合後濱田監督は「選手権もそうだけど、こういう大会はセットプレーを取れないと勝てない。ただ自信と課題を両方持って帰れるのでチームとして方向性は間違ってなかった。まだまだチームとしてまとまりも未熟だったと思うし、課題が出たのは次につながればと思う」と悔しさを噛み締めながら次への成長に目を向けていました。

福本一太キャプテンは「昨日は失点してからだったので前に行こうと思えた。今日は先制したので少し下がってしまったと思う」とメンタルの変化を敗因の1つにあげました。
ただスタンドで他チームの関係者も思わず「うまい!」と唸るプレーを終始見せていたボランチの福本。
本人は全国で通用した部分として「守備、球際は通用していた。ただボールを持ってからの判断の速さ、プレーのスピード感はまだまだ上げていきたいと思います」と初の全国大会を振り返っています。
激戦区大阪の代表として活躍した阪南大高。
この夏、手にした自信と悔しさを糧に、どんな成長した姿を選手権では見せてくれるのでしょうか。

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