週刊ひがしおおさか さんの提供記事です。
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「ここで心を折っちゃだめ。もう一回顔を上げて、上を目指そう。」



試合後、誰もが下を向くなか有水ヘッドコーチ(HC)は言いました。

手前から、試合後の円陣で選手に声をかける有水ヘッドコーチとファインガバイスキャプテン。

12月23日(日)熊谷ラグビー場にて行われた日野レッドドルフィンズとのトップリーグ入替戦で、近鉄ライナーズは21-11で敗北。
トップリーグ復帰をかけた大一番でしたが、夢は叶いませんでした。
勝てばトップリーグ昇格、負ければトップチャレンジリーグ残留。
1年の集大成である入替戦でしたが「練習でできたことが出せない試合でした」とファインガバイスキャプテンは振り返ります。
樫本キャプテンはけがのため欠場(中央)。スタンドからチームを見守りました。

ndステージでのNTTドコモとの対戦以降、アタック・ブレイクダウンを中心に全体的なレベルアップを図り入替戦に臨んだライナーズ。
練習での手応えは十分でしたが、勝負どころでの弱さが見えてしまったのです。
前半セットプレーで優位に立たれ、2トライを奪われ3-18。
後半は1トライ奪いましたが及ばず。「ディシプリン(規律)を守れなかった」と選手は口をそろえます。

一方日野は、
「近鉄の方がトップリーグにいる時間長いし、守る気持ちでいけば負ける。昇格しようという気持ちで臨んだ。」(村田キャプテン)
ディフェンスラッシュやスクラムを中心としたセットプレーを分析し、勝利につなげました。
日野色に染まるバックスタンド。ライナーズはどアウェイのなか戦ったが…。

序盤は相手にプレッシャーをかけ、先制PGを決めたライナーズ。
阻まれながらもアタックを仕掛けますが、ペナルティやハンドリングエラーで次第につながらなくなっていきます。

前半13分には13シリベヌシィがディフェンスの裏に蹴り込んだボールを15マシレワがフォローしトライしたかに見えましたが、
その前のキックの処理でペナルティがあったためノートライに。
次第に相手ペースに持ち込まれます。
グラウンディングするマシレワ。く~、惜しい。

試合の決定打となったのは、ラインアウトのサインプレー。
前半21分、相手ボールラインアウトで一番前に合わせるサインプレーを見せた日野。
そのままFL村田がディフェンスを抜け、トライを奪われます。

前半29分にもサインプレーに翻弄されるライナーズ。相手ボールラインアウトから後ろに合わされてトライを決められ、3-15に。

ライナーズが競ってくることを予想していた日野。
「その前のラインアウトでプレッシャーがかかってきたので、一旦落ち着けようと準備していたサインプレーをしました。それがうまく決まりました」(日野・村田キャプテン)
セットプレーには自信をもっていたライナーズでしたが、相手の分析が上回っていました。

スクラムも押されだし、ゲームの流れは日野に。アタックのチャンスはあるのに、
反則を犯してしまう…悲しくも時間は過ぎていきます。
クラムは時間が経つにつれ、崩れだす。

しかし、来季につながる一筋の希望も見えました。
6-21で迎えた後半35分。マイボールラインアウトから左に回すと、
13シリベヌシィが突破。大外から走ってきた11ロテにボールが渡ると、左隅にトライを決めます。
突破するシリベヌシィ。今季を通してパフォーマンスが良かった選手。

テンポの良いアタックから、トライを取り切る。
これがやりたかったこと。1年間ライナーズが積み上げてきたものです。
ロテ、渾身のトライ!セブンズ仕込みの快足で魅せた。

2019年、ラグビーワールドカップが花園で行われる年に、ライナーズはトップリーグにいません。
盛り上がる花園に穴が空いた現実が、目の前に迫ってきます。

でも、だからといって次年度以降の復活を諦める理由にはなりません。
前へ進むしかない。立て、立つんだライナーズ!
トップチャレンジリーグでも、ファンはみんなついてきたじゃないか。
愛されるチームじゃないか。確実に強くなったこの1年を、来季の成長の糧に。
復活のストーリーは今日からはじまっています。
来季への一歩を踏み出そう。

「ここで心を折っちゃだめ。もう一回顔を上げて、上を目指そう。」
この言葉を胸に、ここから再構築だ。GO!LINERS!


text by 野口美保(週刊ひがしおおさか)


[週刊ひがしおおさか プロフィール]
東大阪の地域情報サイト・週刊ひがしおおさか。 
地域のグルメやイベント情報を日々アップしていますが、特に力を入れているのはラグビー。
花園に拠点をもつラグビーチーム「近鉄ライナーズ」のことならおまかせ!
全試合情報とマッチレポートを熱く、詳しくお伝えします。

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