【パラアーチェリー】上山友裕 新しい気づきもあったステイホーム!

2020年05月17日 / パラスポーツ

緊急事態宣言が発令されて活動自粛が続く中、あすリートたちはどのように過ごしているのか?
あすリート最多登場の東大阪のケンタウロスこと、パラアーチェリー日本代表の上山友裕選手がオンライン取材に答えてくれました。

自宅トレーニングで体形の変化を実感!?

 練習で使用していた東大阪市ウィルチェアスポーツ広場も、緊急事態宣言によって閉鎖され、アーチェリー場での練習ができなくなった上山選手。自宅ガレージでのトレーニングしかできなくなったことについて不安を口にしました。

自宅ガレージで練習を続ける上山選手

上山:当初1ヶ月の緊急事態宣言だったんですけど、それが1ヶ月延びて、2ヶ月間、ほぼほぼ70m打てないことがどのくらいのデメリットかは、緊急事態宣言が明けてから、70m打って初めてわかることだと思うので。なんせこれだけ70mを打たなかった時がなかったから、どうなるかというのは不安ではあるので。そこは末武コーチと相談しながら、明けの後のスケジュールはしっかりと組んでいかないと一歩間違えれば取り返しのつかないことになるのかなとは思います。

 さらに、自宅での一人での筋トレだと適当になってしまって続かないという不安があった上山選手は、トレーナーに相談してオンラインでのトレーニングを始めたといいます。ところが、想像以上の効果に驚きを感じていました。

上山:アーチェリーは背中の筋肉ばかり使うから、以前は背中がめちゃくちゃデカくて、胸はまっ平だったんです。それが胸筋が出てきたので、体が変わってきたなという実感が出てきました!

家を出れないから会える人が増えた!?

 自粛期間に家を出ることができない中、上山選手が始めたのはオンライン飲み会。web上で画面を見ながら、ほぼ毎日飲み会を行っているそうです。

自粛期間中はオンライン飲み会だけが楽しみでした

上山:大学時代のアーチェリー部の同級生でオンライン飲み会をしたときは、遠かったら韓国とか、日本にいない子もいたり、あと田舎に行って会えない子たちとか、子育てをしているから飲み会に参加できないことたちとか。韓国にいる子なんで何年あってないやろうって感じで、全然会えなかったりするので。そういう子がちょこっと参加しますとか、久しぶりにみんな会いたいみたいな感じで、揃ったんで、すごく良かったなって思います。

基本的に飲みに行こうってなったら、参加できる人を呼ぶじゃないですか?近くにいる人とか、その時間に空いている人でないと参加できなくて。大体飲むメンバーって一緒になっていたんですけど。
今回こういうことになって新しい方法が見つかったなと。みんなの家族に迷惑にならない範囲で。緊急事態宣言が明けて、コロナが終息したあとも、こういうのをやってもいいんちゃうかなって思っています。

オンライン取材用に購入したという簡易照明 飲み会でも活躍するかも?

 さらに、海外の選手とのオンライン飲み会も行っていて、競技だけでなく、外国の状況などについても話題が尽きないといいます。

上山:日本の選手で仲良い選手は、もちろん(MIXでペアを組む)重定知佳さんとかはしょっちゅうやっているんですけど。海外の選手で韓国のパク・ホンジュ選手とかはこの間も一緒にweb飲みをしていて、急に「トモ今からビデオチャットで一緒に飲めるか?」って連絡があって、誰かいるのかと思ったらホンジョさんしかいなくて。二人でサシのみですよ、webで。

世界の人たちもオンラインで飲むというをやっているみたいで。韓国もそんな状況だからオンラインも多いよみたいな感じのことも言っていて。大会の時だったらお互いが次の日試合がない、最終日とかに一緒に飲んだりしかできなかったことが、オンラインでつなぐということで普通にできるようになったので、いろんな話が聞けました。

パク・ホンジョさんのところは2ヶ月、3ヶ月打てていない、練習できていな状況で、結構ストレスが溜まると言ってましたし。いま一番参考にしないといけないと思ったのは、韓国って第1波が終わってるんですよね、ただこの間第2波が来たらしくて、だんだんと感染数が増えてきていると。それは収束する前に気が緩んでしまって、外に出た人もいっぱいいるんじゃないかみたいな話をしていて。日本は第1波がおさまってきているところなので、第2波が来ると言われていますけど、それをどれだけ抑えられるか。周りを見ますと緩みが出てきているのではないかと思っているので。その辺は韓国の人たちを参考にして、自分たちもこれと同じようになるなって頭の中に入れておかないとあかんなって思ったり。そう言うアーチェリー以外の話も英語が話せないくせにやっているんですよ。(笑)

 家で過ごすことになったことで、逆にオンラインで会える人が増えたという上山選手。この活動自粛期間をポジティブに捉えていました。

上山:コロナになって、いろいろとできないことが多くなったと思うんですけど、逆にできることや、新しい気づきみたいなものがいっぱいあったと思うんですよね。例えば企業でいうと在宅勤務のやり方とか、ここまでやらないとしなかったような企業が在宅勤務にしてみたら意外とできるやんって思ったはずなんですよ。僕らも飲み会って言ったら外に出て行かないとダメということがあったんですけど。実際に家で飲んでもいけるし。国と国を超えて繋がって、お酒飲みながら喋ったりできるという気づきがあったので。マイナスばかりなんですけど。その中での少なくともプラスは0ではない。新しい気づきが日本の中でもあったんじゃないかなと思います。

障害も一緒ですよね、歩けないからできないできないと考えるのではなくて、歩けない中でもできること。僕みたいにパラリンピックを目指せるようになった。そんなかんじじゃないですか?すべてがマイナスではないと思います。

1年延期された東京パラリンピック

 リオパラリンピックで7位入賞を果たし、次の目標は東京パラリンピックで金メダルと、照準を合わせて調整してきた大会目前での延期の知らせに、「動揺はしたけど、この1年半でさらに強くなれる」と前向きに捉えていた上山選手でしたが、2カ月に及ぶ自粛期間は想定外だったようです。


上山:どうなるかわからんという不安がありますね。世界では練習している選手は練習しているので。日本の中では一緒とは言うんですけど、僕が見ているのは日本ではなく世界なので。世界の選手たちが練習している様子をSNSを見ていると、この自粛期間がだいぶマイナスになっているなと。向こうにはプラス、僕にはプラスマイナスゼロ状態のなので。僕的には世界に置いて行かれかけているのじゃないかなと。本当に緊急事態宣言明けのために準備をしておかないと、完全に出遅れちゃうなと言う不安はあります。

それでも目標は、東京の会場を満員にして金メダルというのは変わりはないので、しっかりとそこを達成するために今できることをやっていこうかと思います。

ファンヘメッセージ

この緊急事態宣言が出て、コロナが広まっていく中で、みなさん大変な状況に置かれていると思うんですけど、僕らパラアスリートもなんとか来年のパラリンピックを成功させるために、色々と皆さん他の選手も工夫をしてやっていると聞いているので。しっかりと来年パラリンピックが成功できるようにやっていきますので、皆さんもコロナが終息して来年のパラリンピックが開催されたときには足を運んでいただいて、応援していただきたいなと思います。


上山友裕 Ueyama Tomohiro プロフィール


☆三菱電機所属
☆1987年8月28日(32歳)
☆大阪府東大阪出身
☆ニックネームは東大阪のケンタウロス
☆東京2020パラリンピック内定
☆パラアーチェリー リカーブ男子70m日本記録(652点)

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