シーズン目前に大ケガ 地道なリハビリ乗り越えジョギング再開へ
陸上短距離界の期待のスプリンター、甲南大学3年の青山華依選手。おととしには東京オリンピック代表にも選ばれ、世界の舞台で堂々と走り切りました。いつだって天真爛漫、弾けるような笑顔が印象的な彼女に、突如起きたアクシデント。
シーズンイン目前だった今年2月、左ひざの前十字靭帯を断裂してしまいました。再建手術をおこなえば、十分に元のレベルまで戻すことは可能だと話す主治医の言葉を信じ、競技復帰への長い戦いを決意。つらいリハビリの日々を送っていました。歩くこともままならなかった状態から3か月、地道な筋力づくりと並行しながら、青山選手はついにジョギングの練習を始めるまでに回復していました。
4か月ぶりのジョギングに不安 「走るのが怖い・・・」
退院後は、筋力づくりのため、根気強く、リハビリやウォーキングなどを続けている青山選手。いよいよ、ジョギングを取り入れることになりました。まずは病院近くで試しに走ってみることに。少し緊張しながらも、一歩を踏み出します。
約4か月ぶりのジョギング。ケガを感じさせることのない走りを見せてくれました。表情は笑顔ですが、まだ不安はぬぐえない様子です。
(青山)「怖っ・・・。」
(担当医)「あれだけ走れていたら大丈夫!順調に筋肉は戻ってきているので、がんばってもらえればとおもいます。」
(青山)「耐えられるかな・・体重が・・・。でも楽しいです。風を感じる」
少しの運動で吹き出す汗。足に感じる違和感。今まで使っていなかった筋肉を使ったせいか、体への負担が大きいようです。これから少しづつ、スピードを上げていくトレーニングが始まるのだそう。
(担当医)「きれいなフォームでしっかり入れているので、最低限の筋力は戻ってきているかなと思います。ジョギングでどんどん、ペースや負荷を上げて、心肺機能を鍛えていって、ジョギングからランニング、ランニングからダッシュというのが始まっていくので、今度はそれに向けてトレーニングをいろいろ追加してやっていく。ここからは結構、早いと思います。」
10分間のジョギングで感じた走る喜び 「楽しい!一生走っていたい!」
退院後からチームメイトらに合流しての練習も再開しています。しかし、まだトラックを一緒に走ることはできないため、青山選手は一人、地道なトレーニングを続けています。練習場でのジョギング解禁初日は、10分間走り切るメニューに挑戦。
(青山)「10分て長いですね。軽く一周いきます!」
裸足になり、芝生の上を一周してみましたが、すぐに息が上がります。
(青山)「しんどい!一周で限界・・・きつい・・・。体力がもうないです。」「10分、できるかな・・・」
不安を漏らしながらも、再び走り始めました。チームメイトらも優しく見守ります。
どこまでいけるか、体力の限り、ひたすら走る青山選手。体がほぐれてきたのか、堅かった表情も、だんだんと緩んでいきます。
(青山)「しんどーい!もう無理かも!」
そういいながらも、スピードが落ちる様子はなく、笑顔。走る喜びをかみしめているようでした。
(ディレクター)「足は痛くないですか?」
(青山)「ツッパリ感はあります」
走りたい気持ちはあっても、体力が追いついていない様子。すぐに息が上がります。それでも、10分間、走り切りました。
(青山)「楽しいです。風が!涼しい!自分で作る風が!特に痛みもなく、無事に終わりました。走っている間は、久々なので、堅いというか、慣れていない感覚があるけど、それ以外は、痛くもないし。もう陸上に飽きることはないと思います。一生、走っときます。」
周りのサポートに感謝 時間をかけて、来シーズンへ挑む!
術後、地道なリハビリを続けてきた3か月。走ることが楽しい!改めてそう思えた10分間のジョギングだったといいます。
(青山)「乗り越えました。やっと始まりました、待ちに待ったジョグです!早歩きより、ジョグです。まだ土台作りなので、いきなり走らないようにします。9月くらいになったら練習に参加できるそうなので、それまでは土台を積み上げてちゃんと走れるようにしたいです。」
今シーズンの試合は、全て欠場を余儀なくされ、チームメイトらのサポートに回りました。
いつもは応援される側の青山選手でしたが、改めて、周りの人に支えられていることを痛感し、感謝の気持ちがわいたといいます。
待ちに待ったジョギング再開。秋には本格的な練習開始へ。焦らず、一歩ずつ。来シーズンの復帰へ向け、ゆっくりと、新しい風が吹き始めています。
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